第三話
ピンポーン、と音が鳴る。およ…誰だろ?
「はーい!って朔久耶ちゃんと世麗那さん?どうしたんですかー?」
「おはようございます、美空お姉様!今日も相変わらずお綺麗ですね。」
「御機嫌ようですわ。朔久耶とはエレベーターで一緒になりまして。本日のご予定をお伺いに来ましたの。」
「二人とも連絡してくれれ…ば、ってしてくれてましたね。ごめんなさい、バタバタしてて。」
「いえ、家事が忙しいのでしょう。お気になさらないで。」
「そうですよ、美空お姉様!何ならお手伝いしますから!」
二人の優しさに思わず笑顔になる。家に招き入れて午後の用事を話し二人も同行する事に。あ、おかず足りないかも。
んー…ハンバーグでも焼こうかな。
朔久耶ちゃんも世麗那さんも好きみたいだし。
「私はお弁当用意するので二人は寛いでて下さい。」
「いえ、手伝いに来たんですもの。そうですわね、わたくし掃除機でもかけましょうか。」
「あ!じゃあ美空お姉様のお部屋、掃除したいです!」
「朔久耶、魂胆がバレバレですわよ?ベッドの匂いを嗅ぐつもりでしょう?」
「ひ、ひどいなー。私ソンナコトシナイヨ?」
「あはは!大丈夫だからゆっくりしてて下さい。そろそろ深雪さんもお風呂から上がりますから。」
そんなこんなで三人で会話きながらお風呂から上がった深雪さんも合流してわちゃわちゃしてるとハンバーグを準備し終えてタッパーに詰めて冷ましておく。
別の容器にハンバーグを焼いたフライパンで作ったウスターソースとケチャップを入れて軽く火を通したソースを用意した。
これ美味しんだよね。昔家庭科の授業で習ったものだけどずっと愛用している。コクだしにバターとブラックペッパーで味を引き締めたら完成っと。
時計を確認すると、11時半。私もシャワー浴びてこよっと。
お風呂を上がるともっセルさん…桃瀬さんも合流していたのでささっと着替えて髪を乾かす。
うーん、長いと不便だよなー。
バッサリ切っちゃおうかなー、なんて独り言を言ってたら深雪さんがいつの間にか櫛を持って私の部屋に居た。
「せっかく綺麗な黒髪なのに勿体無い。私は癖毛だから短くしてるけど美空は長いのが似合うと思う。」
「えっと‥ありがとうございます。いつの間に入ってきたんですか?」
「ん。美空がお風呂入ってる間にドライヤー借りてた。乾かしてたら美空が入ってきたから隠れてた。」
「そうだったんですね。深雪さんはもう乾いたんですか?」
「ん。だいじょぶ。ほら、乾いたよ。そろそろ時間でしょ?」
「そうですね。着替えたら追い掛けるんで先に行ってて下さい。」
「一緒に行こ。待ってるから。」
「分かりました。直ぐ済ませますから。」
深雪さんを部屋から追い出しちゃちゃっと着替える。んー、カーゴパンツとTシャツで良いか。私服は三パターンしかないから大抵被っちゃうけどあまり着飾る事は興味無いし。
あ、生天目ちゃんと買い物行くのいつだっけ?
スマホのカレンダー機能を確認するとまだ先だった。
イベント終わりにしたんだった、忘れてた。
よし、準備完了。お財布とスマホを鞄に詰め込んで桃瀬さんの運転する車で裏口からケットシーに突入ー!
お客さんは疎らっぽい。
深雪さんが茜さんを呼びに行くと何やら揉めている感じ…?
なんだろうと様子を伺っていると声が近付いてくる。
「おやおや、やっぱり居るじゃないか。皆様お揃いで。ハルカ君、こっちでは初めましてだね?エトワールこと笹島光里だよ。宜しくね。」
エトワールさん?どうしてここに?
「あ、えっと初めまして。笹島さん。春風美空です。笹島さんはどうしてここに?」
「彼氏とデートがてら友人の様子を見に、ね。ついでにハルカ君に会えたらラッキーと思ってたけどお会い出来て嬉しいよ。そうだ、これ私の名刺だよ。良かったらどうぞ。」
「あ、これはどうも。」
「ほら用事は済んだかい、光里。とっととこの妹狂いの変態を連れて帰ってくれないかい?」
「あ、茜さん。」
「随分な言い方だね茜。まぁ今日の所はこんなもんでお暇するよ。ハルカ君、またね。」
「あ、はい。またお会いしましょう。」
「ほら刀哉行くよ?深雪ちゃんもまたね?」
「二度と来るなバカ兄貴。私も店も迷惑。」
「はぁ…ツレない態度の深雪たんも可愛いなぁ…」
「ほら行くよー。彼女放って君は何がしたいんだい?大体ねーー」
どうやら嵐は去ったようで茜さんも深雪さんもお疲れのようだ。うーん。あの人達が深雪さんのお兄さんと茜さんの友人か。中々クセが強いと言うか何というか。
笹島さんから貰った名刺を確認する。
株式会社笹島商事代表取締役 笹島光里と書いてある。
笹島商事で検索を掛けるとペット用品やグッズを手掛けてるみたい…営業?




