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おばさんクエスト~あるあるだらけの冒険記~  作者: ぱんちゅう
第四章 再開するおばさん編
99/361

あるある098 「リゾート気分に浸りがち」

夜が明けると容赦なく太陽の日差しが照りつける。

太陽はまだ天頂に達していないが、それでもギラギラと肌を焼けつける。

地面の砂はすぐに熱を帯び手で触れられないほど熱くなる。

俺達は馬車を停めた小屋の中に逃げ込み太陽の日差しを回避した。


「地獄の朝がやって来たな」

「これからが本番だよ」


ゴウは屋根の藁の間から覗く太陽を見つめ、渋い顔をしながら覚悟を決める。

それを受けて俺も同感して首を縦に振り、溜めて置いた水筒の水をゴクリと飲み込んだ。

さすがに昨夜は一睡もしていないので俺もの顔にもゴウの顔にも疲れが浮かんでいる。

目の下には隈が出来ていて10歳ほど年をとったような、そんな感じだ。


「カイト。随分、疲れた顔をしているな」

「俺達は寝ずの番をしていたからな。いびきをかいてだらしなく眠っていたお前とは違う」

「ふん。言ってくれるじゃないか。私を繭玉のまま放置していたくせに」

「あれはお仕置きだ。普段の素行が悪いお前に反省してもらうためにしておいたことだ」


エレンはいつの間にか繭玉から抜け出して、ちょこんと俺の隣に座っている。

同じ体勢をしていたためか体が凝っているようで骨をポキポキと鳴らしていた。


「それで反省出来たのですか?」

「おっ、セリーヌも起きたのか」

「いつまでも眠ってはいられませんからね」


トイプーを抱きかかえながら俺とエレンを間に割り込むようにお尻をねじ込ませて来る。

そして定位置につくとほっと息をついて水の注いであったコップに手を伸ばした。

いつから俺の隣がセリーヌの定位置になったのかはわからないが、摺り寄せるように体を押しつけて来る。

そのたわわで柔らかな感触に思わず逝ってしまいそうになるが、ぐっとこらえて本題に入った。


「昨晩の俺とゴウの会議で移動は夜に行うことになった」

「それがいいですわ。あんな灼熱の中では歩くことすらままらないですもの」

「干からびるのがオチだし、私も賛成だ」


俺とゴウの決断に他のみんなは首を縦に振り賛同してくれる。


「ただ注意しなければならいのはモンスターの襲撃だ。とりわけ視界の遮られる夜では俺達の行動に制限がかかる。そんなところをモンスターに襲撃されたらひとたまりもない」

「それが一番怖いですね。僕達は戦えませんし足手まといになるかも」

「そうだな。サンドバイパー戦の時も何もできなかったしな」


ルミウス三世とマークニットはお互いの顔を見合わせて不安げな表情を浮かべる。

すると、ゴウが二人の不安をかき消すかのように二人の肩を叩いて啖呵を切った。


「お前達の分は俺がカバーしてやる。なんて言ったって俺達はソウル・ベルなんだからな」

「おい、お前。そんなに強がってもいいのか?サンドバイパー戦の時は傍観していただけじゃないか」

「あれは罠に引っかかっていたからだよ。自由に動ければサンドバイパーぐらい倒せたさ」

「ほえ~。そうかな」


エレンは半目を開いて疑るような目つきでゴウを見やる。

その視線にはあきらかにゴウのことを小馬鹿にしている気持ちが含まれていた。

ゴウはゴウでその視線を振り払うように胸を張って強がって見せる。

そんなゴウに不安を抱いていたのはこの二人以外にはいないだろう。

ルミウス三世もマークニットも肩を竦めて小さくなっていた。


「エレン、茶化すなよ。ゴウはこれでもコロセウムで剣闘士をやっていたんだぞ。戦闘経験は豊富だ」

