亜沙美はメデ鯛?
【月曜日6:30】
「…グツグツグツ……チーン♪」
「トントントン…ガチャ」
「ほぅら、亜沙美起きなさいっ!朝ご飯を作ってあげたわよ」
「( *˘꒳˘*)スヤァ…ロミータちゃん…エッチぃ事ばかりしないでよぉ…駄目ったらぁ…」
既に目を覚まし亜沙美を寝かせたまま、20分先に起きたロミータが簡単な朝食を作ってくれた。朝ご飯が出来たので2階に上がり、亜沙美を起こしに彼女の部屋に入ったのだが…
亜沙美はロミータにセクハラされる夢を見ながら熟睡している最中だった…
「ほぉ…「共同生活が始まるんだから明日からは迷惑かけないように頑張るね!」って言ってたのはどこのどなただったかしらねぇ(怒)」
昨夜、寝る前に威勢の良い言葉を発していた亜沙美だが…いざフタを開ければ【ぐうたら姫】だった事に怒りを覚えたロミータ
「そうですか、そうですか…夢の中でのロミーは朝から亜沙美にセクハラ三昧ですか?…夢に見るまで望んでいるなら、その通りにしてあげるわよっ♬」
竹取家で居候を始めたロミータは、少しでも亜沙美の手助けをしよう!と張り切っているのに、当の本人が今までと変わらずに爆睡しているのに憤慨した
「ギシッ……亜沙美。起きないのならロミーが着替えを手伝ってあげるわねっ♪」
夢ですらセクハラ女扱いされてるのなら、リアルでも起こすついでにセクハラする事にしたロミータ
まずは亜沙美の上のパジャマを胸の下まで押し上げた後に、下半身のパジャマの腰の辺りに手を入れゆっくりと下げ始めた
「んぅ…こそばゆいよぉ…ロミータちゃんのエッチぃ!…むにゃにゃ…」
「( º言º)まだ起きないとは良い覚悟ねっ!」
ロミータは亜沙美の下半身のパジャマの左右に手を掛けて、下までイッキに下ろそうとした。その時…
「(っ﹏-) .。ん〜…んあっ!ロミータちゃん!?…もう!朝から私にエッチぃ事しないでよぉ!もう!HENTAIなんだからぁ!」
「………ゴチン!」
「何でよっ!?」
今回ばかりはロミータは被害者なのだが…日頃の行いが悪いので疑われたのは当然だ!
【朝食Time】
「さぁ朝ご飯よっ。早く食べないと学校間に合わなくなっちゃうわよっ!」
「うぅ、ありがとう…でもロミータちゃん。頭が痛いよぉ…」
張り切る!と宣言しておいて寝坊をかました挙句に、張り切るロミータを【HENTAI】呼ばわりした亜沙美の頭部に、ロミータの鉄拳制裁が下されたようだ
「自業自得でしょ!…簡単なモノで悪いけど…冷蔵庫の中に冷凍食品しかなかったし、食材も少なかったからこの程度しか作れなかったわ」
「でもでも、あれだけしかない食材で、こんな朝ご飯を作れるなんてロミータちゃんは凄いねぇ」
「はぁ…┐(´д`)┌ヤレヤレだわ…亜沙美。今日は学校が終わったら、スーパーに寄って食材を買って帰りましょうね」
「学校の帰りに?…(´ ˘ `)えへへ、デートみたいだねぇ❤︎」
「本当に亜沙美はお気楽ね〜。本当に高校生なの?中等部なんじゃないの?」
「ロミータちゃんったら、ひっどぉーい!」
日本に居た時には病弱だった梨香の世話を焼きながら学業もこなし、イングランドに居る時には同級生たちとのイザコザにも負けずに頑張ってきたロミータからすれば、この亜沙美の呑気な無防備さは天然記念物のように見えていた
【8:15】
「あら?おはようございます亜沙美さんにロミー。今日は遅刻ギリギリじゃないんですのね?」
ロミータに牽引される様に登校し教室に辿り着いた亜沙美。中に入ると、1時間目の授業の予習をしている梨香に気付かれを挨拶された
「梨香おはよう。ロミーが居るんだから、亜沙美に遅刻なんかさせないわよっ!」
