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空っぽの武装魔道士δ  作者: 火琉羅
形となる思い
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ゴブリン討伐クエスト・野営準備

 生徒達が回復すると、先程ソラが言っていた川に向かう。

 その川は、元々ギルドの者達が1日目の野営地と決めていた場所であった。


「それでは、これより野営を行う!確実、グループを決め速やかに準備をするように!」



 *



 ソラ達のクラスのグループ分けは1グループ4人で構成されており、このクラス全体の人数は25人と、必ずといって1人あまる。この1人のあまりには当然ソラがあまる。それがクズ(ソラ)に対するこのクラスの暗黙のルールのようなものだった。


「ソラ!」


 その為、そんな奴が誰かと馴れ合うことはこのクラスの者達にとって決して喜ばしいものではない。なってはならないことなのだ。


 1人でいるソラに対し話しかけるエリーゼ。この組み合わせがクラスにとって最も好ましくない。


 エリーゼは人当たりが良く、誰にでも優しい性格だ。そんな子が人気じゃないわけがない。クラスどころか学校中の人気者。さらに、学校の理事長の娘というポイントが尚も彼女の人気を上昇させる。


 その為、そんな彼女の近くにいるソラというゴミが許せないのだ。


 最初いじめを始めたカイはきっかけに過ぎない。もし誰も始めなかったら、他のだけが始めていただけなのだ。


「1人でしょ?もしよかったら…」

「エリーゼさん!ちょっといいですか!?」

「え?あ、ちょ、ちょっと?!」

「いいですから」

「おいクズ。ちょっとこっちに来い」


 クラスの謎の連携プレイにより、エリーゼとソラ分断。


 クラス男共に呼び出されたソラはその後、隠れた場所で腹を殴られ、胸板を蹴り飛ばされ、木に叩きつけられようと、男共の暴行はしばらく治ることはなく、ソラがボロボロになったのを確認すると、スッキリしたのかソラをそのままにして戻っていった。



 *



「っぺ!っぺ!」


 ギルド、そしてクラスの奴らから離れた場所で、口を濯いでいた。

 口の中からは血の味がして、体全体は暴行の痛みを感じていた。しかし、あの時に比べればたいした傷ではない。


 血だらけになっていたであろう口を濯ぎ終え、近くの木の影に隠れギルド、そしてクラスメイト達を確認する。


 全員が和気藹々と楽しそうに作業をしている。仲睦まじくてよろしいことだ。


 俺はその光景を見て、


「・・・っ!」


 舌打ちをして、()()()()()()()()が溢れ出るように、焦燥感にかられるのだった。

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