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おばさんクエスト~あるあるだらけの冒険記~  作者: ぱんちゅう
第二章 激闘するおばさん編
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あるある057 「ライバルにピンチを救われがち」

ジーザスに誤算があった。

最初の『デス・マリオネット』で確実にエレンを仕留めるはずだったのだ。

しかし、実際は違っていた。

『デス・マリオネット』に耐えられた上に完コピされてしまった。

エレンの実力を過小評価していたから計算を誤ってしまったのだろう。

それはジーザスの命取りになる出来事のひとつになるのだった。


「オラオラオラ!」

「くぅ……私が押されているだと」


エレンのパワーが圧倒して完コピした『デス・マリオネット』に拍車がかかる。

パワーで見れば圧倒的に大剣を操るエレンに分がある。

ジーザスはどちらかと言うとスピードタイプの戦士だ。

パワーとスピードがぶつかった時に優勢になるのはまさしくパワーなのだ。

ジーザスに焦りの表情が生まれはじめる。

真似事の『デス・マリオネット』に本物の『デス・マリオネット』が負けるはずないのだ。

完コピは所詮、コピーに過ぎない。

本質は本物の方が上回っているはず。

ジーザスはそう信じていた。

だからこそ見誤ったのだ。


「どうした。お前の『デス・マリオネット』はそんなものか?」


エレンの『デス・マリオネット』が優位に立ちはじめるとジーザスはジリジリと押されて行く。

もはや戦いの流れはエレンに向かいつつある。

このままジーザスが抵抗をし続けていも、いずれ打ち破られるだろう。

それだけは受け入れられない。

首狩りのジーザスの異名を持つ自分自身が他者に狩られるなんてあってはならないことだ。


「私は認めん。認めんぞ!偽物ごときに本物がやられるなんて」

「認めなくてもお前の負けだ」


ジーザスには二つの選択肢が残されていた。

ひとつはこのまま『デス・マリオネット』で戦う方法。

だが、それを続けても敗退を帰することはわかっている。

すでに『デス・マリオネット』はエレンに攻略されてしまったのだ。

もうひとつは特殊能力『イビルアイ』を使う方法。

これはジーザスの奥の手でもある。

だから、ここぞと言う時まで伏せておこうと考えていた。

しかし、今がその時であることに間違いがないのだ。

もはやジーザスの選択肢は決まっていると言うもの。


「貴様程度でこの能力を使うとは思っていなかったが見せてやろう。私の神髄を」

「何でも来やがれ」


ジーザスは左目を覆い隠していた眼帯を外す。


「これで終わりだ『イビルアイ!』」


灰色の瞳が一瞬で深紅の瞳に代わり怪しげな光を放つ。

その光はエレンの瞳孔を貫いて一瞬にして動きを停止させる。

まるで時が止まったようにエレンは硬直したまま微動だにしない。


「う、動かない……」

「キョヒョヒョヒョ。動こうとしても無駄だ。私の『イビルアイ』は相手の動きを停止させる力があるのだからな。どんな強者だろうが私の『イビルアイ』の前では赤子同然。さて、貴様の処刑をはじめるとしよう」


