表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/29

13

 花梨の介添えの元、俺達は帰宅の途についていた。

 辺りはすっかりと暗くなり、間隔の広く取られた街灯が、その足元を頼りない光で照らしていた。

 

「今日は助けてくれてありがとうな」


 伝えていなかった礼を花梨に伝えた所、彼女は普段見せる澄ました表情で答える。

 

「何言っているの。あたしは何もしてあげられなかったわよ」


 口調は平坦だが、言葉尻がすぼんでいく。

 

「あたしのせいで、ごめんなさいね」

「誰のせいでもない。それに、お前は俺を助けようと動いてくれたじゃないか」

「でも、何も出来なかったことは事実よ。不甲斐ない自分が腹立たしいわ……」


 言った花梨は、溜息をつくように大きく息を吐きだした。

 なんだろな……。


 どうしてここまで責任を感じるのか分からない。

 だが放っておくことも出来ないので、


「俺はお前の獲物なんだろ?」

「え、えぇ……」

「なら謝る必要は無いだろ。むしろ獲物を取られなくて良かった、って思うべきじゃないか?」


 花梨は沈黙した。

 彼女の横顔は相変わらずだから、何を考えているのか分からない。


「対策が必要ね」


 黙っていた花梨が口を開いたかと思えば、何やらオカしな事を言い出した。

 そして、自身の鞄をまさぐると、中から一枚のお面を抜き出す。それは先日、花梨が獲得したカグツチと呼んでいた赤いお面であった。


「これを持っていなさい」


 差し出されたお面を、俺は反射的に受け取った。


「これは?」

「いざという時のお守りよ。何も聞かずに受け取りなさい」

「くれるって事か?」

「何度も言わせないで。何も聞かずに受け取りなさい。いいわね」


 花梨は深くは語らないが、よほど自分の手で俺を降参させたいらしい。

 理由は何だ?

 

「……ありがたく頂くよ」

「あ、そうだわ。明日は朝の八時に迎えに行くから、しっかりと起きていなさいよ」


 一瞬、何の話をしているのか理解できなかった。

 

「そういえば図書館に行くんだったな。迎えに来てくれるのか?」

「えぇ。図書館がどこにあるか分からないでしょうから、案内してあげるわ」

「そっか、助かるよ」

「いいのよ。どうせ暇だから」


 花梨は俺から顔を反らしながら続けた。

 

「忘れないうちに言っておくけど、制服を着て待っていなさいよ」

「え? どうして?」

「祭り人同士を認識しあうために作られた鬼神祭のルールの一つだからよ」


 俺の知らないルールがまだまだありそうだ。

 

 全くもって、とんでもないお祭りだな。

 鬼神祭ってやつは……。


第二章おわり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