表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年時代  作者: 上元弘章
7/10

1-8

義隆がしゃべった。

「ひろくんうしろに乗れ!」

でおれが乗る。

あのちっこいモンキーにタンデムで

細い山道くだっていくと

50メートルぐらい行ったとこに進行方向むかって左側に豚小屋があった。

豚は3匹ほど。

ピンクい色の大人の豚。

寝てた。

囲いらしきもおそまつで

豚小屋なんだろうけど

小屋じゃなく

板木でかこっただけの

いまにもこわれそうなオンボロで

手前の仕切り板なんておれたちのひざの高さぐらいだったからあの豚も逃げようと思えば逃げれるはずなのに

寝てた。

三匹だ。

モンキーその豚小屋のまん前に止めてエンジンまで切った。

あいつ

どっからそんなもん?

と思ったが

重さ約5~6キロはあろうかと思われるでっかい石というよりもうあれは岩だ。

そいつを持ってきておれのほう見てニヤっと笑ったその直後豚めがけてそのでっかい岩を叩き付けたのだ。

寝ていた豚どもはびっくりなんてもんじゃなく

「ブヒィ~~!!!!」つってその低い囲いを越えて向かってくる体制になったそのとき

あいつがモンキーのエンジンかけて「ひろくん!乗れ!」

つっておれをけつにのっけてブゥ~~~ンって坂上ってずらかる。

その5分後またあいつが俺の目をみて言う。

「ひろくん。行こ♪」

また豚小屋に戻る。

そいうするとさっきのことまるで忘れたかのように寝てやがる。

でまたあいつがさっきよりもっとでかい玉石さがしてきてその豚めがけて背骨がへし折れるんじゃねぇのか?

つうぐらい叩きつけるわけだ。

また豚が怒り飛び出そうとする

そしておれたちまた逃げる。

そんなことを何度も何度もくりかえすあのアホにおれはあの17歳のときつきあってやったのだが

ただおれは何も言わなかった。

あいつの豚小屋襲撃ゲームを見ていながら

ただだまって見ていた。



おかあちゃんが死んだあの29歳のとき

義隆のとなりにすんでいたのがいとこのおれのおふくろのねえさん夫婦だった。

そのときおれがさりげなく義隆のこと聞いたら

そのおれのおふくろのねえさんのだんなが

「あぁ?義隆?あいつシャブ中」

そう言った。



その半年後

竹内に会った。

29歳の夏のこと

「なんかさいきんなつかしいやつに会うよな。オマエといい岩山といい」

と竹内が言うものだから

「あいつシャブ中になったってほんとうか?」

そう聞いたら

竹内はおれの目をみたあと「うん」とだまってうなずいたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