第十三話
さて、ログインしますか。話し合いはそこそこ詰めたのでログインして早速行動だ。
『あら、今日も来たのね。結構活躍しているみたいじゃない?』
「あ!マリーさんこんにちは!ログインお願いしまーす!」
『とても元気が有って良いことね。挨拶をきちんと出来る人は評価に値するわ。さて…と、これが今日の支給品よ。後で確認してね?おまけで特別な召喚チケット付けといたから。あ、これ内緒だからね?』
「ええ?良いんですか?!有り難うございます!それじゃ行ってきますね!」
『ええ、かの異邦人に幸大からん事を…!行ってらっしゃい!』
うへへー。
マリーさんからおまけで召喚チケット貰っちゃったー。
でも妙に人間臭いAIだよねー。
けど得したから良いや。
さてさて、セレーネさん達はー。お、皆集まってる。
「こんにちは、ハルナちゃん。ヤエモンさんとジンゴさんも!」
「こんにちは、なのじゃ!ハルカよ!ジンゴから聞いたがわらわ抜きで夜中に狩りへ行ったと言うのは本当かえ?わらわも行きたかったのじゃが…」
しゅん、と落ち込むハルナちゃん。
あちゃージンゴさん話しちゃったか。
すまん、と手を合わせ謝るジンゴさんが見えたので私はハルナちゃんの手を取って話す。
「もちろん、今度は一緒だよ?でもね、ハルナちゃん。私はまだ弱い。だからハルナちゃんのことを守れないかもしれない。今は力を蓄えて完璧にハルナちゃんを護れる様にする時期だと思って欲しい。私が二次職になれたら一緒に冒険しよう?」
「二次職…ハルカは今魂の器は幾つなのじゃ?」
魂の器…多分レベルの事だよね?
えーとキンキに会う前が28だったよね?
ステータスステータスっと。ほえ?
「今は49だね。あと1レベルで二次職になれそう。」
いつの間にか見習いの枕文字が一人前になってる。
昨日の軍の狩場で一気にレベルアップしたから気付いてなかったのかも。
「じゃあ直ぐじゃのう!今夜かのう?明日かのう?わくわくするのじゃ!」
ハルナちゃんはご機嫌になったし、まぁいっか!
昨日の戦利品やら獲得したSPの割り振りなんかは後でやるとしてとりあえず配信の準備を…
「そういえばセレーネさん達を紹介してなかったよね?これから私の同盟に参加してくれる事になったから仲良くして欲しいんだ。」
「うむ、ジンゴから詳細は聞いておるのじゃ!セレーネ殿ともっセル殿じゃったか!宜しく頼むのじゃ!」
「セレーネですわ。ハルナちゃん宜しくですの!」
「もっセルだよー!よろしくねー!ハルナちゃんきゃわわ~!ぎゅーってして良いかな?良いよね?」
「もっセルさんダメです。」
うーん、もっセルさん外で会った時と全然違う。
違和感というか…けどそれも個性なんだろうけど。
本人が楽しそうなら良いか。
「それじゃ配信を始めたいんだけど、ハルナちゃん。挨拶お願い出来る?」
「ぬおっ?わ、わらわがやるのかえ?」
「うん、昨日教えたやつ覚えてる?」
「勿論なのじゃ!わ、わらわに任せるのじゃ!」
「拡散オーケーだよ。いつでもスタート出来るよーん。」
「了解です。それじゃ行くよ?3…2…1…」
ハルナちゃんにカメラを向けてスタンバイ。
「は、はろーにゃーにゃー。ハルナなのじゃ!皆の衆、ご機嫌如何かの?わらわはちょっと緊張気味なのじゃ…!は、ハルカ殿ー、助けて。」
うん、可愛い。良くできました。
アカネさんの挨拶を練習させてたんだけどほぼ完璧だった。
リスナーも喜んでおられる。
・きちゃー\(^^)/
・開幕可愛いかよ!
・ハルナちゃんめっちゃすこ!!
