あるある051 「赤ん坊に母性をくすぐられがち」
「おっぱいをくれだと?随分マセたガキだな。そう言う台詞は大人になってからにしろ」
「俺じゃない。弟にだよ」
そう言ってキルは背負っていた弟をエレンに見せる。
まだ歯の生えていない乳飲み子で今にも泣きだしそうだった。
「ベロベロば~」
エレンは変な顔をしながら子供をあやす。
「おい!そんなに怖い顔をするんじゃねーよ。ニムが怖がるだろう」
「馬鹿を言うな。赤ん坊にはこれがいいんだよ」
すると、エレンの変な顔が刺さったのかニムは笑い出した。
「ほれ、みろ」
「それでおっぱいはもらえるのか?」
「こう見えても私も子供がいるからな。おっぱいぐらいあげられるよ」
「なら、早くくれよ」
「だけど、これじゃあな」
エレンはキルに鎖を外すようにアピールする。
「わかったよ。鎖は外してやる。その代りニムにおっぱいをくれよ」
キルは持っていた鍵でエレンの鎖を外す。
何日ぶりかに自由になれたエレンは肩を回しながら安堵のため息をこぼした。
「毎日、同じ格好をさせられていたから肩がこっちまったよ」
「おっぱいは?」
「そう、急かすな。今、やるよ」
そう言ってニムを抱きかかえるとブラを外しておっぱいを出す。
そしてニムの口を乳首に押しあてた。
すると、ニムはエレンの乳首に吸い付き激しく母乳を啜る。
「ほれほれ。慌てなくても大丈夫だからな。ゆっくり飲め」
エレンはおっぱいを啜るニムの背中を優しく叩きながらあやす。
こうして赤ん坊をあやすのはニケ以来、はじめてのこと。
ニケを生んだ時も、こうやっておっぱいを飲ませてあやしていたものだ。
ニケは男の子だからなのか吸いつきがよくておっぱいがなくなるんじゃないかと心配したぐらいだ。
ニムの姿が幼い時のニケと重なってジンと込み上げて来るものがある。
エレンが家を出たのはニケが嫌になったからではない。
冒険者として生きて来たから家庭と言うものが肌に合わなかったのだ。
エレンはもちろんニケを連れて行くつもりだったけれど、赤子と一緒に冒険なんて無理だと亭主のラルツに反対された。
そして結局、エレンは冒険をとったのだ。
エレンの中でニケと別れたことは負い目となっている。
自分の我が儘で離れ離れになってしまったのだから仕方ないことでもある。
だけど、エレンはニケを忘れたことなど片時もない。
いつも心の奥底でニケの身を案じているのだ。
こうしてニムにおっぱいをあげられることも何かの縁なのかもしれない。
ならば、心行くまでおっぱいをあげるのが一番だ。
すると、羨ましそうに授乳を見つめるキルがいた。
「なんだ。キルも欲しいのか?こっちがあまっているからやるぞ」
「なっ、何言っているんだよ!俺はおっぱいを飲むほどガキじゃない!」
キルは顔を真っ赤にさせてムキになりながらそっぽを向く。
それにしても、こんな赤子まで奴隷にするなんてアブダル達は許せないな。
子供はよい働き手となるから奴隷商人達の間で売買されている。
年頃の女は娼婦として働きに出かけさせられる。
そして男は戦場に狩り出されるのだ。
奴隷になった以上、奴隷として生きる道しか残されていない。
それがこの世界の現実なのだ。
「お腹いっぱいになったか」
エレンはニムの背中をポンポンと叩きながらゲップをさせる。
「後はここから出るだけだな。で、何か策はあるのか?」
「今はアブダル達がいないから出るのは簡単だ。だけど外に見張りが2人いる」
「で、私の大剣はどこにある?」
「隣の倉庫に置いてある」
「よし、それだけ聞けば十分だ」
エレンは迷いもなく立ち上がると牢屋を出ようとする。
「おい!作戦を立てなくて大丈夫なのかよ?」
「そんなもの、私に必要でない」
「そんなのダメだ。すぐに捕まるぞ。俺が見張りの注意を惹きつけるから、その間にやっちゃってくれ」
キルはエレンを引き留めてからニムを背負って牢屋を出て行く。
そして誰もいないことを確認するとエレンに牢屋から出るように促す。
「俺は外の様子を見てくるから、お前は武器をとって来い」
「わかったよ」
キルはニムを連れて外の様子を確認しに行く。
その間にエレンは隣の倉庫から愛用の大剣をとりに向かう。
