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空っぽの武装魔道士δ  作者: 火琉羅
始まりの魔術
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ソラ! 戦闘開始!

 粉塵を吹き飛ばした少年は、服が焦げてボロボロになり、頬には黒い煤が付いており、必死に生き延びたのが理解できる。


 だが、少年自身にこのような変化が現れたことの方が驚きを隠し得ない。


 茶色かった髪は真っ黒に変色し、少年にとってコンバットの特徴であった真っ黒な瞳は綺麗な澄んだ青色変化していた。


 手には自分の身を隠せる程の大きなギリギリ盾と呼べるようなものを手に持っていた。


 少年が持っているその盾は、十字架の形をしており、丁度線と線が交わるところを中心に大きな円盾がつけられていた。


 しかし、その盾の十字架の全ての先端は崩れており、青い箱の様な形となり、空気に光となって消えていた。


 ソラは消えかけている盾を見て、盾を胸の手前で構える。起き上がったトーラムも、ソラが構えるのと同時に体勢を整える。


 トーラムの顔は真っ赤になり、こちらにもわかる程怒りをあらわにしている。


 体勢を整えるみて、ソラは盾を構えたままあろうことか真っ正面から突撃した。


「バカが!この俺を甘くみたな!」


 魔族さんはすぐさま突撃していくソラに向けてフレイム・バズーカというカンナさんが使ったキャノン・フレアには劣るが、それなりに威力のある炎の魔法を放った。


 ソラを守ろうと向かおうとするが、()()()()()()()()兵士さん達が道を塞ぎ、向かうことができなかった。


 魔族さんが放った魔法は止まることなく、勢いよくソラに飛んでいき、それがもろに直撃した。



「ソラ!」


 爆煙に飲まれたソラを見て、コレットは思わず声を上げる。


 爆煙から発生する黒い煙に包まれ、トーラムはしてやったと、ニヤッと口元がつり上がる。


 コレット、そしてカンナもその爆煙を見て焦りの表情を浮かべるが、すぐにそれも打ち消さられる。


 ソラを包んでいる爆煙から突如、トーラムに向けて真っ直ぐに伸びて走る黒煙。


 その走る黒煙を抜け、現れたのは盾を構えたまま突き進むソラの姿だった。


 未だに突き進んでくるソラの姿に慌て始めるトーラム。急ぎ、魔法を発動させようとするも、既にソラはすぐそこまで迫ってきていた。


 迎え撃とうと構え直そうとするが、巻き込んだ兵士達に足がもつれ、うまく立て直すことができなかった。


 その隙にソラはトーラムの間合いに入り込み、次にトーラムが先程と同じ魔法を発動すれば、トーラム自身を巻き込まれる程の距離まで接近していた。


「チィ!」


 トーラムは自身に強化魔法を掛け、そのまま殴りかかる。ソラはそれを見越してその拳を盾で防ぐ。

 強化魔法を使えば、あの盾を破壊することができると踏んでいたトーラムは、その盾のあまりの硬さに強化していた拳が悲鳴をあげる。


 その拳を盾から離すと、拳からは紫色の血が流れ、盾にも同じ血がこびりついていた。



 俺は盾から拳を離したトーラムを見て、再び殴り飛ばす。しかも今回はさっきと違ってただ殴り飛ばすのではなく、ここからさらに威力を強める。


 ではそのために何をするのか、簡単なことだ。


 俺は右足を中点に大きく右に盾を移動させる。そしてその勢いのまま、後ろ、左へと盾を動かしていく。

 つまり、持っている盾を大きく振り回すことで、遠心力を加えることで威力を高める!


 大きく振り回した盾はその勢いのままトーラムの横っ腹に直撃し、吹き飛ばした。

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