終
全十二回の集中連載も今回で終了です。
ギルガには、夢があった。
冒険者になること。
今思うと、誰かを助けること、困っている人の助けになることを、自分はしたかったのだと思う。
だから、強くなりたい。
賞賛など、必要ない。
ともに歩む誰かがいてくれれば、それでいい。
一国一城の主なんてものは、さすがに柄じゃないけれども。
ギルガの夢は、まだ、実現への一歩を、踏み出したところだ。
人は、産まれた時から平等ではない。
腕力の優れた者。
資産を有している者。
地位を確立している者。
ギルガは何も持ち合わせてはいなかったけれども、偶然の出会いにより、挑戦の機会を得た。
ギルガの人生が完結していない以上、これからも幾度となく挑戦の機会があるだろう。
今後、新たな挑戦の機会を得たならば、臆せず、躊躇せず、前へ進んでいきたいと、ギルガは思う。
たとえ、志半ばに倒れる結果に終わったとしても。
自分で選んで進んだ道の先にあるものならば、それで良い。
『デラとアルフのドラゴン退治』の裏話的お話でした。
『デラと・・・』は、物語の終わり方が見えなかったので、結構駆け足でお話を進めています。
この、『駆け出し剣士の物語』を含めて、しばらくは『デラと・・・』の世界観の説明や、章の隙間のエピソードを描いていきたいと思っています。
このお話の主人公であるギルガの名前は、なかなかいいのが思いつかなかったので、メソポタミアの王様、ギルガメシュからもらいました。
短エピソード限定の主人公ですが、他のお話にも出てくるかもしれません。
それではまた、いつか、どこかで。