サブタイって何?
牢屋にて。
「お二人はどういったご関係で?」
「アカリと俺?あー、俺達は昔っから一緒なんだ」
「家族ですか?」
「まぁ、家族みたいなもんだな。将来的には本当の家族になるんだけどな!」
「えっ、それって・・・」
「ち、違う」
「なんだー・・・ビックリさせないで下さいよ」
「私は、レジスタとは違うから」
「えっ、どういう意味ですか?」
「安い女。トマト一個分の値段」
「や、安すぎるっ」
「逆に私は高い女」
「い、幾らなんです?」
「このお城のてっぺんくらい」
「確かに高いです!」
「誰も私には手が届かない」
「物理的に!」
「どやぁ」
「そもそも安い女の意味が分かりません」
「そらは・・・直ぐに体を許す様な女」
「それだったら私だってそうですよ!ま、まだ清い体ですからっ」
「・・・その歳で?」
「ぐぅっ」
「寂しいヒト」
「ぐぅぅぅ・・・」
「何で家族からそんな話しになったんだよ」
マリー王妃。
「マリー王妃か・・・」
「国王様の奥さんですね。国王様亡き今は一番権力を持ってる方です」
「あぁ、知ってる」
「アルベロに居たのによく知ってましたね?」
「何となく、なら。まだ生きてるのか?」
「勿論ですよ!」
「じゃあ、知らない人だわ」
「他人の空似ってやつですね」
「多分違うな」
トラディ城。
「噂には聞いてたけど、実際見ると滅茶苦茶デカいな」
「なんたって世界一ですからね!」
「へぇー。外見も綺麗だし何十年も経ってるとは思えないな」
「え?お城の歴史はそんなに古くないですよ?」
「そうなのか?」
「はい。私と同い年ですから」
「三十年かー」
「えっ!?違いますよ!私まだ二十歳ですからっ」
「ッ!?」
「えぇ!?何その反応っ!心外です!!」
「意外です!」
「酷い!」
「アカリには優しくできるんだけどなー」
「他の女の子にも優しくして下さいよ」
「気が向いたらな」
「嘘でも良いから優しくして!」
「んー・・・お前さ」
「はい」
「初めて会った時から思ってたんだけど、可愛いよな」
「・・・」
「ちゅっちゅしたい」
「・・・変顔で言うのは止めてください」
魔女狩り。
「なぁ、アカリ」
「ん?」
「魔女って、あの魔女だよな?」
「英雄譚の?」
「あぁ」
「そのかもね」
「あまり信じてなかったんだが、実在したんだな」
「魔女なんて居ないよ」
「でも、あの兵士が魔女狩りとか言ってたじゃん。それって魔女が居るからやるんだろ?」
「んー・・・君にとって魔女って何?」
「・・・アカリかな?って嘘だよごめんだからナイフ出さないで」
「いつでもやれるよ?」
「おっ?その道のプロかな?取り敢えずあれだな、レジスタの言ってた黒魔術を使える女の人が魔女になるのかな?」
「言葉的にはそうだね」
「違うのか?」
「魔女っていうのは、人によって違うから」
「深い話し?」
「例えば、私がレジスタを魔女だって言ったらどう思う?」
「アカリが言うならそうなんだろうな」
「レジスタは黒魔術を使えないのに?」
「俺はアカリを信じてるから」
「じゃあレジスタが私を魔女って言ったら?」
「信じないな」
「でも彼女からしたら私は魔女だから、私が殺されたら「魔女狩りが行われたんだ」って言うだろうね」
「ふん?」
「そして魔女を決めてるのはマリーだから、彼女が魔女と言ったらその人は魔女になるの。男の人や子供でも」
「つまり、実際には魔女なんて居なくて、マリー王妃が勝手に決めて殺してるって事か?自分の都合に合わせて?」
「うん」
「ふーん・・・それ良いのか?」
「どう思う?」
「酷い話しだ」
「そうだね」
「まるで、英雄譚に出てきた奴そのものだな」
ペロペロ。
「お前、舐めてただろ?」
「・・・?」
「指だよ指、俺の指犬みたいに舐めてたじゃんか」
「・・・?」
「お?なんだ、しらを切るつもりですか?」
「いや・・・本当に意味が分からないんですけど・・・」
「あくまでもしらを切るつもりなのか」
「そもそも、何で私がそんな汚い事をしなくちゃならないんですか?私、乙女ですよ?そんな下品な事出来ません!ぷんっ」
「ぷんっ、じゃないよお前。その年で口で言うのは痛いだけだよ?胸も無けりゃ常識も無いのかな?」
「あなたはほんっとーに口が悪いですね!辛辣ですっ」
「アカリ意外にはな」
「口悪さんなんて嫌いです!」
「そっか、残念です」
「折角、指は甘いのにどうして口は辛いんでしょうかね?」
「おいちょっと待て」
「信じられませんっ!」
「こっちの台詞だよ、変態女」
終わり。