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「・・・死にたいの?」

口角をほんの少し上げてルーファスはわたしの顎をつかんだ。無理やり顔をルーファスのほうへ向けられる。

「妙な真似をしたら、俺が君を殺すよっていったよね?これからどう努力したって君に未来はないよ。ただ目の前の生にしがみつくしか君の道はない。分かったら、生徒会から離れるんだ。妙な疑いをかけられる真似をするな」

「・・・急に抜けたら、それこそ不審がられるわ」

「父親は売国奴で逮捕され、母親は慈善団体の資金横領。兄は殺人罪で逮捕。こんなことが立て続けにあったばかりの人間が、今まで通りに平気な顔をできるほうが不審だと俺は思うね」

それはそうかもしれない。

「なにより、君は公安局に目をつけられている。家族の犯罪に君が手を貸した可能性は大だ。実際はどうなんだ?」

「私は尋問されたし、拷問もされたのよ。あなたが医者として死なないように監督してたんだから、知ってるでしょう。共犯してたなら、あのとき口を割ってるわ。わたしは潔白よ」

ルーファスの目を見据えて私は言った。

「確かに君は頑張った。拘留期限いっぱいまでね。よく頑張ったよ、出れば治療されて元通りになるって分かってるにしてもね。でも状況的に、君が共犯でないのは不自然なんだ。今まで発覚しなかったのも、このタイミングで発覚したのも、君が共犯だったというなら全てつじつまがあう」

「家族の起こした犯罪だもの、気づかなかったとはいえ私も社会的責めをうけるのは仕方ないと思うわ。でも、やってないことをやったとはいえない」

ルーファスから視線をそらさず言い切ると、二人の間に沈黙が下りた。

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