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幕間2


INFINITE Monsters Online公式イベント『五カ国親善試合』開始前日。



騎士王の治めるジェノビア王国。

彼の地にて最強の名を欲しいままに奮闘するプレイヤー。

その名はアーハー。


彼は己が剣の腕をひたすら磨く為に日夜己を磨いていた。

明日行われるイベントに一人並々ならぬ想いを込めて今日も剣を振るう。


「ほう、精が出るな。アーハーよ。余は貴殿の活躍期待しているぞ!」


「❴騎士王❵ゼクス様!ありがとうございます!その期待に応えられる様、全身全霊で臨みますよ!」


「全身全霊、と来たか。だがそれでは足りんな。限界を超えよ。貴殿ならば出来る。」


「限界…僕は限界を超えてみせる。マイクさん…きっとこの世界にいるんですよね…?僕のこと見守っていて下さい…!」



商人の治める地ダルフィオ連邦にて。


一人のプレイヤーが血気盛んな酒場でラム酒を煽る。

その姿は正に女海賊と言っても過言ではないだろう。


「やぁやぁこんにちは。マリンさん。毎度お世話になってますー。」


「チッ…❴死の商人❵、何しに来たし。」


「フフーフ、何。明日からの親善試合、応援しております、と伝えに。」


「何だい、そんなことかい?あーしが負けるなんて絶対にねぇし。礼の件…分かってるね?」


「はい、マリンさんの頑張り次第ではありますが…約束事は守りますよ。商人は信用が一番でしょう?」


「ふぅん…まぁそれなら別に良いし…」


❴死の商人❵と呼ばれた男は音もなく消える。度数の高いラム酒を煽り、酩酊状態を表すデバフを鬱陶しく思いながらも部下が持ってきたソーセージを横から掻っ攫い呟く。


「華天…ねぇ。少し…少しだけ楽しみかも。」


「マリンちゃん、追加の酒持ってきやした!」


「お頭って呼べって言ってるでしょ、はぁ…」


女海賊は頭を抱える。

明日のイベントに想いを馳せて。




❴聖女❵の治めるブライト法国。


厳粛な場内にて寛ぐ❴聖女❵に侍る一人の少女。


名をステラと呼ばれる彼女は❴聖女❵ユミルの信頼を勝ち取り側に付くことを許されたプレイヤーだ。


ソファの上でだらけた様子のユミルはステラに問う。


「ステラ、三日後の親善試合。必ず優勝してきなさい。全部門よ、良い?」


「畏まりました。勝利をユミル様に誓いましょう。」


「私じゃなくてゼアナ様に…でしょう?まぁそう言われて嬉しくない事は無いのだけれど」


神ではなく❴聖女❵個人に、というユミルの言葉を諫め、唯一神の名を挙げる。


国の威信を掛けて試合に臨むユミルの姿にステラは眉一つ動かさず、応じた。


まるで自らが優勝すると確信しているかのようなその瞳は一切の曇りがない。


だがしかし、ユミルは、また別の事を思考していた。




所変わって魔導の発達したスパシオン帝国。


その玉座に君臨するは獅子丸というプレイヤーだった。


NPCの王として君臨していた黒龍を玉座として不遜に寛ぐ。


獅子の身体に尾は蛇、背からは翼を生やしたその姿はマンティコアという魔物。


彼は退屈そうに欠伸をしながらも明日行われるイベントに想いを巡らせる。


魔物プレイヤーの頂点に君臨する彼は人化しても尚残る獅子の尾を揺らしながら玉座の手摺に足を投げ出し、豪華なマントを背に体勢を直すと徐に立ち上がる。


窓から外界を見下ろし、にやりと笑みを浮かべる。


それは自らの優勝を確信しているかのようだった。



タカマガツハラの地にて。


暗躍する女性プレイヤー、百鬼夜行のリーダー エトワール。


今もNPCを手にかけ、一つの領地をその手中に納めた。隣に立つ美丈夫ton点館に妖しくも麗しい笑みを向ける。


「クフッ…明日が楽しみねぇ、テン?」


「んあ?そうだな…ようやくスノウたんに会える。」


「ふふ…妹馬鹿も程々にね?私もアカネとハルカちゃんをこの手で八つ裂きに…フフ、楽しみだわー。」


エトワールは微笑む。欲しくて欲しくてたまらない二人をこの手で…そんな夢想をしていた。




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