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王宮の側近代理  作者: ボブ


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4/11

4話

「側近代理って、私はただの侍女でございます。側近代理など、他の側近候補がおりますでしょう。」

「まあそうですね。」

「ならばなぜ私なのですか。」

「他に適任がいないからですよ。元々他のものにもあたってきましたが、どの者からも得られる返事は曖昧で、遠回しにやりたくないと言われるばかり。」


婚約者のリシェルの激しい性格に隠れているがレオナルドも負けず劣らずの瞬間湯沸かし器。

臣下の者が前向きに仕えたいと思える主人かと聞かれると素直に頷き難い相手である。


「加えて国王陛下からの圧力もかかって、国境地域での仕事も命じられ、通常時ならまだしもその仕事が終わるまではしばらく不機嫌なままですから。」


「…ちょっと待ってください、側近代理っていつからですか?」

「明日です。」


エマは目眩がし始めた。


「…何故もっと前から伝えないのですか。」

「直前まで決めあぐねていたのです。ただでさえ王子殿下の側近代理。さらに不満募らせた不機嫌状態、婚約者も頻繁にやってきて仕事の邪魔をする。そんな人を支えるのは、幼馴染である私くらいしかいないものです。

そこで閃いたんですよ、幼馴染ならもう一人いたのですから。」


あなたですよ、エマ。


「王宮で年齢は違えど殿下を支えよと言われ育てられた、いわば私と貴方は同士です。

仕事に関することは別の文官も控えていますし、レオナルド殿下に必要なのは精神の支えと婚約者のリシェル様を軽くあしらえる度胸のある側近。


私以外ならあなたが適任なんですよ。」

「…」


「本来ならば精神面でのお支えはリシェル様にお願いしたいところではありましたが…あの方は一五歳とはいえまだまだ幼い。

私と同じレオナルド殿下の幼馴染であれば、なんとかなりましょう。」


ええ…と引き気味の返事をもらったアルバードは、片方の眉をくいっと上げながら、懐にあるポケットからエマに給与計算表を差し出した。


「給金はもちろん側近としての計算になります。

侍女よりも稼げますよ。

それに代理とはいえ、王子殿下の側近を務めた…なんていえば、万が一婚約者が決まらなくて王宮に骨を埋めることになった場合でも経歴に大変素晴らしい箔がつきます。

現在の国王陛下は性別でわざわざ仕事を分ける方ではない。

エマも努力次第では宰相も夢ではないのですよ。

婚約者を決める時にも、王子殿下の側近を務めた、なんて変な虫がよってきません。

しっかりとした男があなたを」

「もうわかりましたから!やりますやります!当然その様子なら国王陛下にもお話は通されているのでしょうね。」


迷っているエマに畳み掛けるようにメリットばかりを話すアルバードは、良い返事をもらったことにしたら顔で頷く。随分と失礼なことを言われたな…と思うも、エマには良い反論が見つからない。

皮肉にもアルバードのかけている銀縁のメガネフレームが先程より輝いて見えた。


「もちろんですよ。なら、明日からよろしくお願いします。後ほどエマに王子殿下のスケジュールと王宮全体のスケジュールをお渡ししますから。」


ややあってドアからレオナルドの専属騎士のポールがもう無理です…と呟いて助けを求めてきたことで、この場は解散となり、エマはアルバードとともに室内に入った。

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