第二十九話
今日からは朔久耶ちゃんも同盟ホームからスタートなので一緒に遊べるので楽しみ。
よし、ギアセット完了!
行ってきまーす!
『プレイヤーHALCA様。本日もログインありがとう御座います。此方本日のログインボーナスとなります。』
およ?
ログインしたらいつものマリーさんじゃなくて文学少女の様な綺麗なお姉さんが居た。
いつもならマリーさんからログインボーナスを受け取るんだけど始めてみる人だなー。
『公式イベントのお知らせです。リアルタイム基準6月7日正午から14日までの七日間、各国対抗交流戦を行います。詳細は続報をお待ちください。また多くのご要望が有ったため決闘システムを導入しました。ヘルプにてご確認下さい。』
ほえー。決闘システムなんて出来たんだ。後でチェックしよー。
「ありがとうございます!今日はマリーさんじゃないんですね。お名前は何て言うんですか?」
『ふふ、マリーは今別件で緊急対応に追われていますので代わりに私が来ました。初めまして、私は水先案内人の清とでも名乗りましょうか。お好きにお呼び下さい。』
「セイさん、宜しくお願いしまーす。えっと交流戦ってもしかして対人戦なんですかね?チーム戦とかも有ったり?」
『 まだ詳しい情報は開示していませんが、マリーのお気に入りと言うことで少しだけ開示しますね? HALCA様のご推察通り、端的に述べればプレイヤー同士、またはNPCと組んでの対人戦です。 ソロ、デュオ、トリオ、カルテット、クインテット、シクステットの六部門が有りますよ。 また生産職の方々にも出番は御座います。 制限は無いので挙ってご参加下さいませ。』
おぉー。
公式掲示板で見た限り、最初は対人戦かもって言われてたけど、予想は当たってたみたい。
生産職には戦闘系プレイヤーのサポートとかバザーとかもあるのかな?
まぁ、そうじゃないと全プレイヤーが楽しめないもんね。
「ほえー、そんなことまで話しちゃって大丈夫なんですか?これって他言無用…ですよね?話しちゃった場合何かペナルティとか有ったり…?」
『ふふふ、心配せずとも聞かれたら答えても良いとの達しは受けていますので大丈夫ですよ。初めに対人戦開催決定と申してるので誰もが知る事ですからね。』
「ふぁー…良かった。ログイン規制とか凍結されたらどうしようって考えちゃって。…あの話は変わるんですけど、セイさんってタカマガツハラの何処かでお会い出来たりします…?なんか雰囲気がタカマガツハラの人達に似てて。」
『ふふふ、禁則事項です。けど、間もなく会える…とだけお伝えしましょうか。それでは行ってらっしゃいませ、良い旅を……』
間もなく会える……ってほぼ答えでは?
なんて考えている間に私は同盟ホームにて目覚めた。うーん、この畳の匂い。落ち着くなぁ…
「あ、ハルカお姉ちゃん起きたッ!」
「にゃあ」
「わふん」
「おはよ、皆。んー、セツカの髪すべすべー!スミレのもふもふもユウヒの柔らかい毛並みも良き……すー、はー」
思わず雪少女吸い、猫(猫又)吸い、犬(狼)吸いをかましてしまった。少し反省。
我が従魔たちは皆いい匂いがする。
けどこれにかまけていると幾らでも時間は溶けてしまうので早々に立ち上がり居間へ移動。
「ハルカ殿、おはようなのじゃ!」
「おはよ、ハルナちゃん。他の皆は?」
「アカネ殿はヤエモンと鍛練。サクヤ殿…だったかの?彼女は向こうで何やら祈っておる。セレーネ殿ともッセル殿は代官じゃしアイゼンかのう。ジンゴは本邸じゃの。他の異邦人の同盟加入者は何人か起きてきて、例の迷宮へ拠点建築の段取りをしに向かったのじゃ。」
ほうほう。
私が動かなくても皆ちゃんと的確に動いててくれているで安心。
後で激励とレベル上げがてら見に行こうかな。
セレーネさん達、代官をやって貰ってるけど少しくらいなら一緒に狩りする時間はあるよね。
多分私が代官手伝いに、任命した人達もそっちに居るに違いない。
まぁ、押し付けた手前、言える事では本来無いのだろうけど。
「皆頑張ってくれてるみたいだね。」
皆短いスケジュールの中で少しでも強くなりたいだろうに拠点作りを手伝ってくれてるし感謝しかない。
「あ、そうだハルナちゃん。もう少ししたら異邦人達のイベントが始まるっぽいんだよね。二人で出てみる?」
「いべんと…おぉ、神祭の事じゃな!女神様から神託があったと聞くのじゃ!よ、良いのか…?セレーネ殿やアカネ殿じゃなくて。」
「もちろんだよ、ハルナちゃんは私の伴侶でしょ?一人、二人、三人、四人、五人、六人の六種類あるみたいだから一つくらい一緒に出て、思い出作ろう。」
ハルナちゃんと出るのはセイさんから話を聞いた時から決めていた。
勘だけどセイさんはオペレーター兼タカマガツハラでの重要な役職を担うNPCだと思っている。
今回のイベントにも登場するんじゃないかな?
