ラベンダーが語る『よくわかる魔学講座』・2
以前コメントで言っていたように、タイトルを変更しました。
これからは『空っぽの武装魔道士δ』として進めていきたいと思います。
5/20・前書き追加しました
え?…え?……え?!
つ、つまり…どういうこと?魔法を使ってる?俺が?いつ?魔法を使ってる自覚がないのに?
「は、発動させているってどういうことですか?!」
俺は立ち上がって、強く尋ねる。
自分でも知らない衝撃的な事実に、驚きを隠せないどころがしっかりと頭で理解ができていない。
頭の中では、先程の言葉がぐるぐると駆け巡り、全く整理ができていない。
「どういうって…言葉通りよ!」
「もうちょっと具体的な説明をくれ!」
俺の問いに魔の抜けた回答をするラベンダーに思わず反応する。
「私が今言ったように、魔力行使力というものが存在しない今、魔法が使えない要因何かしら?」
「そんな、行使力がなかった以上、魔力がないことだけしか考えられる理由はないだろうが!」
俺がそういうとほんと〜っと目を細め、こちらを見てくる。その視線に、身をすくめ、後退りする。
すると誰かが後ろから俺の服を引っ張ってきた。少し後ろを振り向くと、コレットが俺の側まで寄ってきて、服を引っ張っていた。
「それだけじゃないよ」
「は?」
「それだけじゃない。基本的な魔法を2つ同時に使おうとしていることだよ」
「?!」
「そう」
コレットの言葉を聞いて、確かにその通りだと思った。そして、コレットに続いてラベンダーが話を再開する。
「行使力というものがない以上、魔法を発動させることができない要因は単純に2つ。魔力がないか、もしくは魔法を発動する前に、既に魔法が発動している。ということよ」
既に魔法を発動している。
それを聞いた俺は、妙な納得感といくつかの疑問が湧き上がってきた。
「そ、そんなこと言われたって、俺にはそんなことしている記憶はない。ましてや魔法なんて……」
「そもそも、魔法を使うことができない人は、発動することすらできない。だが、君は時間をかけさえすれば発動できる…違うかしら?」
「そ、それはそうだが……」
それでも、わからないことがある。
発動させているその魔法とは何なのか。そしてそれをいつ発動させているのか……。
ラベンダーは回答に答えるように、あるものを取り出した。
「もし、発動させているのが『魔術』なら、普通の人には調べることはできない。だからこれを使って私が調べる」
ラベンダーが取り出したのは1枚の羊皮紙だった。




