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第二十八話

サクヤちゃんと一緒に帰る事になり、茜さんのマンションへ。


途中でケーキ屋に寄り適当に数品購入。


私はクッキーシューでサクヤちゃんはチョコレートケーキ。


茜さんにはチーズケーキで、深雪さんにはショートケーキを買った。


喜んでくれるかな?

少し多めに買ったからみんなでシェアしよっと。


聞けばサクヤちゃんは同じマンションの七階に住んでるらしく、元々茜さんともプロデューサーとの事もあり知己の仲、というかサクヤちゃんもケットシーで月に数回バイトしているとのこと。


茜さんに連絡を取ると、連れておいでと言われ素直に従った。


ちなみにサクヤちゃんのデレデレ状態を写真で世麗那さんに送り事情を説明すると、理解してくれて快諾を得た。


なんて器の大きい人なのかしら。


そんな世麗那さんは、一緒に帰りたかったが急な生徒会の仕事が出来て都合が良いと言ってくれた。


「ただいまでーす!」


「お邪魔しまーす!」


「お帰り、美空ちゃん。朔久耶もいらっしゃーい。」


「深雪さんはシフトですかー?」


「うーん、そろそろ帰ってくる頃だけど…お、噂をすれば帰ってきたみたいだねー」


「ただいま。美空、茜。あとお帰り。朔久耶も居るんだ」


「深雪、久しぶりですね。シフト被らないから三ヶ月振りですか?元気そうで良かったです。」


「みんなお帰りー!ってことで美空ちゃーん?その手に持っているのはシュメールのケーキでござるな?」


「ケーキ……ショートケーキ…ある?」


「もちろん!そうですよー。昨日のプチ打ち上げと茜さんと深雪さん達に日頃の感謝を伝えたかったので…奮発しちゃいました!深雪さん、お弁当有り難うございます。茜さんもいつも色々と有り難うございます!」


「ひゃっほーう!美空ちゃん、最高だぜー!!嫁に来ないかー?なんちゃって…世麗那達も呼んでも良いかい?」


「あ、にゃいん来ました。少ししたら桃瀬さんとあと二人連れて、一緒に顔は出すと言ってたんでその内来る筈ですよー」


多めに買っといて良かったかも。

これで足りなかったらお客様に失礼だもんね。

でも二人って誰連れてくるんだろ?


「はっはーん、にゃるほろねー。じゃあ頂き物の高級茶葉でも用意しようかなー。朔久耶と美空ちゃんは座ってていいからねー。あ、いっちーお湯沸かしてて貰っても良いー?」


「がってん」


食い意地張っているというかなんと言うか。

こういう時の茜さんと深雪さんの連携はてきぱきとしていて効率的に働く。


ケーキをお皿に移すくらいはしておこうかなって思ってたら既に深雪さんが準備しておりそのタイミングでインターホンが鳴ったので、私はそっちの対応に。


桃瀬さんを連れた世麗那さんと、その後ろから女性が二人…


少し年上だろうか、一人は今時ギャル、もう一人は落ち着いた女性の雰囲気を醸し出している。

何かの雑誌で見た様な…なんだっけ?


「皆さん、お邪魔します。」


最初に桃瀬さんと挨拶を交わして、世麗那さんが一歩前に出る。


「美空ちゃん、お招きに与り参上致しましたの。此方の二人は会うのは初めてだったかしら?さぁ、二人ともご挨拶を。」


そう世麗那さんが促すと、ピンクブロンドに青のメッシュを入れたギャルファッションの人が私を上から下まで眺め始める。


「あーしがペルソナ・ガールズ、四谷(よつや) 毬萌(まりも)18歳だよー。ふーん……あなたが噂のHALCAね?茜を凌ぐ天才なんて世麗那が言うからどんな子かと思えば、まぁまぁ可愛いじゃない。特別に握手してやっても良いわよ!」


「は、はぁ…えっと、春風美空です。」


「すまんな、マリモはHALCA君のファンらしくてな。クレマシの初回から目を付けていたらしい。もちろん私も毎回欠かさずチェックしているぞ!…っと、自己紹介がまだだったね、私は五輪(いつわ) 初音(はつね) 20歳だ。宜しく頼む。」


「はい!毬萌さんに初音さん…覚えました!宜しくお願いします!」


「ちょっと、初音!何バラしてるのよ!べべべべべ、別にアンタのファンなんかじゃ…あるけども…と、特別にサインを貰ってあげても良いんだからね!ちゃんとマリモさんへって付けなさいよ!」


