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EP 7

「ま、まあ、優里さんは確かにそのままでも可愛いですけどね。でもご自分で決めたことですもんね? そりゃ最後までやり切った方がいいですよ」

「やっぱそうですよね」

「なんか体型のことを揶揄われたりとかあるんですか?」

「いえ! それはないです。体型のことを言われたりは全然なくて。だからってこともないんですけど……言われたことがなかったから、今まで痩せたいなんて思わなかったんですよね」

「じゃあなんで今回痩せようと?」

「誕生日に……」

「はいはい。先月25歳になりましたね」

「え? どうして私の誕生日……」

「あ。……えっと私も30歳で歳が近いなって思ってなんとなく……なんとなくですよ? 覚えていたんです」

「?????」

「ははは。それで? 誕生日にどうしたんです?」

「はあ。誕生日にですね。ホールのケーキを買ったんです」

「ロウソク差して、ふぅっっ! いいじゃないですか!」

俺がふうって口をしたら、白井さんは俺の口元をガン見してくる。恐い恐い!

「ひとりで」

ぞっ。

まさか。

「私、実家出てひとり暮らしなんですけど、ひとりなのにホールケーキ買っちゃうメンタルとひとりで全部たべちゃう食欲に、慄いてしまって」

ホールをひとりで! そりゃ戦慄を覚えるわ!

「で、ダイエットを……」

「なるほど……か、彼氏さん呼ぶとか……」

「ひとりで食べました」

沈黙の時間が5分ほどあったと思う。俺はダンベルをいっちにっいっちにっと上下運動。白井さんはフィットネスバイクをシャーシャー言わせてペダルを漕いでいる。

そんな沈黙に耐えかねて俺は。

「ジムに来ない日は、有酸素運動、例えばウォーキングとかやるといいですよ。やってみてくださいね」

そうアドバイスしてから、更衣室へとフェードアウトした。


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