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誕生〜3歳

なぜ、この男の話を書こうと思ったのかはよくわからない。思いつきの見切り発車だが、誰かに読んで欲しい。

実話だが、節々は偽名を取り扱っている。

2008年1月。その日は大阪では珍しく雪が積もる寒い日やったらしい。

予定よりも二週間遅れ。

体重も未成熟児ギリギリの2800g。

それはもう小さな男の子が産声を上げた。


名前は2026年現在18歳になるZ世代の子に普通はつけないおじさん臭い名前。

「良造(よしぞう)」と名付けられた。

この子がとにかく体が弱い。病気がちというほどではないけど、よく風邪を引くし、体格も小さく、しかもよく泣く子だった。両親は初めての子供だったというのに、それはそれは大変だった。


どんな赤ちゃんも成長する。そして、幼稚園にはいる。

母親も父親も共働きで忙しかった。

家系は社長や医療・政治関係のお堅い家で母親は地方議員、父親は医療関係と、何かとお堅いお家柄に産まれてしまった。

従兄弟もたくさんいた。そして良造は親戚から従兄弟と齢3歳にして比べられていた。...と思う。誰よりも小さく、誰よりも物覚えが悪く、出来の悪い良造はそのうち期待ハズレのレッテルを貼られ、すでにこの時には親戚の集まりが苦手になっていた。

そんな弱っちい奴はやはり、いじめられる。

幼稚園では戦隊ヒーローごっこが流行っていたが、良造はいつも悪役だった。ヒーローになることは一度もなかった。幼稚園では誰よりも足が遅く、鬼ごっこでもずっと鬼だった。

もちろん、何度も泣く泣き虫だった。途中からは幼稚園の保育士だって面倒くさがって、いじめが過激化してもまともに取り合ってはくれなかった。実際は時間をかけて作った泥団子を壊されるぐらいだった。

まぁ、いじめが過激化とひどく書いたが実際はもう、あまり誰も遊んでくれなくなっていった。無関心になっていったのだ。外で遊ぶ時間も、花壇のてんとう虫や蟻を眺めるだけの時間になった。幼稚園の唯一の楽しかった思い出といえば、昆虫観察とチューリップの水やりである。

外では誰も遊ぶ子がいないので、家で絵を描いて保育士や同じ組の子に見せていた。

心のどこかでは誰かに構って欲しかったのだと思う。

電車のチャギントンというアニメを当時よく見ていた。そして自分を電車化したイラストを描き、見せていた。今思えば、冷笑ものである。よしぞうは自分自身に共感性羞恥を感じることが多々ある。


そして、言われたのだ。外で遊ぶ時間に絵を見せて回っていると、ある保育士が

「今、それを見せる時間じゃないよ」


その言葉はよしぞうの幼稚園時代を象徴する言葉であった。今思えば別に「ただ普通の注意」であるが、

当時のよしぞうにとっては「真正面から自分を否定された気持ち」になったのだ。

誰も遊んでくれないから。見てもらおうとして絵を描いた。だがそれも封じられ、頭の悪いよしぞうは他に構ってもらう策もなく、また、花壇を眺める生活に戻った。

実に楽しくない幼稚園生活のスタートである。


なぜ、よしぞうはこんなにも構ってほしかったのか?

3歳になってから弟が産まれたのだ。よくある話、両親は弟の世話で大忙しだった。

そもそも親戚中で「なにも秀でていない」よしぞうは親にとってもコンプレックスだったのかもしれない。

これはまぁ、あくまで私の予想であり、実際はそんなことはないであろう。コンプレックスとは酷い書き方をした。

だが、「なにも秀でていない」は確かだった。


ここから「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」というありがちなセリフが幼いよしぞうを苦しめていく。

次回、3歳〜小学校入学

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