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トランスジェンダーの日常

トランス女性…特にトランス開始後からωさんを取って1年以内の方に見て欲しい、女性ホルモン療法の負の効果について

今回はかなり重たい話をします。

なので、いつもの小ネタとか無いので、読んでても面白くは無いと思います。

ただ、女性ホルモンを摂取している方や、息子さんや友人の男性がホルモン療法をしたい・していると言う場合はぜひ読んでいただけると嬉しいです。

あぁ…あと少しでニート生活も終わってしまう…。

働きたくないでござる!


みたいな感じで、休みボケと言うかもうダメ人間になってるゴリラ系トランスジェンダー女性(MtF)です。


手術後3ヶ月経ち、ダイレーションにも慣れてきた所です。


3ヶ月も経ってくると、痛みは残ってますが、ある程度活動出来ますね。


なので、SRSを希望している人は手術込みで4ヶ月のお休みをする事をオススメします。

もちろん、金銭的に許されるなら…と言う条件付きですけどね?


さて、ボッチでニート生活してるとネット依存が加速してしまったのですが、昔と違って今は色んな方々と(つな)がれますよねー。

マイノリティなジャンルでも、SNSで検索すればいっぱいいますし。

昔はマイノリティ同士が繋がるのも大変…というか繋がる方法がほぼない状態でしたしね。


特定のジャンルの集まりをクラスタ(集合)とか界隈(かいわい)と言います。

界隈には独自のルールがある所もあるし、独自の文化やトレンドとかもあります。

私もトランス界隈を(のぞ)いています。

と言うか、入り浸ってる?

トランス情報やトランスに関係しそうな法改正や裁判等の情報がたくさん入手出来ます。


そんな便利な界隈ですが、ある意味閉じた世界にもなります。

良い面もあれば悪い面もあります。

その界隈の常識が一般的な常識と勘違いしたりとか。


トランス界隈と女装・オトコの娘界隈って一部繋がりもあるのですが、自撮りを上げる方々はまぁキレイな人が多い!

羨ましくてキィィーッてなるくらい。

ブス過ぎて自撮りとか絶対上げられない私としては、まじですごいと思いますw


でも、キレイな人やある程度自信がある写真が(あふ)れているので、コンプレックスを抱える原因にもなると思うんです。

『周り全員がキレイなのに、私はキレイじゃない。私にはトランスなんて出来ない…』とか、『周りみたいに女声出せないからツラい』とか。


ネガティブな方向にも行っちゃうんですよね。


で、ここから本題に入って行きたいのですが、トランス界隈の特に男→女へのトランス(MtF)さんの界隈にはメンタルが病んだ方々が本当に多いです。


理由は色々あるんですよ?


上記のコンプレックスの事もそうですが、両親や周囲の理解を得られない、いじめや迫害(はくがい)とかも往々(おうおう)にして存在します。


それを考えると、実家の家族や周りの友人達に受け入れてもらえて、会社も容認してもらえて在職トランスしてる私ってかなり恵まれた環境なんですよね。

もちろん受け入れられる様にめちゃくちゃ頑張りましたけどね?


とは言え、心の中に闇を抱えてる部分もありますけど…。


で、病みすぎちゃった人って自傷(じしょう)行為をしたり、ホントに自殺しちゃう場合もあって、この界隈はマジで笑えない事が起こります。


このエッセイも本当はもっと別の機会に書くつもりだったんです。


でも、私がニート生活をしているたった3ヶ月の間に、(私とは絡みが無い方々でしたが、)1名は音信不通(※生存不明)、もう1名は自ら命を()たれました。


トランスしている同じ境遇(きょうぐう)の人達なので、絡みが無いとは言え非常に悲しいですし、何か出来る事が無かったのかなと言う気持ちです。


なので、ちょっと私が感じている個人的な体験を元に、女性ホルモン療法の負の面について書いてみたいと思います。


女性ホルモン療法ですが、MtFさん(特に将来的に手術も望んでいる方々)がトランスをする上でかなり重要な工程です。


手術を望む場合の多くは自身の男性の身体に強い嫌悪感(けんおかん)を持っていると思います。

そのため、女性ホルモンを入れる事で、男性機能の永久的な排除が望めますし、現状以上の男性化を止める事が出来ます。

さらに、身体的な女性化(おっぱいや脂肪の付き方)も出来ます。


ただ、この効果…特に身体の女性化は個人差が非常に大きいです。

(男性機能の停止は全ての人に効果が出ますが…)

ものすごく顔付きや身体が変わったって人もいれば、ほぼ何も変わらなかったと言う人もいます。(実例は私です…)


理由は色々あると思いますが、私としては女性ホルモンのレセプター(受容体)の個人差かな?と。

※もちろん他の要因もたくさんありますよ?