ジーザスは気味の悪い笑みを浮かべると大鎌の刃をなめずる。

予定は狂ってしまったが第三段階へ移行する。

最終仕上げは相手の心に恐怖を植えつけること。

二度とジーザスに歯向かえないように二度と立ち上がれないように心を壊すのだ。

恐怖で蝕まれた心程脆いものはない。

砂で出来た城のように風が吹けば塵となるのだ。


「まずは貴様の右腕から削ぎ落してやろう。二度と大剣が持てぬようにしてやる」


ジーザスは大鎌を振り上げると迷うことなくエレンの右腕を切りつけた。


「ぐはっ……」


エレンは声にもならないうめき声をあげる。

しかし、口もろくに動かずに言葉にならない。

ジーザスの大鎌はエレンの右腕に食い込み血飛沫で真っ赤に染まっていた。


「キョヒョヒョヒョ。いい呻き声だ。もっと私を興奮させてくれ」

「ぐぅ……」


ジーザスはこの上ない興奮を噛み締める。

エレンの苦痛に耐える表情に喜びを感じて心が満たされたからだ。

ジーザスにとって処刑は自分の欲求を満たすものであり、相手に絶望を植え付ける手段なのだ。

人間が徐々に壊れて行く様は見ているだけで興奮する。

人間の心を壊して行く作業はジーザスにとって楽しみでしかないのだ。





ステージ上で行われるエレンの処刑をただ見守りながら観客達は苦悶の表情を浮かべていた。

中には手で耳を塞いで目を閉じて現実を拒む者まで現れる始末。

一方でジーザスファン達は色めき立ち処刑を楽しそうに見守る。

まるで自分がジーザスになっているかのように思っているのだろう。


「あいつら嫌な感じだな」

「仕方ありませんわ。これは試合なんですから。誰を応援するのも自由です」

「それにしたってよ。動けないエレンを処刑するだなんて酷すぎるじゃないか。このままじゃエレン、殺されちゃうよ」


キルは縋りつくようにセリーヌに訴えかける。

その目には涙が滲んでいてやり場のない怒りで手が震えていた。

こんなに小さな少年でも怒りを抱くなんてジーザスのやったことは大きい。

俺はキルの肩に手を置いて軽く握った。


「キル、しっかり見ておけよ。これがコロセウムで戦うって言うことだ」

「何をカッコつけているんだよ。カイトは心配じゃないのか?エレンが殺されるかもしれないんだぞ」

「エレンなら大丈夫だ。そう簡単にやられる玉じゃない」


根拠はないが今はそう信じたい。

いつものエレンならば豪快に笑い飛ばしてピンチを打開しているはず。

今も動けないけれど必死に抵抗しながら痛みに耐えている。

その姿勢だけでもまだ勝機が残されているとさえ思えてしまう。

それほどまでにエレンにかける期待は大きいのだ。


「おい、エレン!いつまで遊んでいるんだ。さっさと決着をつけろ!」

「何を言っているんだよ、カイト。エレンは動けないんだぞ」

「そんなのわかっている。だけどな、このピンチを乗り越えるには応援が一番いいんだ」


それしか今の俺達に出来ることはない。

何よりも今のエレンに励みになるのは俺達の応援だろう。

この場にいるみんなが諦めたとしても応援してくれる者がひとりでもいれば、それは励みになる。

誰かが応援してくれているだけで勇気は自然と溢れて来るのだ。


「カイトさんの言う通りです。キルさん、エレンさんの応援をしましょう。エレンさんは必ず勝ちます」

「……そんなものなのか」


キルは納得していない様子だったがエレンの応援をすることにした。

今、俺達が出来ることを最大限する。

それがエレンに勝機をつかむことに繋がることなのだから。





そんな俺達の期待を削ぐかのようにジーザスの処刑は続く。

大鎌でエレンの体を切り刻みながら処刑を執行させている。

すでにエレンの足元には鮮血の海が広がっていた。

エレンは鋭い眼差しでジーザスを睨みつける。


「キョヒョヒョヒョ。しぶとい奴め。まだ、そんな元気が残っていたか」


大抵の戦士ならばこの段階で恐怖を抱き心が壊れている。

しかし、エレンは違っている。

今だ闘気を燃やしながら必死に抵抗していた。

それは返ってジーザスを興奮させる要因でもあった。

簡単に心が折れる者を処刑するよりもそうでない者の方が壊しがいがあるからだ。


「貴様はただの処刑では物足りないようだな。ならば特別メニューを用意してやろう」


ジーザスは少し間合いをとると大鎌を掲げる。

そしてステップを踏みながら大鎌を振り回し舞い踊る。


「キョヒョヒョヒョ。貴様には『デス・マリオネット』の餌食になってもらう。直撃を受ければ立っていることもままならないだろう。だが、『イビルアイ』の効果があるから倒れることも出来ないがな」