「剣闘士ね。どうせ客引きのためのサクラだったんじゃないか?」


図星を突かれてギクリとするゴウの顔からどわっと油汗が吹き出す。

目を泳がせながら口笛を吹いて何も聞こえなかったことにしていた。

その様子を見かねて俺はゴウに助け舟を出す。


「お前だって大して変わりないじゃないか」

「私は実力で決勝戦まで行ったんだ。こいつと同じにするな」

「けれど、ガイアさまに負けたんですよね」

「そ、それはそうだが」


セリーヌの言葉にバツが悪くなったのかエレンは急に視線を逸らしてそっぽを向いた。

まあ、初めての出場で決勝戦まで残ったのはエレンの実力が高かったからに他ならない。

優勝こそ逃したが満足の行く結果になったことは間違いないのだから。

ただ、そのせいで多額の借金を背負うことになったことはいただけないが。


「今年の優勝は黒騎士ガイアだったのか」

「ガイアのことを知っているのか?」

「噂話程度ならな」


ゴウの話によれば黒騎士ガイアは反乱軍の仲間を集めているらしい。

コロセウムの優勝賞金を元手にして反乱軍の軍事力を強化させることが目的だ。

弱体化させられてしまった反乱軍は一から再建しないと反乱は起こせない。

もちろん目的はゴリンドス政権からローマネック王国を取り戻すことだ。

こう言うお国の情勢不安はどの国にも見られる。

大抵、独裁国家に多発しているので国民を締め付けるため軍事力強化に努めるのが現実だ。

反発するならば死を掲げて力でねじ伏せる。

恐怖政治を敷くことで国民の反意を削ぎ落しているのだ。


「そのうち戦争が起こるのか」

「まあ、遠いローマネック王国の話だ。俺達には関係ないよ」


平和な国に生まれてよかったと改めて思う。

もし、ガイアのようにローマネック王国に生まれていたらゴンドリス政権に虐げられていたはずだ。

ガイアが反乱軍を起したように俺も反乱軍に間違いなく参加していただろう。

国は国王のためにあるのではなく国民のためにあるべきものなのだから。


「ガイアさまは元気でいらっしゃるでしょうか」

「何だよ、セリーヌ。カイトから乗り換えか?」

「そんなのではありませんわ。ガイアさまは憧れの人。カイトさんは恋人ですわ」


いつから俺達は恋人になったんだ。

まだ、恋人らしいことはひとつもしていないだろう。

それよりなによりガイアと俺の両方をとるだなんてさすがはおばさんだ。

とかくおばさんってのは恋人といっしょにいても他の男に気を寄せるものだ。

さも恋人と憧れの人は別腹とでも言わんばかりに。


「ガイアもカイトもモテる男は違うな」

「そんなのじゃない。セリーヌは血迷っているだけだ」

「ハハハ。照れるな照れるな。男はモテるうちに好きなことしておいた方がいいもんだ。でないと後で後悔するぞ」


ゴウの言葉には実感が籠っているような気がする。

様子を見てもどっしりと構えていて嘘を言っているようには見えない。

ゴウも剣闘士をやっていた頃はモテたのだろう。

剣闘士と言えばコロセウムの花形だ。

だからファンが出来ていてもおかしくない。

エレンに『かた乳の剣士』と異名が着いたようにゴウにも何か異名があったのかもな。

それはここでは聞かないでおこう。


「それにしても暑いな」


すでに太陽は天頂に近づきつつあり灼熱の日差しを降り注いでいた。

馬達もすっかり疲弊してしまいぐったりしている。

とりわけ長い体毛で覆われているトイプーには地獄のような暑さだ。

セリーヌの腕の中でぐったりと横たわっていた。


「馬達に水をやろう」

「そうだな。馬が走らなければ意味がないからな」


俺とゴウはふらつく足を踏み出しながら馬達を湖まで連れて行く。

馬達は水を得た魚のような勢いで湖の水を飲みはじめた。

