第七話
『間もなくソロ一試合目開始時刻となります。同盟 華天Aのパーティメンバーは転移ポータルを利用可能です。』
おろ?丁度メッセージが届いた。転移ポータルね…会場の詳細図を眺めながらスノウさんにお礼を言う。
「あはは、頑張ります。えっとポータルは…こっちか。」
部屋を出てメッセージに添付されている詳細図を確認しながらポータルを目指す。
「あ、ハルカちゃん!ソロの試合か、頑張ってね!私も今終わって帰ってきたとこー。初戦の相手、気を付けてねー?」
「わぁ、アカネさんおめでとうございます!はい、行ってきまーす!初戦の相手ですか?んん…?」
ソロは勝ち抜き戦で一度でも負けたら参加資格が失くなるという厳しい条件である。
一般プレイヤーのレベルが大体60〜70が平均ぽい?ということで私達はかなり有利だ。
ウチの平均が80〜90なんだからそりゃそうか。
ポータルで移動するとそこは待機室の様な場所だった。
テーブルと椅子だけの簡素な部屋。
まぁ何も無いよりマシだけど。
そういえば対戦相手もメッセージに載ってたよね。
アカネさんから注意喚起受けたし、かくにんしなくちゃ。
誰だろうか?
「最初の対戦相手は…およ?アーハー?じゃなくてウーハーか…ややこし…」
燦然と煌めく極光騎士団アーハーの文字。
かと思ったらウーハーだった。
けど極光のメンバーだし、Aパーティのタンクだからそこまで変わらない…のかな?
ふざけた名前だけど、対戦ログを見てた感じ動きは悪くなさそう。
戦闘スタイルとしては持ち前の防御力で耐えてチクチク戦う感じ?
防御を捨てて一点突破な私とは真逆だな。
『同盟〘華天〙HALCA対同盟〘極光騎士団〙ウーハー。開始位置へ……』
「うえっ?!」
思わず変な声出ちゃった。あ、この光ってる所に立てば良いのかな?
ワーーー!!
ハルカ頑張れー!
ウーハー、負けるな!!
え?え?すごい歓声なんですけど…
ちょっと驚きましたよ、ええ。
コロッセオみたいな舞台に上がると白銀の鎧に身を包んだ大きい男の人が私に手を振ってくる。
「ウーハーだ。配信いつも楽しませてもらっている。アーハーは俺の弟なんだが君のファンでね。メッセージに載っていた名前を見て嫉妬してくるもんだから困ってるんだ。後で会ってもらっても良いかな?」
「え?あ、はい。じゃなくて…あの、やっぱりーー」
「ーーおお!会ってくれるか!良かった良かった!」
思わず返事をしてしまった。
これもしかして…誤解されてる?
『それでは試合を開始します。両者健闘を祈ります。……始め!』
うわー、始まっちゃった!
とりあえず倒してからお断りしよっと!
人の話はちゃんと聞いてほしい…!
自分の図体と見た目を考えろ!
威圧感しかないでしょ!
あーもうなんかムカついてきた!
速攻で終わらせる!!
「《創造》〈チャージ〉……〈倍加〉〈三段跳躍〉〈魔纏・影〉〈因子結合 スミレ〉〈蹴闘術〉闇夜乃悩殺者スタイル…バイカーシュート起動…! 死角からの一撃 影縫!」
シャドウアサシンスタイル。
やっとスミレとも因子結合出来るようになったんだよね。
遂にお披露目ですよーっと。
いやー、長かった。
配信がオフの時は、ずっと喚んで、モフって散歩して、モフって毛繕いして…
とまぁ、ずっとモフってたんだけどさ。
親愛度貯まるまで総時間でリアル3日分くらい掛かった。
おいも、ゲーム内の流れ三分の一だからさ。
んでんでぇ、肝心の紹介なんだけどね。
格好はなんだろう…中東辺りの踊り子的な感じ?
顔もヴェールでベリーダンスの衣装みたいなエキゾチックな格好です。
とてもキュートでセクシーな仕上がりなのよ。
ただ、欠点が有りまして肌色がね…露出多めなんですよ…
……大衆の前でやるスタイルじゃないっていうね。
うっかりしてたわ…
要するに恥ずかしいです…はい。
今はアンジュ、カキツバタの親愛度上げの途中なんだけど〈学習〉〈筆記〉のチートで暇があればずっと一緒に居るから、そろそろ上がっても良いんじゃないかなー?まだですか?って感じの状態。
話が逸れたけど、開始早々私はバイカーシュートを発動したんですけどこれまたエグくてさ。
相手の影…背中から突然蹴りのダメージが相手を襲います。
更に更に攻撃を受けた相手は、その場で拘束状態の影縛りに遭い、動けなくなる。
つまり攻撃し放題。
ということでね…
ウーハーさんみたいなカチカチタンクにはぶっ刺さりなんだわ。
勝ちました。開始十秒です、はい。
なんで負けたか明日までに考えといて下さい(ドヤ
「ふぬぬぬぬ…背中からとは言え流石に耐えられん…見事なり。」
『試合終了。勝者 同盟〘華天〙HALCA選手。』
「対戦ありがとう御座いました。」
「うむ。初披露の妖艶な姿、見事なスキル回し、流石である。では約束通りアーハーの元へーー」
「ーーごめんなさい、私は行けません。この後仲間達と作戦会議が有るので。またシクステットの決勝か他の予選でお会いしましょう、では。」
危ない危ない。
あのまま勢いで腕でも掴まれてたらアーハー氏と鉢合わせする所だった。話を聞くに彼、厄介オタクとかいう奴なのでは…?
ウーハーさん強引過ぎるし男の人怖い…スノウさんに癒してもらお。