容赦もないジーザスの選択に固唾を飲んで見守る観客達。

何とも言えない緊張感が辺りに漂いはじめ会場が静まりかえる。

舞台は整った。

ジーザスはそう確信をする。

恐怖を植え付けるのはエレンだけではなく、ここにいる全ての者を対象にするのが一番だ。

より多くの者達の心を折ることで絶対的な王者が確率される。

それによって首狩りのジーザスは最強となるのだ。


「さて、死へのカウントダウンだ。3」


これで確実にエレンを打ち倒せる。

同時に多くの者達へ恐怖を植えるけられる。

第三段階の仕上げに相応しい仕上がりだ。


「2」


ジーザスの中に喜びが込み上げて来る。

それは興奮と混ざって気分をハイにさせる。

これまでに感じたことのない感情だ。


「1」


さて、これでジーザスの勝利は確定したようなもの。

残るガイアがいるが『イビルアイ』の前では虫けら同然。

エレンと同じように処刑してやるのだ。


「死ねぇ!『デス・マリオネット!』」


ジーザスは無防備なエレンに向かって『デス・マリオネット』を放つ。

野原を舞う蝶のように軽やかに踊りながら大鎌の乱舞をお見舞いする。

抵抗するすべもないエレンはただそれを見つめ続ける。

そして――。


確かな手ごたえがジーザスに伝わった。

しかし、目の前に立っていたのは剣を振りかざしたガイアだった。

ジーザスの大鎌を弾き飛ばして『デス・マリオネット』を消失させる。


「貴様。どう言うつもりだ!」

「ふん。お前の行動が目に余るものだったからな。これは試合だ。殺し合いじゃない」

「フッ。そうだったな。ならば、貴様から先に処刑してやろう」


ジーザスの『イビルアイ』の効果が切れてエレンがその場に倒れ込む。

しかし、立ち上がれずに蹲っていた。


「くぅ……余計なことをしやがって」


エレンはなけなしの言葉をガイアに浴びせる。

それはエレンの必死な抵抗だった。





会場にどよめきが起こるとそれが歓声へと変わる。

ガイアが思わぬ行動に出たことで一気に観客の心を掴んだのだ。

それはセリーヌも同じだったようで歓喜の声をあげながら喜んでいた。


「ナイスです、ガイアさま!さすがは騎士の中の騎士。ますます惚れましたわ!」

「ふー。これで何とか一命はとりとめたな。後はガイアに任せておこう」

「そんなのでいいのか?試合なんだろう」

「用は勝てばいいんだよ。ガイアは今まで傍観していたんだから、ここで働いてもらわないといけないんだ」


ガイアがジーザスと相打ちになってくれればエレンの勝ちだ。

エレンは既に戦闘不能なまでに追いやられている。

体力を回復させるにもガイアに踏ん張ってもらわないといけない。

ジーザスの『イビルアイ』さえ封じこめることが出来ればガイアに分があると言うもの。

ぜひともガイアに健闘してもらわなければ。


「おい、ガイア!後は任せたぞ!エレンの敵をとってくれ!」

「ガイアさま!私達がついていますから、あんな奴やっちゃってください!」


同様に観客席からもガイアファン達が声援を送る。

その声が癪に障ったのかジーザスが睨みを利かせて来た。

一様に黙り込むセリーヌとガイアファン達。

雨上がりを思わせるように会場は静まり返った。





「キョヒョヒョヒョ。予定は狂ったが問題ない。まずは貴様から始末してやる」


ジーザスは後ろに飛びのいて間合をとって思考を巡らせる。

まだガイアは実力を見せてない。

どんな必殺技を使うのか、どんな特殊能力なのか。

だから闇雲に突っ込むのは危険と判断する。

それに加えエレンとの戦いで体力が消耗してしまっている。

ただ傍観を続けて来たガイアとの差は一目瞭然だ。

ならば『イビルアイ』発動させて動きを封じこめるのが最良と考える。

『イビルアイ』の前ではどんな強者も赤子同然なのだから。


「行くぞ!」

「来い!」


ジーザスは大きく踏み出すと閃光の如く一気に間合いを詰める。