多分アカネさんもヤエモンさんと出るんじゃ無いかと予想している。強敵だなー。
「う、うむ…!ハルカ殿がそう言うので有ればわらわも出てやっても良いぞ?」
「我も出よう。」
「おわっ!師匠、いつの間に?師匠は誰と組むつもりなんですか?」
「セレーネだ。あの娘はお前と同等の可能性を秘めている。武器の扱いが、ちと拙いが矯正してやれば真面になるだろう。」
なるほどー、と相槌を打っているとハルナちゃんがわなわなと震え、手を師匠に向ける。
「お…お、叔父上…なのじゃ?!何故此処に…?」
「ハルナか…久しいな。」
あ、そうか。
ソウジロウさんのお兄さんってことは、師匠はソウジロウさんの娘のハルナちゃんは姪っ子にあたるのか。
「ずっと…探していたのじゃ!何故わらわ達に…父上になにも言わず出ていったのじゃ…!」
歯を食い縛り俯くハルナちゃん。
あれ…ひょっとしてヤバイのでは?
「我は求道者なり。力を求め理の真髄を手に入れるまで戻る気はなかった。お前の生きる世界を広げんが為にな…だが、そこのハルカを弟子に迎えた。これからはこうして顔を出すつもりだ。」
「むぅ?ハルカ殿を弟子に?」
ハルナちゃんが首をかしげる。
事情を聞きたいようなので話してあげる。
「たまたま先日の戦いで会ってね?話をしたら私のタカマガツハラ統一を是非手伝いたいって!(師匠、合わせてください)」
「う…うむ…ハルカの言う通りだ。」
耳打ちすると不承不承ながらも合わせてくれた師匠。
ふぅ…こんなので好感度崩壊とか嫌だからね?
「ならば…これからは家族一緒に居られるのじゃな…?えへへ…嬉しいのう…!ハルカ殿のお陰なのじゃ!」
『NPCハルナ・フジミヤの好感度が一定値に達しました。ハルナ・フジミヤの能力上限値が一部解放されます。』
「うむ…正直助かった。ひたすら武の道を極める我にも苦手なものはある。女子供の涙だ。ハルカよ、感謝する。」
『NPCリンドウ・ライカンが貴方に信頼を寄せ始めています。特別な職業に就く条件が開示されます。』
おわっ?!一気に二つも?
ハルナちゃんのは多分レベルキャップ解放とかだろうか。
師匠のは多分武帝関連かな?
「では叔父上!これからハルカ殿と外へ探索に行くのじゃが叔父上も一緒に参らぬか?」
「いや、悪いが我はこれからソウジロウの元へ戻らねばならぬ。新兵の特訓と武将の面接をせねばならぬでな。…近い内に見てやるからその泣きそうな顔を止めろ。」
「でも…うぅ、分かったのじゃ!」
ハルナちゃん、見た目が幼いけど師匠といる時はもっと幼く見えるな。
多分師匠が出ていく前の記憶がそうさせているんだろう。
師匠も心なしか優しげな顔をしている…
気がしないでもない。
だってこの人全然表情が動かないし。
けど…何となく私には分かる。
師匠、姪っ子にデレデレタイプの叔父さんだ。
母方の叔父さんが同じタイプなんだよねー。
自分探しの旅に出るって行って三年経つけど元気してるのかな。
まぁ、それは良いとして師匠を見送ってからハルナちゃんを引き連れて、屋敷を出発。
なんか開始早々少し疲れたけど、気を取り直してフィールドへレッツゴー。




