超短編小説集
そして、その老人は子供たちに語り始める。
………………
これは、昔この映画館で起こった話だ。
この映画館のオーナーは、一児の親だった。
彼は、それはそれは自分の子供に優しい人でね…子供の願うことは99%なんでも叶えていた。
ある日、オーナーの奥さんが急に亡くなってしまってね…オーナーは、子供を慰めるために色々考えたんだ。
そして、子供と一緒に映画館で、子供が好きで、みたいと言っていたサッカー選手の試合を見ることにしたんだな。
その子はとても嬉しそうだった…ワシもその頃かなり若くて、ポップコーンの注文を受けてたんだ…きっと、ポップコーンを頼むだろうと思って、普通のフタ付きポップコーンを渡そうとしたんだが…
「この子はキャラメルが好きでね。私が用意するよ。」とオーナーが言ったから、私はそれを戻した。
きっと、お子さんは楽しい一時を過ごしたんだろうね…ただ、一つ気になったのは…
オーナーと子供が上映場所に入る直前、その子が「ねぇパパ、キャラメルはこんなに赤くないよ?」と言っていた事かなぁ…
【解説】
子供に優しいオーナーが、映画館で子供の夢を叶える、というお話でした。しかし、その夢の裏では、一つの命が犠牲になっていたのです。
その子の母は、父に殺害されていました。ポップコーンが赤い理由は、容易に想像がつくのではないでしょうか。
この子が、もしポップコーンを食べてしまったら…死体処理に協力していることになってしまうのかも…しれません。
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作者
初投稿です!
文章書くのが大の苦手なので、変な文章多くなると思いますが、温かい目で見て下さい!
良ければコメントお願いします
(同じ名前の作品があるのですが、誤投稿です)