さすがにこの時間になって来ると軽い嗚咽を覚える。

睡眠不足なうえ灼熱の暑さにやられて体はヒイヒイだ。

すると、何を考えたのかエレンが素っ裸になった湖に飛び込んだ。


「ぷはー。やっぱり熱い時はこれに限るな」

「おい、エレン!湖を汚すんじゃねえ。この湖は俺達の飲み水にもなるんだぞ」

「何をケチケチしたことを言ってやがるんだ。私の出汁が出てうまいぞ」


何が出汁だよ。

おばさんの出汁だなんて考えただけでもゾッとする。

エレンから出る出汁なんて、どうせアルコールが混ざっているだけだしな。

そんな自由奔放なエレンを見やりながらゴウが呆れたように呟いた。


「エレンは自由な奴だな。俺もあんな風に生きてみたいよ」

「何を言っているんだ、ゴウ。あいつは人の迷惑を考えないだけだ。あんな奴みたいな生き方をしたいだなんて冗談でも言うな」


苦労するのは外野にいる俺達なのだから。

いつもエレンの後始末に追われる日々を過ごしているのだ。

エレンみたいなおばさんは箱にでも詰めて大人しくさせておくのが世界平和のためになる。

おばさんは百害あって一利なしの存在なのだから。


「カイトさんもどうですか?気持ちいいですよ」


いつの間にかセリーヌも裸になり湖の真ん中で浮かんでいる。

トイプーも湖の水を掻き分けながら水浴びを楽しんでいた。

おいおいおい。

エレンの悪行がセリーヌ達にも感染しているじゃないか。

この水は俺達の飲み水になるんだぞ。

せめて水浴びをするならば金ダルの中でしてくれ。


「僕達も入りませんか。気持ちよさそうですし」

「そうだな。寝汗で体がべとべとしているから水で洗い流そう」


エレン達を羨ましそうに眺めていたルミウス三世もマークニットも服を脱ぎ出す。

そして素っ裸のまま湖に飛び込んで、気持ちよさそうな顔を浮かべた。

これじゃあルミウス三世もマークニットもエレンの悪行に染まってしまったかのようじゃないか。

おばさんの感染力はまともな大人を狂わせるほど影響があるものなのか……恐るべし。


「カイト。俺達もひとっ風呂浴びよう」

「おい、ゴウまでそんなことを言うなよ。俺達はリーダーなんだぞ。お手本になる行動をしなくちゃ行けないんだ」

「堅いことを言うな。お先に行かせてもらうよ」


そう言ってゴウもその場で服を脱ぎ捨てて素っ裸になり豪快に湖にダイブする。

これで俺達カイト軍団とゴウ率いるソウル・ベルの規律が崩れるきっかけとなったことは他でもない。

まあ、俺達カイト軍団にはもともと規律なんてあってもないようなものなのだけれど。

楽しそうに水浴びをしているエレン達が見える。

俺を誘うかのように喜々としながら無邪気にはしゃいでいる。

誘惑に負けないと俺は固く心の中で誓っていたが結局――。


「ぷはー。気持ちいい」


散々悩んだあげく服を脱ぎ捨てて湖に飛び込む選択をしていた。

湖の水は冷たさはなく生ぬるい水って感覚の温度だ。

体感で言えば水温25~6度ぐらいだろうか。

汗を流す分にはこのくらいの水温でちょうどいい。

あまり冷たいと返って体を壊す原因になるだけだから。


しかし、人前で素っ裸になれるなんてセリーヌも成長したものだ。

以前であれば俺に見られただけでも恥ずかしそうにしていたのに。

これは明らかにエレンの悪影響を受けたせいだ。

その内にエレン化してしまい厚顔無恥になってしまうだろう。

そうなったらセリーヌとの関係を見直さなければ。


「カイトさん!こっちに来ていっしょに泳ぎましょう!」

「俺はいいよ。子供じゃあるまいし」

「そんな遠慮はしないでください。私達の仲なんですから!」


セリーヌは湖の真ん中で立ち泳ぎしながら手を大きく振って俺を誘う。

