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第九話


アカネさんの声を振り切って薬を飲んで開始ボタンを押す。多分灯台の中?


思ったより広そうだけどここなら存分に暴れられそう。


「にゃにゃあ(さて、我も少しだけ力を解放しようか。)ふむ…この姿になるのも400年ぶりかのう。」


ボフン…と音を立て煙が上がりそれが消えるととてもきれいな女性が立っていた。


頭には猫耳、腰からは二又の尻尾を生やした黒髪黒目の長身の花魁風の格好で煙管を加えていた。


「え…!可愛い!ネコマタ様、人化出来るんですか?!というか女性だったの?!」


綺麗なバリトンボイスのイケオジ風の声だったのに少し低めな女性声に変わってる。


「〈従魔管理 魔物鑑定(モンスターアナライズ)〉!!ちょっ!エラーって何事ー?!」


ネコマタ様をスキルで確認するも名前もレベルもerrorの文字で埋め尽くされている。唯一読めるのが猫又という二文字だけだ。


私のレベルが足りないのが原因だろうなぁー。


「何を驚いておる。我を含め六柱全員人化の術、もしくは人に近しい姿を取っておる。まぁそのような些事どうでも良かろう。御主の本気、見せてみよ。」


「はいっ!召喚セツカ!〈創造〉発動!変身…!!ペルソナバイカースタイル!」


「雪女…いや、雪童か?そういえば従魔士と言っていたか。何もかもモンドにそっくりよのう…ククク。その珍妙な姿はしていなかったがな。」


「セツカ雪魔法で吹雪を!〈魔闘〉〈跳躍〉〈蹴闘術〉〈渾身擊〉!!ハー!!バイカーシュートッ!」


「あい!〈ゆきまほう ふぶき〉!」


ネームドモンスター モウエンから手に入れた三つの技能巻物(スキルスクロール)の内の一つ、〈渾身擊〉は攻撃力を十倍に防御力を十分の一にするスキルだ。


クリティカルに入りやすいが、失敗するとHPが残り一割になる諸刃の剣。


ネコマタ様は猫から人型に変わり的が大きくなった。狙うはお腹辺り。


必殺…というか私のスキル全盛りだから避けられたらお仕舞いだ。

見た感じ魔法は使わなそうだし近接型かな?


「ぐあッ…クク…中々やるじゃないか。今のは効いたぞ。どれ、こちらの番だ。この技、受けてみるが良い。〈妖猫瞑嘆(ようびょうめいたん)〉〈爪擊 連打〉〈八爪連破〉」


「速っ…うあッ!」


黒い煙が上がったかと思ったらネコマタ様が一瞬ぶれて気付いたら私は全身からポリゴンが吹き出して地面に倒れていた。やばッ…もうHPが一桁しかない…うっ…意識が…


「はるかおねえさん…!!〈かくれんぼ〉〈ゆきまほう 氷雪結界(ひょーせつけっかい)〉」


セツカの声が薄れ掛けた私の意識に響き渡る。ここ…は?


真っ白な空間だ。ここは…かまくらの中?ということはセツカが私を助けてくれたのだろうか。さっさと回復してセツカを助けなければ…


「ふぅ…セツカ、助けに行くからね。〈従魔管理 帰還〉〈跳躍〉〈魔闘〉〈蹴闘術〉〈渾身擊〉〈倍加〉!うおおぉぉおー!バイカーシュゥウウート!!」


「なっ…どこから…?うわぁああ!!…はぁ…はぁ…わ、我の敗けだ。お主に降ろう。中々良い連携であった。セツカと言ったか?あの雪童、良く懐いておる。良い腕だ。」


『レベルが12上がりました。12,0000メルを獲得しました。金の宝箱を三つ、虹の宝箱を一つ獲得しました。また、ユニーククエスト〈☆☆☆☆☆級〉 タカマガツハラの六守護獣 ネコマタ戦に勝利しました。ネコマタをテイムする条件を獲得しました。称号 守護獣を従えし者 を獲得しました。』


《ワールドアナウンスを発令します。プレイヤー ハルカの手によりタカマガツハラユニーククエスト〈☆☆☆☆☆級〉 タカマガツハラの六守護獣 ネコマタが撃破されました。これによりスペシャルバトル 六守護獣戦 ネコマタが解禁されます。世界各国にて闘技場が解禁されました。各国の闘技場にて開催されますので奮ってご参加下さい。》


・・・


ワ、ワールドアナウンスだって…?!

一日で二回も聞くとは思わなかった…びっくりだ。


レベルが更に上がり18となった。


あと宝箱は後で開封してみようかなー。虹色って何が出るんだろー。


「ふふっ…ありがとう。ネコマタ様、契約をしよっか。怪我の治療は…必要なさそうだね。」


「クク…手加減したとはいえまさか低能力者に膝をつく事になろうとはな…名付けを持って契約に応じよう。」


名付け…名付けかぁ…

うーん…自信がないなぁ…

直感で決めよう。


夕暮れだったよね。


んー捻るとろくなことになりそうにないから簡単で良いや。


「〈従魔管理 契約(コントラクト) ユウヒ〉…!ん、無事成功したね。良かった良かっ…ってええー?灯台崩壊してないユウヒ?」


「にゃあ?」


「って!猫に戻ってるー!助け、てーってあれ?揺れが止まった?」


「ハルカ殿!」


「ハルカちゃん、大丈夫?助けに来たよ!」


「オーッホッホ!このユイちゃん様に掛かればこんな灯台の崩壊、余裕でしてよ!」


ハルナちゃんにアカネさん、それと既視感のある茶髪ショートの人が高笑いをしながら中に入ってくる。


その後にも色んな人がぞろぞろと。


えーと…リスナーの人たち…だよね?


あ、コメント切ってたからオンにして追ってみよう。

んーと…ふむふむ。


なんか近くに居たリスナーさんがプレイヤーに声をかけて私を助けに来たみたい。


ていうかスパチャが凄いな…100万円近い…


高笑いしてた人レースに出てたユイさんか。


もう少し大人しいイメージだったけど、大分はっちゃけてるなぁ。


「えーと、皆さんありがとうございます。それとおいで。新しい家族のユウヒです。挨拶は?」


「にゃあ」


「うおぉー!ハルカちゃん、可愛いなぁマジで!」


「ユウヒちゃーん!人化してくれー!」


「あはは、なんかテイムしたら人化封印されちゃったみたいで暫くこのままみたい。MPも大分使うみたいで三時間くらい休憩しないといけないみたい。私も少し疲れたからまた今度同盟メンバーの件は募集しますー!」


「はいはい解散解散!ハルカちゃんも疲れてるみたいだし、また今度ねー。入団試験も企画にして近々やるから皆挙って参加してねー!リスナーの皆も間に合う様に数日は開けるつもりだよ!それじゃ今日の配信はここまでまた見てね、バイにゃー!!」


「ということで短いけど私も今日の配信はおしまいです。また告知しますね!ばいばーい!」


ふぅ…どっと疲れが出てきたよぉー。


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