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少年時代だから書くよ。
岩山義隆。
彼はぼくの小学校時代からの同級生。
最後に会ったのはたしか俺が高校二年のとき。
愛知県に大同高校という私立で愛知県でいちばん偏差値の低い高校があった。
どこかあの村田ひろゆき氏の描いてた「工業哀歌バレーボーイズ」を彷彿させるような
あの当時はそんな男子校だった。
県立の受験に落ちたやつはみんな大同に行ったもんさ。
なぁ?
あの佐藤隆も
竹内も
そしてその岩山もだ。
あのころおれもいいかげんもう高校あきあきしてて
さぼりはじめてた。
昼前でフケて勝手に帰ったりとか
たまたまあの日清水山学校フケて昼寝しとった。
下におりていったらやつらがいた。
義隆が
女連れてきてる。
アハ!
ひろくん
なにしとる?
学ラン着たまんま?
おれ
「おまえこそ何しとる?」
博のモンキー[50ccのバイク]
あいつがあの当時連れていたあの女は
そりゃ可愛い子だった。
あいつに言われて頭グルグルパーマ。
なんで義隆なんぞに惚れたのか?
たぶんあいつあのころ輝いてた。
おれ
そう思う。
しばらく見ネェうちにこいつ
えれぇ大人っぽくなったな。
ダークグレイのスラックスに黒い革ジャン。
あたままだ黒髪で
ぐるぐるパーマかけてうしろにこう流してた。
で
おれと
あいつ
そしてその女
豚小屋襲撃ゲームのはじまりだった。