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わたしはユミリア・スタンフィールドという。
聖魔法セレマ学園中等部をこの春卒業し、高等部に進学する。
先にもふれたように、身分の高さと魔力の強さは比例しているのが一般的だ。
私の場合、義父が准男爵で、はっきり言って学園の中では身分は低い方だった。
この学園では、有象無象にいる生徒の一人であり、目立つ点といえば私が中学部で編入してきたというくらいだった。魔力レベル・学科成績はともに五段階評価の三。可もなく不可もなくだ。
私は目立たない生徒だったし、そう見えるように努めてきていた。
この世界のルールを守り、目立たず、まじめにやっていれば平穏な生活が続けられると信じていた。