そして真っ赤な左目を怪しげに光らせてガイアに襲いかかった。


「『イビルアイ!』」


『イビルアイ』の効果が発動されるのには条件がある。

それは相手がジーザスの左目を見つめること。

赤い光が相手の瞳孔を貫くことで動きを封じこめる力が発揮できるのだ。

だから、左目を見つめなかった者には通じない。

それを先ほどの戦いで見極めたガイアは目を閉じていた。


「『イビルアイ』の弱点を見抜いたか。しかし、目を閉じたままでは戦えないだろう」


ジーザスはここぞとばかりに大鎌を大振りしてガイアに切りかかる。

しかし、ガイアはすぐさま反応して後ろの飛びのいた。


「キョヒョヒョヒョ。さすがは黒騎士。反応だけは一人前だな。だが、そんな格好じゃ私には勝てん」


ジーザスはステップを踏みながら『デス・マリオネット』の体制に入る。

ガイアはジーザスの『イビルアイ』を警戒して目は閉じたまま。

それでも剣を構えて気配を感じとることに専念していた。


ジーザスには勝機があった。

ガイアが気配を感じとると言ってもジーザスのスピードには対応できないと考えていたからだ。

『デス・マリオネット』はパワーこそ上げられないがスピードには対応している。

スピードを上げれば上げるほど殺傷能力は向上し破壊力を増して行くのだ。


「貴様には特別に『デス・マリオネット』の最上級をお見舞いしてやる」

「面白い」


ジーザスはステップのスピードを徐々に上げて行く。

そして高速で大鎌を振り回しながら最上級の『デス・マリオネット』を創り上げて行く。

ガイアは精神を研ぎ澄ませてジーザスの気配を捉えることに集中する。


「ここが貴様の墓場だ。『デス・マリオネット!』」


ジーザスは一歩踏み出すと同時に高速でステップを踏みながら間合いを詰める。

ガイアの集中力を削ぐかのように乱れたリズムを刻みながら。

そして攻撃の圏内まで近づくと大鎌の乱舞をお見舞いした。


「くぅ……やる」


ガイアはすぐさまに反応して乱撃を剣で弾き飛ばすが数発が体を掠める。

その攻撃がガイアの鎧を打ち砕いた。

ガイアの鎧はボロボロに崩れ去り跡形もなくなる。


「キョヒョヒョヒョ。さすがは黒騎士。だが、それでは攻撃も防げまい。次で仕留める」


ジーザスは再び間合いをとって『デス・マリオネット』の体制に入る。

鎧を破壊したことでガイアの防御力は一気に落ちた。

生身の体に『デス・マリオネット』をぶち込めば、さすがのガイアも立っていられないだろう。

戦いの流れはジーザスに向いて来たようだ。

相変らずガイアは『イビルアイ』を警戒していて目は閉じたままだ。

これならば確実に仕留められる。

ジーザスはそう確信していた。

だからこそ、この一撃に全てを注ぎ込む。

ジーザスは高速でステップを踏み最上級の『デス・マリオネット』を創り上げる。

すると、ガイアは剣を鞘にしまい抜刀の構えをとった。


「命乞いでもするつもりか?だか、貴様の処刑は決まっているんだよ。食らえ『デス・マリオネット!』」


ジーザスは乱れたステップを踏みながら一気に間合いを詰める。

そして高速で大鎌を振り回しながら乱舞をガイアにお見舞いした。

瞬間、ガイアが抜刀をして炎の剣舞を放つ。

ガイアの剣から放たれた炎は円弧となってジーザスに襲いかかる。

回避行動に出るジーザスだったが、間に合わずに直撃を受けた。


「グハッ……なんて奴だ」


ジーザスは後ろの大きく吹き飛ばされてステージに投げ出される。

その胸には炎で焼かれた傷跡が黒く残っていた。

計算外のことが起こった。

この一撃で確実にガイアを仕留めるはずだったのだが反撃を食らってしまった。

それもガイアが発動させた『魔法剣』によって。

『魔法剣』とはその名の通り武器に魔法を帯びさせることが出来る特殊能力だ。

もともと魔法が使えない戦士の力を補うことができる能力のひとつ。

