7話
チグハグなところがあったので書き直しました。
リシェルは専属の侍女や騎士から行きましょう、と諭されて心底不満そうに"騒ぎながら"執務室を後にした。
レオナルドがそれを見送った後、仕方なさそうに机につく。
「__では、あとはエマに任せましたよ。」
「え?側近代理は明日からのはずでは?」
「明日からの出張の準備が途中だったのを思い出したので行ってまいります。
まあ大丈夫ですよ。殿下も仕事をしたことがないわけではないですし。
給金もちゃんと反映させておきますから…はい、これが予定表などの書類です。」
そのままアルバードはレオナルドの公務予定表などをエマに渡してそのまま部屋を出た。
「…ええ…」
「おい、エマ。」
公務予定表をパラパラとめくりながら見ていると、そこには手書きで『マレリー地方 国境付近治安悪化、視察する』と追加されている。アルバードが言っていたのはこのことか、とエマが納得していると、レオナルドが少し八つ当たりのような声音でエマを呼ぶ。
(びっくりした…普段名前で呼ばれることなんてなかったから…)
「はい、なんでしょうか。」
「早速だがその紙にマレリーへの手紙を書いてくれ。」
「ああ、視察の?」
「そんなもの行くわけないだろう。俺は忙しいんだ、国境の治安維持への取り締まり強化って文言を入れておいてくれたらいい。」
「え?それではマレリーの人々は納得されないのでは…」
「お前までそうやって説教するのか!」
ムキー!という音が聞こえそうなほどキレてくるレオナルドに、若干苛立ちを隠さずエマは反論する。
「そもそも視察しないことにはなにもわからないのに取り締まりだけ強化しても仕方ないでしょう?」
それでも子どもに叱るようになるべく優しく言うように努めたが、それが余計にレオナルドの神経を逆撫でするらしい。
「知ったような口を聞くな!」
「失礼しました。」
ああ最悪だ、これにあと二週間付き合うのか。
ただでさえ白目を剥きながら仕事をしているというのに終わりの見えない地獄に踏み込んだ実感がエマを襲う。
(仕事のサポート…?子どもの癇癪を宥める仕事じゃないの。)
ため息だけで今日は何回目だろうか。
レオナルドは謝罪したら納得したのか、結局エマから羊皮紙とペンを奪い取り、机にそれを置いてペンを入れ始めた。
そして、冒頭に戻るのである。