完璧なツンデレムーブをかましたマリモさんが鞄から色紙とサインペンを取り出す。


うーん、用意周到過ぎる。


「あはは…私サイン書いたことないんですけど…とりあえず玄関では何なのでリビング行きましょうか。」


「個性的な面子ですが、仲良くしてあげて欲しいですわ。茜達は何をしているのでしょうか?」


「あ、プチ打ち上げで私ケーキ買ってきたんでお紅茶を用意してくれてるみたいです!そっか…ペルソナ・ガールズ、全員揃っちゃったんですね!」


そう、まさかの茜さんの家に五人が全員揃ってしまったのである。


茜さんの影響で楽曲やライブのアーカイブなどを見ていたので少し感慨深い気持ちだ。


少し浮わついた気持ちを抑えながら私はリビングに続く扉を開く。


茜さん達は奥の物置部屋から出してきた机と椅子を用意していた。


「おー、いらっしゃいー。やっぱりまりりんとはっぴーだったかー。誘っても中々予定が合わなかったからモヤモヤしてたけど顔合わせも済んだみたいだねー。」


は、はっぴーとまりりん?


「茜さん、はっぴーは辞めてくれと何度も言っているのだが…」


「偶々予定が空いていたから来てあげたわよ茜!それとまりりんは本当に辞めなさい!あの時のこと思い出すから、冗談抜きで!」


キレ気味に茜さんに食い下がる毬萌さんに、ふふん!と鼻を鳴らし、腕組みする初音さん。


「HALCAに会える!と浮かれていたのは誰だったかな?茜さん、すまない。他のメンバー達にも迷惑を掛けている…私も毬萌もモデルの仕事が忙しくてあまり時間が取れないんだ。だが今日は存分に遊べる筈だ、私も早くくっこ…じゃない、魔物達と戯れたいのだ!」


頬を少し赤く染めた初音さんが胸元で手を合わせ少しくねくねと身震いする。


「え…はっぴーてばまだ女騎士プレイしてるの?流石のあーしも引くわー…」


「んなっ!そ、そういう不純な行為ではなく伝統的な文化の様なものだッ!あとはっぴーは辞めてくれ、まりりん。」


「むきー!あんたまじでナチュラルに煽ってるでしょッ!」


地団駄を踏み怒り心頭な毬萌さん。

これ、放っといて大丈夫なのかな…?


「美空、だいじょぶ。二人の漫才はいつもの事。初音の天然ボケに鋭く突っ込む毬萌の掛け合いはフリートークでもそこそこ人気だった。」


「ですね。そんなにそわそわしなくても平気ですよ。伊達に二年間一緒にやってないですし!お紅茶も良い感じに仕上がったみたいですし、それよりもケーキ食べましょ!」


「そ、そうなの?二人がそう言うなら良いのかな?…あ、世麗那さんと桃瀬さんはどれ食べます?私のお勧めはこのモンブランシューとミルクレープでーー」


人間、甘いものを目の前にするとそこは女子。


諍いなど忘れてしまうのか言い争っていた初音さん達もケーキに舌鼓を打ち始める。


よしよし、朔久耶ちゃんナイスだ。

ケーキ買ってきてよかった。


女三人寄れば姦しいと言うが、皆好き勝手に話ながら長めのティータイムは終了。


初音さん達もギアを持ち込んでいるらしく夕食まではみんなで遊ぶ事になった。


と言っても深雪さんは北東の方の山、初音さんは騎士が治めるジェノビア王国、毬萌さんはダルフィオ連邦で海運事業をしているので別だ。


二人とも配信してるらしく、少し気になって切り抜き動画を確認すると初音さんは大剣を担いで露出が多い騎士鎧(ビキニアーマーって言うんだっけ)を着て森の中でプレイヤーのパーティや魔物に突っ込んでいっては散々暴れ回って恍惚な表情を浮かべ死に戻りをしていた。

R-15指定タグも付いてる。うん、納得。


毬萌さんは大きな洋船に乗って同盟メンバーらしき人達と他プレイヤーやNPCの船を脅したり、襲って積み荷を奪っていた。


いや、これ海運事業云々じゃなくて海賊じゃない?!


二人ともブッ飛んでるなー…


PVPも行ける感じかな?


でもそれが良い。

いつか一緒に冒険したいものだ。



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