その上、全ての属性をマスターすることができる特徴もある。

なので『魔法剣』は戦士にとってこの上のない特殊能力なのだ。

だが、今は良しとするべきか。

ガイアの奥の手がわかったことで作戦の立てようがあるのだから。

ジーザスはおもむろに立ち上がると再び攻撃の構えをとる。


「『魔法剣』なんて味な真似をしてくれる。だが、これで終わった訳でないぞ。貴様の特殊能力がわかった以上、こちらにも作戦の立てようがあるのだからな」


『魔法剣』は完璧な特殊能力に見えるがそうではない。

発動できる魔法はひとつに限られるのだ。

例えば炎の魔法を発動させれば他の属性の魔法は発動出来なくなる。

それはある意味、縛られているとも言える。

その属性の魔法を攻略出来れば恐るるに足りないのだ。

ガイアは抜刀をすることで瞬間的に『魔法剣』の破壊力を増加させた。

そこから導き出されることは通常の『魔法剣』は破壊力に欠けると言うことだ。

剣に魔法を帯びさせることが出来るのは剣技に属性を持たせることが最大のメリット。

だから攻撃力の面では普通の剣技と変わらないのだ。


ガイアは『イビルアイ』を警戒して目を閉じたままで戦う。

その場合、頼りになるのは気配の察知のみ。

だからギリギリまで精神を集中させるため抜刀の構えをとるのだ。

それがわかるならば答えは決まっている。

相手の間合いに入らないように戦えばいいのだから。

若干だがリーチは大鎌の方が勝っている。

ならば相手の間合いの圏外から攻撃も可能だと言うこと。

それに加えてヒットアンドアウェイを使えばさらに効果が増す。

ジーザスは瞬間的に戦術を立てると次の一手に踏み込んだ。


「キョヒョヒョヒョ。これでお別れだ。貴様はよくやったが私の敵ではなかった。最強の名は私がもらいうける」

「ふん。やってみろ」


ジーザスは再び高速でステップを踏みながら大鎌を振り回す。

今度こそ確実に仕留めるため精神を集中させて行く。

同じようにガイアは抜刀の構えをとりながら意識を集中させて行った。

どちらが攻撃を仕掛けてもこれで全てが決する。

会場にいる誰もがそう思っていた。

そしてそれは現実のものとなる。


「さあ、地獄への招待状だ。受け取れ『デス・マリオネット!』」


ジーザスは戦術通りガイアの間合いの圏外から攻撃を仕掛ける。

すぐさまガイアが反応して体をよじりながら攻撃をかわして行く。

そして再び間合いをとってから別の角度から攻撃を仕掛けた。

その素早い反応にガイアの対応が遅れはじめる。

その隙を突いてジーザスの『デス・マリオネット』が襲いかかった。


「くぅ……」


数発がガイアの体を掠めて行く。

その度に真っ赤な鮮血が舞い散った。

戦術通りにことが運んでいる。

このままジワリジワリと攻め続ければガイアを討ち取ることが出来る。

そうジーザスが確信した時だった。

ガイアの『魔法剣』が発動されたのだ。

それは空を切っただけかと思われたが、見るとジーザスの足元を氷結させたのだ。

ガイアが発動させたのは氷の『魔法剣』。

炎と違って対象を氷結させる効果がある。

その罠にジーザスはまんまとハマってしまったのだ。


「こんなところで」

「終わりだ!」


ガイアは躊躇うことなく動けなくなったジーザスに向かって剣を振り下ろす。

その一撃はジーザスの右肩から袈裟切りに入り、鮮やか傷跡を創り上げた。

ジーザスの傷口からは真っ赤な鮮血が溢れ出す。


「グハッ」


想定外だ。

こんなところで負ける訳には行かない。

処刑者が処刑されることがあってはならないのだ。

ジーザスは力を振り絞って氷を破壊しようとする。

しかし、その前にガイアの氷の『魔法剣』が発動して全身が氷結してしまった。

くしくもジーザスの野望はここで尽きてしまうのだった。


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