あいにく大剣は売られておらず、そのままで保管されていた。
エレンは大剣を背負うとキルの後を追って外へ向かう。
キルの言った通り見張りは2人だけで外を見張っていた。
「俺が見張りの注意を惹きつけるから、お前はとどめを刺してくれよ」
そう言うとキルはニムを背負って外へ向かう。
すると、見張りの2人が槍を翳してキルを制止した。
「おい、どこへ行くつもりだ?」
「ちょっと小便にだよ」
「トイレなら中にあるだろう」
「トイレが混んでいるんだよ」
見張りの2人はいぶかし気な顔を浮かべながらキルを睨みつける。
「アブダル様から奴隷を外へ出すなと言われている。さっさと部屋に戻れ」
「だ、ダメだ。もっちゃう。ここでしていい?」
「わっ、汚い!いいから外でしろ!」
「サンキュー」
キルが見張りの2人の注意を惹きつけている間にエレンが背後に回り込んであっさりと見張りの2人を気絶させた。
「随分とあっけないな」
「自由になれたのだから構わないよ」
「それじゃあ、私は行くぞ」
「待ってくれよ。俺達も連れて行ってくれ」
「連れて行くって。私は冒険者だぞ」
「知ってるよ。だから頼んでいるんだ。こんな街にいたらまた奴隷にされてしまう。ニムもまだ小さいし助けて欲しいんだ」
「……」
ここでキルの申し出を断るほどエレンは冷酷ではない。
しかし、年端も行かない少年と赤ん坊を連れて冒険するなど容易じゃない。
もし、それが出来ていたら今はニケといたはずだ。
だが、現実はそうではない。
それに何よりカイトが反対をするだろう。
エレンは答えに迷った。
迷って迷って迷った果てにキル達を連れて行くことにしたのだった。
コロセウムの観客席からは黒騎士ガイアに向けた黄色い声援が届いていた。
観客席の半数はほぼ女性ばかりだ。
応援団扇でアピールしながらガイアがこっちへ向かないかと胸を躍らせている。
それはセリーヌも同じだったようで自前で作った団扇を翳していた。
「ガイアさまー!頑張ってください!応援していますから!」
「おい、セリーヌ。恥かしいことはやめろよ」
「何を恥ずかしがっているんですか。みなさんやっているじゃないですか」
「人は人。俺達は俺達だ」
年甲斐にもなく黄色い声援を送っているおばさんはいただけない。
イケメンに夢中になるのはわかるが、自分の年を考えてもらいたい。
いっしょにいる俺まで恥ずかしくなって来る。
「会場のボルテージがいつも以上に昂っていますね。それではトーナメント戦第六試合、黒騎士ガイアVS槍使いランス戦を行いたいと思います」
司会者が試合開始の合図を送ると会場に銅鑼が鳴り響く。
すると、会場のボルテージがさらに高まった。
「セリーヌ、ガイア達の情報は手に入れたか?」
「ガイアさまー!こっちを向いて!キャー!」
ガイアの一挙一動に興奮する、セリーヌ。
年甲斐にもなく黄色い声援を送りながら童心に帰る。
すっかり10歳若返ったようなはしゃぎぶり。
イケメンはおばさんの若返り薬になるようだ。
「おい、セリーヌ。情報は手に入れたのか?」
「何です、カイトさん?」
「ガイア達の情報だよ。セリーヌのことだから仕入れているのだろう」
「もちろんです」
セリーヌは手帳に記した情報を読み上げる。
「槍使いのランスさんは『一点集中』のスキルと『紫電一閃』の必殺技を習得しています」
『一点集中』と言えば槍の切っ先に覇気を纏わせることが出来るスキル。
一撃の破壊力が乏しい槍使いの弱点を補っている。
『紫電一閃』は刺突に雷の属性を帯びさせることが出来る必殺技。
魔法の使えない戦士にとっては貴重な必殺技のひとつ。
直撃すれば付加効果である麻痺も狙える技だ。
「で、ガイアどうなんだ?」
「ガイアさまに関する情報は皆無です。私もあの手この手を駆使してみたのですがガイアさまに関する情報は得られませんでした」
「セリーヌらしくないな。色仕掛けはしたのか?」
「そ、そんなことする訳ないじゃないですか。カイトさんは私のことをそんな目で見ていたのですか」
セリーヌはプリプリ怒りながら俺を睨みつける。
セリーヌの情報網を使っても得られなかったのだから色仕掛けぐらいでは落ちないだろう。