その顔によどみはなく、すっきりと晴れやかな顔をしていた。

すっかりリゾート気分に浸っているのだろう。

まあ、こんな開けたプライベートビーチなら誰でもそうなるかもしれない。

すると、脇で水浴びをしていたルミウス三世とマークニットが頬を赤らませて恥ずかしそうにしていた。


「エレンさんも大きいですけれど、セリーヌさん、ひと際大きいですよね」

「Iカップぐらいあるかも……」

「ちょっと触ってみたいですよね」

「そうだな。あのエロスたっぷりのおっぱいを見たら誰でもそう思うかも」


ルミウス三世もマークニットもやっぱり男だな。

おばさんとはいえ溢れ出すエロスにやられたら誰でも触ってみたいと思うだろう。

張りのあるたわわなエレンのおっぱいと水風船のようなたわわなセリーヌのおっぱいと。

どちらが好みかと言われたらどちらもだ。

おっぱいはどんなおっぱいでもおっぱいなのだから。


「お前達、くだらないことを言っているな。ソウル・ベルの名が折れるだろう」

「リーダーは触りたくないんですか?」

「そ、それはもちろん触りたい」


ルミウス三世のツッコんだ質問に速攻で答えるゴウの顔はいやらしくにやけている。

とろけるような目でエレン達のおっぱいを見つめながら口元をこれでもかと言うぐらいに緩ませていた。

そんなゴウに冷ややかな視線を向けているとゴウが俺に気づいて慌てふためく。


「も、もう水浴びは終わりだ!飯にするぞ!」

「もう、終わりですか。まだ、満喫していませんよ」

「俺達は水浴びをしていますから、リーダーは先に上がっていてください」

「文句を言うな。これは決定事項だ!」


そう言ってゴウは両脇にルミウス三世とマークニットを抱えながら強引に引きずって上がって行く。

ルミウス三世もマークニットも抵抗していたがゴウに押し切られた格好で水浴びを終えた。

そしてゴウ達は身支度を整えると昼食の準備にとりかかかる。

熱い砂を山にして米を入れた竹筒と肉と野菜を包んだ紙を砂の山に埋める。

後は蒸し焼きになるのを待つだけの簡単な調理方法だ。


「あーあ。僕もカイト軍団に入っていればよかったな。そうすれば今頃ワチャワチャしていたのに」

「そうだな。ソウル・ベルには色気がなさ過ぎだよな。新しい女性メンバーを入れるべきだ」

「何を生意気なことを言ってやがる。そう言うのは一人前になったら言うものだ」


ルミウス三世とマークニットの愚痴は最もだと実感していたゴウだったが、そこはリーダー風を吹かせて否定する。

新しいメンバーを加えるにもソウル・ベルの戦力をあげとかなければならないからだ。

戦えないルミウス三世とマークニットを連れていても仲間になりたいと思う者はいない。

まずは戦えないルミウス三世とマークニットの特殊能力を使ってソウル・ベルの独自の戦術を身に着ける必要があるのだ。

モンスター討伐に役立つ特殊能力でないから派手さはないけれど、ダンジョン攻略には十分に役立つ。

だから、ソウル・ベルは戦いよりもダンジョン攻略の戦術を磨くことが一番だろう。


「ふー。さっぱりしだぜ」

「汗が落とせたのですっきりしましたわ」

「おい、飯は出来ているか?」


俺達は水浴びを終えてから身支度を整えてゴウ達の所へやって来る。

エレンとセリーヌは濡れた長い髪の水気をタオルで採りながらルミウス三世とマークニットの横に座る。

すると、ルミウス三世とマークニットは頬を赤らませて緊張しはじめた。


「ご、ごはんなら出来たところです」

「た、たくさんあるから食べてください」


水浴びをして妙に艶っぽくなったエレンとセリーヌのエロスにやられてしまったのだろう。

ルミウス三世は緊張しながら震える手で砂の山から竹筒をほり出す。

