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INFINITE Monsters Online~猫狂い少女による無自覚無双~  作者: 如月 隣夜
第二章 第一回公式イベント 五カ国親善試合
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第十八話


急げ急げー。


えーと、お相手は…砂塵さんか。


誰だっけ…


・・・



……あ、タカマガツハラの西の方で活動してる人だ。


黒鍬衆の梵天丸♀さんだっけか。


あの人の補佐役の人だ。


確かプロゲーマーだったけ?

格闘ゲーム専門の。

そんなガチ勢と私やり合うのかー…


インファイトは完全に避けて、念嵐乃熾天使(ラファエル)使って、遠距離攻撃して倒そっと。


『これよりソロの部予選第六試合を開始します。華天 ハルカ選手対黒鍬衆 砂塵選手の入場です。』


「君が華天のリーダーさんだね?アタイは砂塵、サジさんとでも呼んでくれ!」


「あ、はい。砂塵さんは女性の方ですよね?」


「…?ハハハ、何を言っているんだい?見た通り女さ。まぁ良く間違えられるがね。」


私が思わず性別を確認してしまったのは、砂塵さんが筋骨隆々で男性と見紛う様な圧を感じたからだ。


何ていうんだろ…

師匠と同系統な顔立ちなんだよね。

一昔前の劇画チックな漫画の登場人物みたいだ。


バーベル上げとか、レスラー体型っていうのかな?


でも失礼な事聞いたのに笑って許してくれるのは優しすぎるよ…!


「すみません、失礼しました…えっとハルカって言います。いい試合にしましょう!」


「気にしないでいいさ!ハルカ、楽しい戦いにしよう!審判!」


「はい!両者準備が整った様ですので試合を開始します!……始め!」


サササッと距離を取り、〈因子結合〉を発動。


向こうの出方を窺う?

否、私にそれは似合わない。

攻めて攻めて攻めまくるのが私の生き方だ。


砂塵さんが大斧を振り下ろす。

それを最小限の動きで回避した。


準備は整った。


「ーーーモード=念導乃熾天使(ウリエル)。さぁ、始めましょう。」


いきなり予定変更!

見た目の割にかなり素早い。

近付かれたら負ける。


モード=念導乃熾天使(ウリエル)はカキツバタ主導の姿。

サイキック能力特化で浮かせたり、飛ばしたり、発火さえも自由だ。


こんな風にーー


「グォッ…!何だ?!突然ステージが燃え出した?あんたの仕業かい、ハルカ?」


「さぁ…どうでしょうね…?」


炎に包まれたステージ。

砕かれた石畳。

念動力を加え瓦礫を操る。

右、左、上、下、前、後、斜め…

あらゆる角度から飛来する瓦礫は僅かだが、砂塵さんにダメージを与えていく。


砂塵さんは大斧を収め別の獲物を取り出す。これは…


「ライフル…?」


「正解だよ。武具士(ウェポンマスター)の恐ろしさ、見せてやんよ!」


私の居ない自らの背後にライフルを撃ち出す砂塵さん。


どういう事?

そんな考えは頬の熱で一瞬で過ぎ去った。


()ゥッ…」


気付けば私の頬には一条の傷と熱さが残っていた。


避けた…はずだった。でもこれは…


「跳弾…ですか。」


「正解。ほらほら避けないと血だらけになっちゃうよ?」


正直舐めていた。

向こうは経験も強さも上。


毎日血反吐を吐くほどの訓練を重ねてきた真の強者だ。


ゲームにブランクがあるとはいえその差を飛び越えて私が勝つなんて甘い幻想は捨てよう。


一歩ずつ。

一歩ずつで良いから差を埋めていく。


左から迫る弾丸。

念力壁で受け止め、撃ち返す。

砂塵さんの左頬を掠めた。

驚愕の表情からその口角が吊り上がっていく。


「本当に…化け物だね、ハルカ!アタイも全部を絞り尽くすッ!《土神》!砂波(サンドウェーブ)!」


〈因子結合〉を解除。

今なら出来そうな気がする。

〈因子結合〉のその先にある何か…


『〈因子結合〉が〈因子結束〉へと昇華しました』


『プレイヤー ハルカがエクストラジョブクエストの条件を満たしました。別空間にて行われます。移動しますか?YES/NO』


エクストラジョブ…

私の従魔王もシークレットのはずなんだけど、その上だろうか。


見てみたい。


確かめたい。


けど…今はーーー


「〈因子結束〉…モード=暗黒神魔獣女王(サタン)…」


瞬間、私を中心に極彩色の光が収縮…圧縮され…爆ぜた。


十枚の翼、天を突く捩れた角、手足を覆う黒い毛並み、そしてーー


暴力的なまでの力、湧き上がる魔力。


全能感。



あぁ…これが従魔士の究極にして終着点…か。


魔力が爆ぜる。


それは砂塵さんを、審判を…

周囲で見守っている観客、果ては会場全てを包み込み収束し、後には何も残っていない。


私の中で何かがぷつりーーと音を立て、切れた。


『エラー発生……転移を無効化しこの場に固定します。管理者М61により管理者権限を発動。強制執行開始…プレイヤー ハルカが〘魔ヲ統べル者〙へと強制変移しました。』


ーードクンーー

な、に、こ、れ…?



あはハハHA!たのシイ。

もっ卜壊シタいーー


『ハルカ。力に呑まれちゃだめにゃ。』


だレ?


『ハルカお姉ちゃん、負けないで!』


負け?私が?何に?


『主、力溺れてる。意識、強く保つ』


意識を?保つ…?


『こんなものなの?まだまだ先を見せてくれるんでしょ?』


そうだ、前へ。


『ボク達を連れて行ってくれるんですよね?頂に。』


頂点に…立つ!


私の中の5色の小さな光。


(ユウヒ)水色(セツカ)(スミレ)(アンジュ)(カキツバタ)


私の意識に…身体に混ざり合い、溶けていく。


皆ありがとう。私は私だから…!

何にも負けない。

この力、掌握してみせる。


『〈反転〉〈制御〉の2スキルを獲得しました』


「〈反…転〉、〈制‥御〉!ーーグゥッ…!」


掌に集まっていく魔力の奔流。

抑えつけても暴れて、今にも弾かれそうだ。


「私‥に!従…え!このォッーー!」


抑えつけ、握り締め、力は私の中に溶けていった。それは5色の光が手伝うかの様にスッと(・・・)になっていく。


「はぁはぁ…ありがとう、皆。」


私の従魔達が手助けをしてくれたことが原因なのだと把握する。


従魔結束(このちから)〉はまだ私には早すぎるんだ…。


でも、感覚が何となく掴めた気がする。次は失敗しない。


『試練に抗い勝利しました。プレイヤー ハルカがエクストラジョブへと適応していきます。〘魔ヲ統べル者〙を獲得しました。』


あ、れ…アラートが響いて…意識…がーー


ーーー


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