他の要因として、年齢的な効果の差について説明すると、ホルモン開始が遅いほど『男性化が進んだ状態』なので、一度成長してしまった身体は成長する前まで戻す事が出来ないのと同じなんです。


人間の場合、元々の身体的なベース(基礎・土台)は女性です。

男性の場合は、女性の身体をベースに男性ホルモンの力で男性化します。

そして40歳くらいまで男性化が進んでいきます。

なので、男性化が進んだ後に女性ホルモンを入れても元のベースの状態に戻せないのですね。

逆に女性が男性ホルモンを入れると大幅に男性化するのは、男性化と言う成長をするためです。

例外として、おっぱい等の一部の身体的な部分は男性ホルモンで成長しない部分なので、女性化成長の余地があると言えます。

女性も一度女性として成長した部分は男性ホルモンでの男性化が出来ないのです。


話を戻すと、年齢的な効果の差以外の個人差の影響として、女性ホルモンを受け入れるためのレセプター(受容体)の違いがあると考えています。

だから過剰(かじょう)な女性ホルモンの摂取(せっしゅ)をしても、人によってレセプターの数に限りがあるため、女性化の効果がある摂取量を越えるとほぼ変わらないと思ってます。


むしろ過剰摂取は女性化の効果はほとんど変わらなく、血栓症のリスクや肝臓への深刻なダメージを受けるだけ。


他にも負の効果として、ホルモン療法には精神的な効果もあります。

男性ホルモンは活力的なものを上げてくれるのですが、男性機能が停止した後は男性ホルモンがほとんど(全体の95%)作られなくなるので、かなりメンタルが弱くなります。

※純女さんは体内で女性ホルモンから男性ホルモンを作るのですが、トランス女性の場合はほぼ無くなるので、純女さんよりも低くなる人もいます。


さらに、ホルモンバランスが大きく変わって行くため、精神的にかなり不安定になります。


特に、ホルモン開始してから2年くらい、ωさんをとってからも少なくとも1年くらいは情緒不安定な状態になっていると感じます。


MtFさんの場合、ホルモンでも女性化があまり効果が出なく、さらに周囲の理解が無かった場合、情緒不安定な状態だと自殺を考えてしまうのもムリもないと思うのです。


ただでさえ、私みたいに綺麗じゃない女装となると、世間から気持ち悪いと思われたり笑われたり白い目で見られたりしますからね。

私のようなゴリラ系トランス女性は鋼のメンタルが必要です。


メンタルが弱くなるのに、トランスするには鋼のメンタルが必要とかひどい無理ゲー。


そんな訳で、MtFさんは病む人が多いと考えています。


でも、ホルモン開始してから3〜4年も経って来ると、だんだんとホルモンバランスの乱れが落ち着き、身体が女性ホルモンに慣れてきます。

まぁ代わりに身体の女性化も落ち着いてくる訳なんですが…(泣)




ちなみに、そんなに悪い影響もあるなら男性機能が無くなったらやめれば?と思われるかもですが、そう言う訳にもいかないのです。

情緒不安定になるけど、精神的な安心も感じるんです。

理由は、やめると男性化が再び起こるのではないか?等の不安やせっかく女性化した部分が元に戻るのでは?と言う恐怖等の『やめる事への不安や恐怖』を緩和し、肉体的には更年期障害や骨粗鬆症の防止の効果もあります。

