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空っぽの武装魔道士δ  作者: 火琉羅
目覚めの獅子
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囚われし目覚め

4/14・編集しました

 朝日を浴びながら河原の側に佇む氷像。


 鬼の形相の男を必死に抱きしめ、身動きを取らせない様にしている。


 その氷像が突然()()()()()


 その光は次第に輝きを増していき、辺り一面を包み始める。


『Gararaaaa!!!』



 *



「・・・ううっ!」


 頭に響く痛みと共に目を覚ます。


 だがそれをすぐに収まっていった。


 しかし、あの夢は何だったのだろう……。見たことのない人、街並み、そしているはずのないコレット以外の友達。


 あれは一体何だったのか……。いくら考えても答えは出てこない。


 ・・・わからないことをいつまでも考えたってわからないままなので、とにかくだいぶ痛みが引き、周りを確認できる程度には回復した。


「・・・ここは……」


 目の前には鉄格子。視界には石で天井も床も作られた四角形の部屋。そして両手両足に繋がれた枷。


 ・・・


 鉄格子!・石に囲まれたの部屋!・繋がれた枷!。


「・・・これ、もしかしなくても捕まってね?」



 *



 重苦しい扉が開く音がして、コツコツと足音が聞こえてくる。


 その足音はどんどんこちらに近づいてきて、急に足音が止んだ。


「牢屋が騒がしくなったって言う連絡あってきてみたけど…やっぱり目を覚ましていたか」


 足音を出していた男は俺のがいる鉄格子の前で立ち止まり、俺の様子を確認していた。


 中の様子を伺う男は黒いローブを身に纏っていた。


「ところで……何でそんなぐるぐる巻きなのございますか?」


 男が牢屋の中の俺を見て思ったことはそれだ。


 俺を捕らえていた枷の鎖がどういう原理か、体全体に巻きつき、オムレツ状態になっている。


「・・・ふ。そんな俺から言えることはただ一つだ」


 故に言ってやることにした。


「・・・たすけて……」

「・・・」


 俺は、涙を流しながらそう言って、外にいる男はとても困惑している様子だった。



 *



 男の人は、ようやく状況を飲み込めたところで鎖を解くのを手伝ってくれた。


 複雑に絡み合っていたのか、巻きついている鎖を解くのかなりの時間がかかったが、どうにか脱出することが出来た。

 ・・・枷は外させなかったけど……。


「あ、ありがとう、ございます」

「え、ええ。無事でようございます……」


 ・・・


 ち、沈黙が痛い!


 今さっきのことで俺も、この人もなって話せばいいかわからないし〜!!

 と、とにかく、何か話さないと!!


 そうして考えたのち言葉にしたのは、


「えっと、ここはどこなんですか?」


 状況確認であった。


 自分の状況を飲み込めないと、落ち着いて判断ができない。そう考えた俺はとにかく現状を尋ねることのにした。


 しかし、現状を尋ねるのは失敗だった。

 なぜなら……


「あ、ああここですか? ここは()()の地下牢でございます」


 ここは、敵の腹の中なのだから。

目を覚ましたソラ。

そこは何と皇国の地下牢だった!

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