横で見ていたマークニットも顔を硬直させながらエレン達を見つめる。

そして静かに視線を下に下ろしてたわわなおっぱいに釘付けになった。


「お前ら顔が赤いな。熱でもあるのか?」

「そ、そんなことはありません。あ、暑さでやられただけです」

「あ、あまりに熱いから」


下手な言い訳をするルミウス三世とマークニットだったが俺には理由がすぐにわかった。

おばさんとはいえエレンとセリーヌから溢れ出るエロスは半端ではない。

たわわなおっぱいにくびれたウエスト、それにちょうどいい大きさのヒップ。

どこから見ても見劣りしないほどのエロスだ。

それに輪をかけるように今は濡れているので余計に艶っぽくなっている。

ひとり真面目な顔をしていたゴウもビヨーンと鼻の下を伸ばしていた。


「うまく炊けているじゃないか。米が粒だっているぞ」

「お野菜もお肉も火が入っていていい感じになっていますわ」

「俺にかかればこんなものさ」


ゴウは得意気な顔を浮かべながら胸を張って自慢する。

それを横目で見やりながらルミウス三世とマークニットが愚痴をこぼした。


「料理を作ったのは僕達なのに」

「リーダーは自分の手柄にしようとするところがあるから」

「な、何を言っているかな君達。料理を作ったのは俺だろう」


強引に押し切るようにルミウス三世とマークニットの愚痴を封じこめる、ゴウ。

その慌てようからしてもゴウが嘘を言っていることはバレバレだった。


食事を速やかに終えて俺達は午後の準備にとりかかる。

準備と言っても体を休めることが一番の目的だ。

さすがに昼過ぎになるとサラハル砂漠の灼熱は猛威を振るう。

水分が蒸発してしまうほど砂は熱を帯びて手で触れることさえままならない。

日差しに出ようものならば容赦なく太陽光を浴びて干上がってしまうだろう。

だから、俺達は小屋の影に身を潜めながら日差しを回避した。


「暑い。実に暑い」

「これでは休憩をとるところではありませんね」

「それでも今眠っておかないと後で困るぞ」

「カイトの言う通りだ。まずは眠ることを最優先させよう」


とは言ってもこの暑さの中で眠れる奴はそうそういないだろう。

寝苦しい域を越えて気怠さが進行している。

風邪を引いた時の気怠さが襲って来て体を起こすのも一苦労だ。

みんなぐったりと横になりながら伸びてしまっている。

トイプーに至っては死んだように倒れ込んでいた。


「せめて冷たい風でも吹いてくれたらいいのですけれどね」

「それは夢のまた夢だな。こんなところで風が吹いたら熱波になるよ」

「ああー。もう一回、水浴びをして来る」


エレンはその場で服を脱ぎ捨てて裸になると湖に向かって駆けて行く。

しかし、灼熱の太陽の日差しに阻まれてすぐに戻って来た。


「ダメだ。暑くて水浴びどころじゃない」


サラハル砂漠の気温は今が最高潮だ。

体感で50度を越えるほど気温が高くなっている。

砂に至っては火傷するほどの熱さだ。

卵を落としたらすぐに目玉焼きが出来るだろう。


「しばらく大人しくしていろ」

「それが一番だな」


こう言う状況の時は何もしないのが一番だ。

人間には自然に対抗できるほどの力はない。

もし、仮にあったとしても自然を壊してはならない。

自然と言う暗黙のルールが世界を形成しているのだから。


「やっぱり大きいんですね……」

「触ってみたい……」


ルミウス三世とマークニットは頬を真っ赤にさせながらエレンを見つめる。

その視線はエレンの体を舐め回すように注がれて、とりわけおっぱいに釘付けにされた。

また、おばさんのしょうもないエロスで迷い人が出てしまったようだ。

俺は声を荒げて強めにエレンをしかりつける。


