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しばらくお互い口を開かなかった。ルーファスは私の顎から手を離した。

「君は危険な人間だ。君はずっと闇魔力を持つことを隠していた。この国の法律では届け出の義務があるのにもかかわらずね。それに、君は権力や特別な魔力をもつ生徒会の人間とつながっている。君が売国奴どころか、国家転覆をはかる可能性だって考えられているんだ」

「馬鹿馬鹿しいわ。そんなことしないわよ」

「可能性の話だ。君が無力で孤立した人間になれば、それができる可能性は少なくなる」

「と、あなたたちは考えているのね?」

私はほんの少し微笑んだ。嫌な、自虐めいた笑みだ。

「私が無力で孤立した人間だったら、尋問中に自殺するか、殺されていたわね・・・あなたが、私の死亡診断書を書いていたかもね。「病死」って」

ルーファスは表情を変えずに私を見ていた。

「でもあなたはわたしを殺さないように計らってくれたわ。拘留期限が切れたら無事に出られるようにもしてくれたし、帰る家がないから私を居候させてくれている。わたしが無実だって信じてくれてるものと思っていたわ」

ルーファスの行動は私の目からしても常識を逸していた。彼は体制側の人間であり、組織の秩序を乱すべきではなかったのだ。たぶん、かれらは私が尋問中に死んでしまうか、壊れることをのぞんでいた。私の目の前で、私が言ってもいないことを作文していた。わたしは自分がまったく力のない、無価値な人間なのだと思い知らされた。ルーファスはエリートコースの人間だったが、その立場を利用して私を助けてくれた。わたしはおかげで助かっているが、この行動は彼によくない結果をもたらすだろうと思っていた。その予想は正しかった。彼は学園の養護教諭職にとばされてしまったのだ。その責任を取る形として。



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