「えっ?ナニナニ?亜沙美さんとアナメルさんって、もしかして同棲してるの?」
「アナメルさんの家って隣町だから…亜沙美ちゃんの家に住んでるの?」
「え〜…もしかして百合っプルなの?(笑)」
「(>ㅿ<;)ち、違うよぉ!ロミータちゃんとは一緒に住み始めたけど、百合カップルじゃないんだよぉ…」
ロミータが居候しているハズの梨香とではなく、亜沙美と一緒に登校してきて、彼女が亜沙美の世話をしている。という話を聞いたクラスメイトの女子たちが、勝手な憶測をしてハシャギ始めた
「ほらほら皆さん!もうすぐ先生が来ますから、おしゃべりは昼休みにでもしてくださいね!」
「はーい…」
「あっ、やば」
「あはは…」
クラス委員長の梨香に一喝された亜沙美を取り囲んでいた女子生徒たちは、蜘蛛の子を散らすように自分の席に戻って行った
「ガラガラ…」
「あー、みんなおはよう!遅刻している人は居ないかぁ?居ないよなぁ?」
入って来た担任の先生がそう言うと、即座に亜沙美の方を見た。つまり亜沙美は頻繁に遅刻、ないしはギリギリなのが理解できる
【放課後】
「いや〜、ロミータちゃん助かったよぉ…クラスのみんなから質問攻めされちゃってぇ、今日は帰れないかも?って思っちゃったよぉ…」
「ねぇ亜沙美…今日は帰りに食材を買いに行く!って言ってたでしょ?どうして即座に断らないのよっ!?」
放課後の約束をして家に出たのに、クラスメイトに囲まれると自力脱出すら出来ない亜沙美にイライラが募っているロミータ
「だってぇ…せっかく皆が話し掛けてくれてるのに…バッサリ断るのも悪いと思ってぇ…」
「ロミーとの約束を守れないのは悪いと思わない訳っ!?」
「そ、そんな事はないよぉ…」
自己主張も出来ずに周囲に流され過ぎな亜沙美に、同棲1日目からフラストレーションが溜まってきたロミータ。不機嫌さが顔に出ていた
「ほ、ほら。ロミータちゃん、スーパーに着いたよ。早く買い物しよう?ね?」
「はぁ……」
何とかロミータの怒りの矛先をズラそうと焦る亜沙美。そのやり方のあまりの稚拙さに更に呆れるロミータ。その時…
「ねぇねぇロミータちゃん!お魚は好き?私、鯛の塩焼き好きなんだけど、今夜はソレにしない?」
「えっ!?魚は好きだし、鯛も好きだから構わないけど…どうして?」
「ほら【メデ鯛】って言うじゃない?ロミータちゃんとの同棲記念日だしぃ、それに2匹買うと5%引きだって!」
「あら、そうなの?…ま、祝ってくれるのは嬉しいから構わないから、ソレにする?」
「やったぁ♪…それにね、3匹買ったら10%引きで、4匹買ったら15%引き、更に5匹買ったら20%引きだよぉ!どうしよう、何匹買って行こうかぁ?」
立派な鯛が1匹1000円で売られている。5匹買えば4000円なので、1匹あたり800円で買える事になるのだが…
「あーさーみ〜…」
「( ̄▽ ̄;)な、なぁにロミータちゃん?」
「あのねぇ!ロミー達2人で、どうやってこんな立派な鯛を5匹も消費するって言うのよっ!?2匹も買ったら十分じゃないのっ!ロミーは毎日、魚ばっかりは嫌よ?…もう少し考えて買い物しなさいよね…」
「えぇ…冷凍したら2-3日はもたないかなぁ?」
「そんなに鯛を食べ続ける気なのっ!?今夜食べたら、しばらくは食べなくて良いわよっ!」
「そっかぁ…ショボーン……すいません2匹だけください…」
ロミータに指摘され2匹だけ買った亜沙美。この後も、散々ロミータから説教を受けながら買い物を続けた亜沙美だったw
ロミータもセクハラスキンシップが好きだという困った部分もあるが、実生活や配信者とは頼れるお姉さんのような存在だった。彼女との共同生活が亜沙美にどのような影響を与えた行くのだろうか?
続く