・可愛いネタ仕込みやがって
・本家越えたな!WW
・アカネとセレーネ、もっセルもおるんか!
・もう調教してるのか…?(困惑)いいぞ、もっとやれ!
「はい、皆さんこんにちはー。うちの婚約者可愛いでしょ?この子私のものなんであげませーん!って感じで煽りつつ今日も配信始めて行きます。まずはここに居る三人、アカネさんセレーネさん、もっセルさんにはうちの同盟に加入してもらいまーす!」
「やっほー!昨日やっと条件が整ったアカネだよー!いつの間にかハルカちゃんにダブルスコア付けられて置いてかれた可愛そうなアカネさんだよ…皆慰めて…」
「セレーネですわ!わたくしも今日からハルカさんと一緒に行動していくのでお目に係る機会が増えるかと思いますが、宜しくお願い致しますの!」
「もっセルだよー!気付いたら上位勢の仲間入りしてて変な心境だよー。これからきちんと鍛えて行くから見守っててねー!」
うーん、流石は配信慣れしてらっしゃる。
もっセルさんはセレーネさんとアカネさんの配信に出てるから慣れてるんだろうなぁ。
「それじゃ同盟に参加してもらって…あ、サブリーダー三人まで設定出来る。ふむふむ…メンバー五名とサブリーダー一名か、サブリーダー二人か、リーダーの許可が有れば加入は可能っと。アカネさん達三人ともサブリーダーに任命しときまーす。」
「ちょっ!私はヒラでいいよー!スノウちゃん来た時の為に明けといたら?」
「ダメです。決定事項です。ティアーが上がれば枠が増えるので暫定ですよ!」
・ユイ¥50000 ちょっと!ユイちゃん様も同盟に入れなさいよ!
・それは春のような美しさと儚さで…¥50000
もちろん、このぼぉくも参加資格はあるのだろう?
・短足おじさん ¥50000 私も加入したいですね。
・怒涛のスパチャ!俺じゃなければ見逃しちゃうね!
・おいおい、トップ組が徒党を組み始めたんだが…他国勢負けんな!!WW
「ユイさん達も後でお誘いする予定でした。これから合流出来ます?」
あ、個人チャット飛んで来た。
三人とも屋敷の入口に居るみたい。
「友人が来ているのだろう。拙者が出迎えよう。」
・ヤエモンたそイケメソすぎる
・惚れた!掘られたい
・おい!コンプラ考えろWW
ヤエモンさんが名乗り出てくれて直ぐにユイさん達を出迎えてくれた。
えーと同盟に加入するためには条件二つのうちレベルはクリアしてて…
一番簡単?なのは領主と友誼を交わす、だから…
「ということでユイさん、ソレビさん、セガールさんが昨日に引き続き参加してくれまーす。ヤエモンさん、お使い頼んでも良いですか?ソウジロウさんと謁見したいんですけど。」
「良かろう。この者達も同盟に加えるのであろう?」
「はい。それと今後の動向について相談もあるので。」
「承知した。少し出る故ジンゴ、姫を任せた。」
「おうよ、任せとけい!」
「あ、それなら私も着いてくよー。すぐに個チャ飛ばせるし、師匠に色々聞きたいことがあるしねー。」
「すみません、お願いします。私は作戦を皆に共有しておきますね?」
えっと書くものはー。あったあった。
お皿に乗ったプリンみたいなタカマガツハラの地図を書き端っこにフジミヤ、西隣にサンガ、北にホウゼンと書き込む。
「それじゃ説明していきますね。まず私達が居るフジミヤから部隊を二つに分けてサンガとホウゼンを同時刻に攻めます。サンガ方面は私がリーダーを務めて、セレーネさんもっセルさん、フジミヤ家からハルナちゃんとヤエモンさん、ジンゴさんを連れてきます。サンガはハルナちゃんを誘拐しようとした国ですね。ひねり潰します。」
・ヒエッ
・ハルカちゃんキレてて草
・え?もう攻めるの?
・俺、サンガに居るんだけどそっち合流した方がいい?