また、女性ホルモンの過剰摂取は病む原因ですが、女性ホルモンを適量入れておかないとそれはそれで情緒不安定になります。

※適量の女性ホルモンには情緒を安定させる効果もあります。


問題なのは、過剰摂取や身体がホルモンバランスの変化に対応出来ていない(慣れていない)せいで起こる情緒不安定なので。

と言うか、ホルモンバランスが崩れて情緒不安定になっているのに女性ホルモンの供給が無くなると更に悪化するだけです。

そのため、半永久的にホルモン療法が必要になるのです。


代わりに男性ホルモン入れるのも効果があるのですが、性欲は復活しますが精子の生産はもう元には戻りませんし、そもそも男でいる事に耐えられなくて死ぬかトランスするかの選択をした結果なので、男性ホルモンなんて摂取したら悪化しかしません。

周囲の人達が本人の希望を無視して、または言いくるめてムリに女性ホルモンをやめさせたり男性ホルモンを摂取させる事は、その当人を自殺に追い込むだけですので本当に注意が必要です。

…と言うか、情緒が安定してる私でさえ、男性ホルモンの摂取を実力行使で強要されたら、その強要した人を殺すか笑って死ぬかの二択ですけどね?

まぁその前に断固反対するので、丸め込まれる事はありませんけどねー。




さて、話を戻しますけど3〜4年継続して女性ホルモンを摂取していると、情緒不安定だったメンタルも少しは落ち着いてくるんですよね。

打たれ弱いのは変わらないですが、ホルモンバランスの影響から来る情緒不安定がなくなる分、冷静に考える余裕が生まれます。


自ら命を絶ってしまう方々の中にはSRSしても理想には程遠い現実に打ちのめされる場合もあるのですが、情緒不安定な時に追い打ちをかけられて心が限界になってしまう場合もあります。


それくらいホルモン療法と言うのは心にも身体にも影響が出る治療方法なんです。


逆に言えば、少なくともホルモンを開始・継続してから3〜4年耐える事が出来れば、情緒不安定な時期を抜ける事が出来ます。


情緒不安定な状態だと、冷静な判断が出来ない可能性があります。


なので本当に辛いと思うのですが、3〜4年耐えてみて下さい!

そこで改めて考えてみて下さい!

情緒不安定の影響で正常な判断が出来なかったのかが分かります。


せめて、そこまで待ってみて今後をしっかりと考えてみると、これまで見えていなかった事が見えて来ると思います。


命を絶つしかないと思っていた事も、何としても自分が生きるために何とかしてやろうと(したた)かになれます。


と言うか、私のようなゴリラ系トランス女性は3〜4年で必然的にメンタルが鍛えられます……。

(良い事がどうかはさておいて…)




もしトランス初期〜中期の方で、生きていくのが辛いと感じる時は、今回のエッセイを思い出してみて下さい。


ご自分を責めずに、ホルモンの悪い部分の影響のせいにしてみて下さい。

と言うか、全てホルモンバランスのせいなんです!


女装姿も回を重ねて、仕草(しぐさ)や立ち振る舞いを直して行けば、見た目ゴリラでも性別変えて生きていけますし(作者が実例)、ある程度パス出来ますので。

(※こんなゴリラでも、手続きの時に「本人が来て下さい」とか、以前「まだ戸籍は男です」と言った時に声を出して驚かれるという事もありましたから…)


私みたいなゴリラ系トランス女性には「慣れ」と「継続的な研究・努力」と「ある程度開き直る鋼のメンタル」が必要ですが、本気で女性として生きていく覚悟があれば大丈夫です。


このエッセイが、諦める前にもう一度踏ん張れる原動力になれる事を願っています。

駄文すみませんでした。


このエッセイは私の個人的な体験を元に書いています。

ホルモンの効果は本当に個人差が大きいです。

ですが、精神的な影響と言うのは多かれ少なかれあります。

ですので楽観視せず、覚悟を持ってホルモン療法を続けて下さい。

そして、冷静な判断が出来る様になるために3〜4年は踏ん張って耐えて下さい!

そうすれば、きっと色んな可能性に気付く事が出来ると思います。


ご拝読ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 共感しました。 同じくゴリラ系トランスです。 ωをとって6年経ちますが未だに振り回されっぱなしです、同じような方がいて少しほっとしました。 ありがとう。
[良い点] 面白かったです。勉強になりました! とても興味深かったです!
2019/07/06 20:23 退会済み
管理
[良い点] 良い問題提起になったと思います。情報共有が進んでいって少しでも悲しい出来事が減るよう祈っています。 [気になる点] ホルモンの影響だけでなくて男をやめて女になった場合のデメリット(男として…
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