「おい、エレン。服ぐらい着ろ!ルミウス三世とマークニットが困っているだろう」

「減るもんじゃないしいくらでも裸を見せてやるよ」


エレンは悪態をつきながら片膝の上に手を置いて大股を広げる。


「そう言う問題じゃない。お前には羞恥心がなさ過ぎなんだ」

「羞恥心?そんなのとっくの昔に捨てたよ。私ぐらいになるとそんなものは必要でないからな」

「それがどれだけの男を惑わせているのかを自覚しろ!お前はおばさんとはいえあくまで女なのだから」


口を酸っぱくしてもエレンには届かないだろう。

今もいけしゃあしゃあとしながら小指で耳をほじっている。

その内、鼻くそもほじり出すかもしれない。


「カイト、そんなにも目くじらを立てるな。エレンの好きにさせた方がいいぞ。景色はだいぶ良いからな。ムフフ」

「ゴウ。溜まっているならどこかの街で抜いて来てもらえよ。エレンを見ておっ起てていてもしょうがないだろう」

「目の保養だよ」


そう言ってゴウもルミウス三世とマークニットに混じりながらエレンの体を舐め回すように見やる。

こうなるとソウル・ベルも地に落ちたものだな。

男ばかりのパーティーの弊害なのだろう。

やっぱりチームは女性がいてこそのチームだな。

できれば若い女性の方がいいのだけれど。

そんなことを考えているとセリーヌの鋭い視線が背中に刺さった。


「カイトさん、今、よからぬことを考えていましたよね?」

「そ、そんなことある訳ないだろう。ただソウル・ベルにも仲間が増えたらなって思っていただけだ」

「怪しい……カイトさんが慌てる時って大抵いやらしいことを考えていた時ですからね。また、若い女性のことを考えていたんじゃないですか?」


鋭い。

女の勘ってやつか。

セリーヌにかかったらこちらの頭の中は筒抜けにされてしまうようだ。

まあ、でも俺は一番若いんだし若い女性のことを考えても普通だ。

思春期の男性ならば自然と若い女性のことが気になるもの。

年相応の恋愛をしたいし、お付き合いをしてみたいと思う。

俺が『おばさんを惹きつける』特殊能力に目覚めてさえいなければ今頃、若い女性とパーティーを組んでワチャワチャしていたはずなのだ。

だから、少しくらい頭の中で若い女性のことを考えていても許されると言うもの。


「それよりもう休もう。何だか頭がぼ~っとして来たよ」

「俺もそんな感じだ。体に力が入らないと言うか、気力が湧いて来ない」


睡眠不足の俺とゴウには不眠のピークがやって来たようだ。

これを越えると急に頭が冴えて一種の興奮状態に陥る。

気分がハイになって気力が体の底から湧き上がって来るのだ。

ただ、それはハイになっているからで体にはよくない。

これからサラハル砂漠を越えるためにも体調管理は必要不可欠だ。


「カイトさん。無理せずに横になってください。眠るまで私がみてますから」

「そうさせてもらうよ」


俺はおもむろに体を横にして頭をセリーヌの膝に預けた。

枕があるだけで寝心地は変わって来る。

その上、セリーヌの柔らかな太ももの感触がいっしょなのだ。

安眠できない訳がない。

俺は安心してすぐに眠りについたのだった。


「カイトさん。眠りにつきましたわ」

「なら、私達も休ませてもらおう。セリーヌも休むんだぞ」

「わかりましたわ」


セリーヌは優しく俺の肩をポンポンと叩きながら眠りに誘う。

それは母に優しく抱かれているような安心感に包まれて。

これならばいい夢が見られそうな気分だ。


エレン達も俺に続くように眠りに落ちて行った。

さすがに裸ではなかったが。


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