プロローグはサボった
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今から数百年前
突然2つの世界は1つになった。
世界は光に包まれ、目を開けると見たことのない建造物が現れ、同時に見たことのない服装や言葉を話す住人が姿を現した。
突如現れた住人達は自分の世界を取り戻すべく戦い、また同じく、別の住人達も戦った。
のちに《魔導師》と呼ばれる魔法を使う者たちは、剣と魔法を駆使し別世界の住人を使うの圧倒し、それに対抗する為、重火器を用いた。そんな者たちを戦闘をする者たち・《コンバット》と呼んだ。
互いに世界を譲らず、沢山の死者が出るも、後数千年は争い続けると予測されていた戦争は、ある日を境に忽然と終結した。
*
とある学校に小さな1人の少年がいました。
少年の名前はソラ。
11歳の少年は年相応の姿。茶色い髪に黒色の瞳、子供の中ではまあ整った顔立ちをしている。
しかし、その少年は忌み嫌われる存在であった。
それは、少年のある特徴にあった。それは少年の黒い瞳と魔力行使力にあった。
魔力行使力とは、簡単に言ってしまえば魔力を行使する為に必要とする力の事である。自身にある魔力を魔法として使う為に必要とされ、この力が低いと魔力を魔法として発動することができない。
ソラはそれがあまりにも低かった。同い年の子が当たり前に出来ることが、ソラの場合1、2時間、下手をすれば丸一日費やしてしまうこともザラであり、落ちこぼれとして扱われた。
ましてや、彼の瞳は黒く、ヘイキと呼ばれる物がなくなり、魔法が普及したこの世界は虐殺を行ったとされるコンバットを彷彿とさせる存在は嫌悪の対象であり、孤立された存在であった。
*
「ソラ君。お〜い!ソラ君!早く降りてきなさい!」
木の上に登り、下からは見えない場所である木の影に座っている。しかし、下から大きな声で呼びかける1人の女性はここにいるとあたりをつけてこちらに向けて呼びかける。
ソラは木の上から見下ろすが、やはり声の主を視認することができない。が、降りて行くまでずっと続けそうなので、致し方ないかと木から降りる。
「あ!やっと降りてきた。ソラ君?また授業休んだでしょう」
「・・・今日の授業はまだ1回しかしてないんだからわかるだろ」
ソラは反抗的な態度で目の前にいる女性・リシアに話しかける。
リシアはここ王立魔法学院と呼ばれる学校の先生である。水霊族の加護を受けているであろう青色の髪に赤色の瞳。まだ幼さを少しばかり残しながらも、大人の色香を漂わせる。
「それでも、授業に出ないとダメよ」
「いいよ。どうせ無能の俺をこの学校は卒業させる気はないだから」
「でもそれで授業に参加しないことにはならないわよ」
全く持って正論だ。卒業するかしないかは置いといて、授業に参加しないのはいいことではない。俺を拾ってもらったこの学校の理事長にも申し訳ない。
しかし……
「それでも、魔法が使えないのに魔法の授業を受けないといけないのは納得がいかない」
「それは……」
サボった授業を理解すると、リシアは俯き暗い表情を浮かべる。それを見たソラは、
「というわけで、今日の授業はサボりま〜す!」
「あ!こら!ソラ君!」
サボると宣言をし、その場から退散するのであった。