夢を見た家
これは夢だ。
先生には教師から怒りの視線を向けられるので、ある一定の距離には近づかないし、理事長さんには娘さんから暴力を受ける為、俺と普通に話をする2人には絶対に近づかない。
じゃあ、誰だ?
薄っすらと見える視線の先には自分の身長に合ってないぶかぶかの服を着て、ウィザードであろう帽子を被っている人とコンバットの特徴である黒色の頭の男がいた。
俺の記憶では、男性の知り合いがいた記憶はない。
そしてもう1人いることが、なんとなくだがわかる。その姿を見ることができないが、俺はその人に抱かれている。わかるのはそれだけ。でも、妙にそれが心地よく、安心した。
不意に誰かに頭を触られた感触が襲ってくる。いや、触っているよりも、撫でられているという感覚の近いのだろう。
嫌な気分はない。むしろ、より安心する感覚が強くなった。
その感覚は夢から醒めるまで終わることはなかった。
*
目を覚まし、周りを確認する。
そこは間違いなくソラの部屋ではない。ボロボロの部屋にそこら中に苔が生え、壁は今にも崩れそうな程もらい。いくら汚れている部屋といってもここまで自分の部屋を汚しはしない。
外は夕時の時間であろうオレンジ色の光が外から差し込んでくる。
寝ぼけていた頭で状況確認を終えると、寝心地いいベットから立ち上がり、部屋を後にする。
(収穫は無し、か……)
部屋から出ると、先程通った見事で合ったであろう苔が生えたフローリングを通り、真っ直ぐ出口に向かう。気をつけなければ踏み外しそうになる小さな段差を注意しつつ、外へと続く扉をくぐり、外に出る。
外に出ると、ソラが入っていた家と似ているようで似ていない家がたくさん並んでいる。
ソラは特に気にしている様子はなく、いつものように帰宅する。
家に立てかけられていた立て札には加藤と書かれてあった。
今回はこの物語が未来であるということを出したかったので、ほぼ説明会になりましたが、ご了承ください。