イケメンで強くて、クール。
このスペックにイカレない女子はいないだろう。
しかし、ガイアの情報が得られないとなると試合で確認するしかない。
どんな戦い方をするのか、スキルは、必殺技は。
何より知りたいのは特殊能力だ。
特殊能力は試合を左右するほど重要な位置を占めている。
間違いなく決勝まで勝ち上がるだろうガイアのことは事前に調べておきたい。
ガイア対策を予め練っておかないと優勝は出来ないだろうからな。
「あっとここで試合が動き出しはじめたぞ!」
ステージ上を見ると黒騎士ガイアに槍使いランスが仕掛けるところだった。
予選でのガイアの戦い方を見ているランスは出し惜しみすることなく全力で立ち向かう。
『一点集中』のスキルを発動させて槍の切っ先に覇気を纏わせる。
そしてガイア目がけて強力な刺突を放った。
しかし、ガイアの目の前でランスの槍は止まってしまう。
「俺の攻撃を覇気でかわしたとでも言うのか!」
ガイアは直立不動のままランスの前に立ちはだかっている。
その周りには圧倒的なまでの覇気がオーラとなって覆い尽す。
まるで覇気の鎧でも身に着けているかのような姿だ。
「くぅ……。だが、俺はこれだけじゃない」
ランスは後方に飛びのいて体制を整える。
ランスにもまた勝ち上がらなければならない理由があった。
ランスは貧しい家庭に生まれた。
年の離れた妹は病弱でいつもベッドに横になっていた。
外で遊んだこともなく、全く外の世界を知らない。
そんな妹が不憫でランスはいつも外の話を聞かせていた。
妹はランスの話に夢中になり、いつか外の世界へ出れることを夢見ていた。
そんな矢先、妹の病状が悪化して重篤状態に陥ってしまう。
医者に診せようと思ったが医療費が高額でランスには手が出ない。
そこでランスは決意した。
コロセウムに出場して優勝することを。
優勝賞金の金貨100枚を手に出来れば妹の病気も治せる。
だからこそ負けられない。
相手が誰であろうと目の前に誰が立ちはだかろうとも。
全ては妹を救うためなのだ。
誰かのために立ち上がった者の意志は強い。
それが妹のためならなおのことだ。
「お前が強いことは知っている。だが、俺は負けられないんだ!」
ランスは槍を一回転させると切っ先をガイアに向けて構える。
自分の想いと妹の夢を、この一撃に賭けて。
ランスが意識を槍に集中させると紫色の雷がほとばしる。
それは無数の雷光となってランスの槍に纏わりついた。
「食らえ!『紫電一閃!』」
ランスの槍は無数の雷を放出しながらガイアに向かって突き進む。
直撃することが出来ればガイアを麻痺させられる。
しかし、ガイアは寸の所で横に移動して攻撃をかわした。
「ちくしょう。外したか」
それでもガイアを動かしたことの功績は大きい。
ガイアは今まで微動だにすることなく勝ちあがって来たのだから。
それはランスの『紫電一閃』が脅威に映ったことに他ならないことを示している。
しかし、ガイアはまだ剣を抜いていないことも忘れてはならない事実だ。
「お前には小細工は通じないことがわかったよ。俺の全身全霊を持って倒してやる」
ランスは意識を自分の中に集中させて行く。
そして槍を回転させながら気を練りはじめる。
気はオーラとなってランスの槍に吸い込まれるように流れはじめる。
それは竜巻に吸い込まれて行く風のようにうねりながら。
「お前に見せてやるよ。俺の特殊能力を。お前にかわせるかな」
ランスは槍を回転させながらガイアに狙いを定める。
そして次の瞬間、ランスは光の速さで刺突を放った。
ガイアは避ける間もなくランスの刺突を受ける。
すると、観客席から悲鳴交じりの叫び声が聞えた。
「直撃か?」
そう思ったのも束の間、ランスは宙に舞い上げられてしまう。
ガイアは左手でランスの刺突を受け止めて放り投げたのだ。
ランスは手ごたえがあったことを自覚している。
しかし、ランスの刺突はガイアの鎧に阻まれて直撃とは至らなかった。
「俺の特殊能力を持ってしてもこれなのか」
今のランスにはハッキリ言って勝機は全くなかった。
勝機を抱くよりも絶望が目の前を覆い尽した。
