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空っぽの武装魔道士δ  作者: 火琉羅
始まりの魔術
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4日目から見た3日間

会話はほとんどありません。

ご了承を。

「ソラ!注文いいか?」

「はい、ただ今!」


 あれから3日間。何事もなく時が過ぎ、4日目の晩方。お客さんの注文を受け、いそいそと忙しそうに働くウェイトレス姿のソラがそこにはいた。




 おやっさんからお叱りを受け、その次の日からおやっさんの店で夕方から深夜まで手伝いをすることになった。


 だが、キッドは朝から晩までの間、ずっと働いている。通常なら俺もそのはずだったのだが、学校があるという理由で夕方からでいいということになった。


 そのことに羨む様な視線を向けるキッドだったが、見て見ぬ振りをしてその場をやり過ごした。


 当初は学校の時間はサボろうと考えていたが、学校にいる間のことをリシア先生に聞くと言っていたのでサボるにサボられず、授業を真面目に受けている。


 そのせいでリシア先生以外の先生には病院に行くように進められるわ。リシア先生には泣いて喜ばれるわ。色々と大変だったことはまた別の話だ。


 閑話休題


 そんなこんなで早3日。特に何かあるわけでもなく、至って平和な日常を過ごしている。

 仕事は忙しいが……。


 しかし、心配も残る。

 ここ2、3日は何事もなく平和だ。


 そう()()()()()()()()のだ。


 グラトンは自分より身分の低いものを、ゴミムシ同然として見ており、その中でもソラは平民の中では丈夫な方でグラトンとしてはいいサンドバッグを見つけたと思い、ストレスを発散していた。


 そんなグラトンが、平民にやられ、恥ずかし目を受けたとなれば、確実に仕返しに来てもおかしくはない。

 むしろそれがあいつにとっての普通なのだろう。


 キッドは特に気にした様子は見せていなかったが、ソラ、そしておやっさんを含めた客達はいつグラトンが衛兵を連れて来てもおかしくないと警戒に警戒を重ねていたのだが……。





 1日目

 常連のお客さんと共に警戒をしていたが、結局グラトンは店訪れることなく1日が終わり、前日も来ていた人達を含めた(キッドを除く)ほとんどの客は頭に?を浮かべていた。


 2日目

 飯を食いにやって来たお客さんが、酔っ払って突然裸踊りを始めたギルドの男に裸踊りを辞めてもらうために、男が持つ主砲に対し石を投擲し直撃。蹲る男を店から撃退した(つまみ出した)

 しかし、それでもグラトンは今日も現れることはなかった。


 3日目

 その日は驚くべきことにリシア先生がやってきた。やって来た理由は、働いている俺の様子を確認しに来たらしい。


 店に入って来たのがリシア先生だと理解すると、ソラではなく、キッド顔を真っ青にして裏口に向けて走り出す。店の裏側に行ったあたりで悲鳴が木霊した。何事かと確認を取ろうと近づくが、奥から現れたおやっさんに仕事をするように笑顔で言われ、向かうことが出来なかった。


 リシア先生は俺のある程度の働きぶりを見てとても満足そうにして帰って行った。


 その後、キッドが再び表に戻ってきたが全員がキッドの姿にギョッとした。その顔は原形がわからなくなるほど膨れ上がっており、ギリギリ見えているであろう右目から涙を滝の様に流しており、あまりにも見るに耐えない姿にいたたまれない雰囲気が店中に行き渡った。

 キッドの治療はやってきていた女性客が顔を赤らめながら行なっており、むさ苦しいギルドの野郎どもの怒り狂った視線を受けていた。


 男だからね。

 仕方ないね。


 ・・・俺?


 俺は治療が終わった後、キッドの尻を蹴り飛ばしズッコケさせる。その行動にむさ苦しい男たちから称賛の声を受けことになった。






















 忘れてた!グラトンは来ませんでした!まる!




















 4日目の現在。

 4日目となればもう既にすっかりと警戒が解け、この店のいつも通りの忙しさが戻る。それに追われ、忙しい1日を送るソラ達従業員。1番忙しい夕時の時間も過ぎ、やっとひと段落し始める。


「や、やっと落ち着いてきた〜〜」

「お疲れさん。大変だったな」

「俺と同じ様に仕事してるのに、キッドが全く疲れないのは納得いか〜ん!」


 クタクタの状態で机に突っ伏している俺のそばで、未だ活き活きと仕事をしているキッドを見て不満を爆発させる。


 そんな光景に店にいた人達はクスクスと笑う。それに気付いたソラは顔真っ赤にして恥ずかしそうに顔を俯き縮こまる。


 それを見たお客さんも、おやっさん達も笑い出した。その結果、ソラの顔、さらには耳までも赤く染め顔を隠す様に顔を伏せるのだった。


 そして、今日もグラトンが現れることはなかったのだった。

店にやってこないグラトンは何処へ!?











どこかで『死んだんじゃないの〜〜』なんてテンション上げ目の言葉を受信したが、その結果はいかに!

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