02. deep structure
重大な事実…とは何か?
8年前に一体何があったのか…?
最先端の科学技術はついに我々、生物のもつ遺伝子の"もう一つ"の真実を捉えた…。
2092年、世界は既存の技術では限界だった遺伝子の更なる細部構造を発見した。
過去の時代、よく人間とチンパンジーの遺伝子は約98%が同じだ…とか言われていたが、細部構造を捉えた私たちからすれば、それは正しいとは言い難い。
確かに、以前、両者に共通すると言われていた遺伝子はミクロのその先を越えない限り、形も役割も同じだ。先人の導いた結論もあながち間違いではない。
しかし、細部を見つめると、地球上の全生物の中で唯一、人間だけがその遺伝子一つ一つの中に役割をもたない小さな小さなパーツが付いている。
そうだな…他の生物の遺伝子と違って、表面に産毛がついているみたいな感じだろうか…。科学的には、何の意味も果さない付属品なんだが…。それが発見されたところで、注目し研究するには及ばないという人もいれば、何か重大な事実が隠されているのではないか?と目を輝かせて私に話す研究者もいた。
半年ほど進展は無かったのだが、突如、同時期に深海で発見されていた"オーパーツ" と呼ばれる類の、いつの時代に作られたか、どのような用途で使われていたのか分からない工芸品、或いは古代文明の遺産とでも言うべき、両手の上に乗っかる程度の大きさ、歯車のような形の"それ"と遺伝子との間に関係性が発見された…。




