捕まえた!と語り返し
「ふん!・・・まあ、これくらい痛めつければ充分だろう……」
倒れ伏しているソラに、ガルドは大きくもう一撃蹴り飛ばした。
そして、充分に痛めつけ、ボロボロとなって動けなくなったソラを見て満足気に攻撃をやめた。
「さて、すっかり遅くなっちまったが、追いかけるとするか。全力で追いかければあいつら程度なら追いつくだろう」
ボロボロになって倒れているソラからギルドテントの方に視線を向ける。
テントを爆発させ、かなり時間が経ちもう元々テントがあった場所で燃えていた火は、もうすっかり鎮火されていた。それほどまでに時間が経過してしまった。
ガルドはそこそこ肌寒く感じながらも、時間が経ちいなくなっている奴らを追いかける為、ギルドテントの方に足を進める。
突如足に負荷がかかった。
何事かと思い負荷がかかった足を見てみると、負荷がかかった足にしがみつく様に手が握られていた。
ソラはガルドをエリーゼ達の元へ行かせまいとガルドの足に手を伸ばし、必至にしがみついたのだ。
しがみついたソラを引き剥がそうと足を動かすが、全く剥がれない。
剥がれないソラに次第に苛立ちを露わにしていくガルド。
そして、ついに我慢の限界を迎えたガルドは再び拳を作り、大きく振り下ろした。
(ここだ!)
大きく振り下ろす拳を見てまるでそれを待っていたかのごとくガルドから離れその拳を避ける。そして拳が地面にあたると、大振りな分ガルド自身にも大きな隙ができた
ソラは悲鳴をあげる体に鞭打って立ち上がり、隙の出来たガルドの背後に回る。
それを瞬時に理解したガルドは振り下ろした方とは逆の腕の膝をソラに向けて殴りつけようとするが、それをギリギリなところで躱す。
膝を躱したソラは、さらに接近し背後からガルドを捕らえる。両足はガルドの太腿に絡め、両腕はガルドの脇の下から腕を通し、首筋にどうにか手を回し、両手首を握りしめ、ぴったりと密着させ、
「はあ…はあ……。捕まえた」
白い息を漏らしながら、したり顔でそう言った。
「離せ!クソガキ!」
「やだね。ここで離せば、あんたはあいつらを追いかける。それだけはやらせないよ」
必至に抵抗を見せるガルドに必至にしがみつき、離れように対抗する。
「それに貴様、何故動ける?! あれだけ痛めつけられれば、普通動かないだろう!」
「さあな。他の人間よりは頑丈って事だろう」
「嘘だろ!」
「ああ嘘だ!」
引き剥がそうとするガルドは、未だに俺が動ける事が不思議で、何故動けるかを尋ねる。俺はそれを嘘だと分かりきった返答して、すぐさま嘘だとバレ、隠す気もなかったので正直に暴露する。
「まあ、特訓の賜物だ。特別に教えてやるよ。俺の強さの理由…魔術の事をな!」
俺は先程自慢気に語ったいた仕返しに、今度は俺のことを語り出した。
次回はソラの自慢ターン!
スキルついて語ります!