・祭りじゃー!!
「ホウゼン方面はアカネさんをリーダーにしようとしたんだけどもう巻き込んじゃえって感じで大将はフジミヤ家のお殿様ソウジロウさんに丸投げします。アカネさんユイさんソレビさん、セガールさんはこっちをお願いしても良いですか?」
三人とも状況を理解しているのか頷いている。
個チャでユイさん、ソレビさん、セガールさんにブラフです。詳しい組分けを送ります。と送る。
「何それー!ヤバくないー?」
「全てこのぼぉくに任せておけばオールオーケーさ!」
「私も尽力しましょう。」
「あははー!有り難うございます。期待してますよ!」
三人は確認したのか、軽く頷いた。
本当は二方面ではなく三方面同時進行だ。
一応他国のスパイがリスナーに居ないとも限らないしね。
それから用意しておいたコピペを引用して主な作戦を送る。
仮案
サンガ(西)方面軍
総大将 ハルカ
副将 ハルナ・フジミヤ
プレイヤー ソレビ ユイ
ヤエモン隊ジンゴ隊派遣要請(足軽二十名)
ホウゼン(北)方面軍
大将ソウジロウ・フジミヤ
副将 アカネ
セガール 舞侍 ヤンスヤンス モハメド
馬廻隊30名 派遣要請
アイゼン(南)方面
大将カンザブロウ・フジミヤ(ハルナちゃんの叔父でソウジロウさんの弟)
副将 セレーネ
プレイヤー もっセル チキ メニーメニーマニー はやと しょみー
弓兵隊十名派遣要請
ホウゼン方面が人数が多いのは敵国の領土が広いから。結構な金銭的圧迫をされており港から出る船を海賊に襲われたりしているとの事。
南は単純に邪魔だ。
南西に大きな港が有るらしくてそこを抑えるために進出することを決めたらしい。
何でももっセルさんがその大きな港の有る国、クニツからスタートだったらしいんだけど、アイゼンの国の民は貧困に喘いでいて可哀想で見ていられなかったと話していた。
なら救うしかないとセレーネさんが言い出し、攻略を決めた。
カンザブロウさんは私はまだ会ってないんだけど、昨日セレーネさんが謁見するために屋敷に向かった時友誼を交わしたとの事で協力を取り付けたらしい。
アイゼンの状況を知っていたカンザブロウさんも協力を願い出てくれたとの事だ。
他にもリスナー兼ライブ・ライフスタッフであるメンバーを引き込み敵国の中に潜伏させているらしい。
ヤンスヤンスさんとかメニーメニーマニーさんがそれに当たる。
もちろんサンガやホウゼンにもこちらの味方は潜んでいるのでリスナーぽい人を見付けたらこちらに合流するか他国に逃げるか確認して貰うつもり。
味方は一人でも多い方が良いに決まってるし。
と、まぁある程度の方向性を組み立てて各地に散らばる、明確な味方にアカネさん達が協力を取り付けて、私の杜撰な計画は三方面同時侵攻というとっても素敵な作戦へと昇華したのだ。
アカネさんとセレーネさんには頭が上がらない。
というか企業戦力って強いわ、やっぱり。
数の力は偉大だね!
ペルソナ・ガールズのメンバーは二人くらいタカマガツハラじゃなくて別大陸で始めたらしいけど、他は社長命令が怖いだろうからね。
従って置かないと後が怖いよ。
従わなくても、それはそれで面白いってアカネさんな面白そうに笑うんだろうけどね。
「ーーということで明日の夕方に各方面へと移動して攻めて行きまーす。まぁあくまで予定なんだけどね?」
アカネ〔殿様直ぐ会ってくれるって。モハメド達も呼んでるから一端配信切っちゃって合流しよう(^^)/〕
ハルカ〔了解です。用意してから向かいますね!わくわくします!絶対成功させましょう!〕
アカネさんから連絡が来た。
適当に纏めて本邸に移動しよう。
道中でハルナちゃん達にはきちんと説明しておかないとね。