ガイアとの力の差は歴然で赤子の手を捻られているかのよう。
ただ、勝負に関する覚悟だけは負けていないと自負する。
勝利を手にするのはどん欲なまでの強い意志を持った者だけだと願いながら。
「俺は諦めない。勝利を掴んで妹を助けるんだ」
ランスは重い体に鞭を入れながら立ち上がる。
そんなランスを突き動かしているのは妹の存在ただひとつ。
どんなに打ちのめされようがどんなに倒されようが勝つまで立ち上がり続けるのだ。
「いくらランスが立ち向かってもガイアには勝てないな。力の差が歴然だ」
「ガイアさまに勝ってもらいたいのが本音ですれど、大事な妹さんのために戦っているランスさんにも勝ってほしいですわ」
誰かのために戦うことはとても勇気が必要で何よりカッコイイ。
ガイアを目の前にしてランスは子供の様だが、それでも立ち向かおうとする姿には憧れる。
これぞ勇者だって感じだ。
俺が憧れている勇者も今のランスのような姿。
立ち上がって何度も立ち上がって敵に立ち向かう。
そんな姿に憧れを抱くのだ。
それは観客席で観戦している客も同じようで今ではランスに声援を送る者も現れはじめた。
会場から「ランスコール」が巻き起こる。
ランスの雄姿を称えるかのように大きな波となってステージ上に押し寄せる。
「勝利の女神はまだ俺を見放していなかったようだ。勝率は99%お前にあるようだが1%は俺にある。ならば俺はその1%に望みを賭けてやる」
ランスは『紫電一閃』と『閃突』の合わせ技を狙う。
『閃突』はランスの特殊能力で光の速さで刺突を放つ能力。
さきほどガイアに直撃を食らわしたのも『閃突』を発動したおかげだ。
それに加えて『紫電一閃』と『閃突』の相性はいい。
どちらも刺突を放つ技で動作が同じだからだ。
ランスは自分に意識を集中させながら槍を回転させて気を練る。
すると、気がオーラとなって槍に吸収されはじめた。
「これが俺の最大限の技だ。受け止められるものなら受け止めてみろ!」
ランスは左足を踏ん張ると光の速さで刺突を放つ。
それは紫色の雷を発しながらガイアに向かって突き進む。
暗黒の空にほとばしる稲妻のように鋭く激しく、そして速く。
ガイアはたまらずに剣を抜いてランスの槍を受け止めた。
「これでもきかないのか」
ガイアは剣の刃でランスの槍の切っ先を抑え込んでいる。
それは糸に髪の毛を通すような正確さで。
少しでもズレていたいら間違いなく直撃を受けているはず。
それにも関わらずガイアはクールな表情で澄ましていた。
「これじゃあ完敗だな。俺がどんな手を使ってもお前に勝つことは出来ない。だけど、俺は負けられない。妹が待っているんだ。俺が勝つことを一番に望んでいる。だからこそ俺は負けられないんだ!」
ランスはさらに槍に力を入れて強引に押し切ろうとする。
しかし、槍はガイアの剣に阻まれて微動だにもしない。
お互いの腕がプルプル震えながら力が拮抗する。
ランスが敗北すると言うことは妹の命がなくなることを意味している。
優勝賞金を掴み取らなければ医者にも診せられない。
今ではランスのことがわからないくらい重篤な状態に陥ている。
妹を救えるのはランスただひとり。
だから、絶対に負ける訳には行かないのだ。
ランスはさらに力を加えて槍を突き押す。
その意志は覇気となってランスの槍に集束されて行く。
「俺は負けない!」
その執拗な攻撃に嫌気がさしたのかガイアが動いた。
剣の柄を両手で握り直して覇気を剣に纏わりつかせる。
そして海を裂くが如く、ランスの槍の切っ先を真っ二つに裂いてみせた。
「何と!」
ランスの槍は覇気と共に真っ二つにさかれて威力を失った。
「これはどう言うことでしょう。槍使いランスの槍が真っ二つに裂けました!」
会場からどよめきが湧き起る。
はじめて見る光景に誰もが自分の目を疑ったのだ。
それは俺達も同じでポカンと口を空けながらあんぐりとしていた。
「これじゃあもう戦えないな。敗北するなんて……」
ランスはがっくりと膝を折ってステージ上に倒れ込む。
これで妹を助ける手段がなくなってしまった。
ランスの中に絶望と悲しみが湧き起る。
それは大粒の涙と叫び声となって会場を包み込んだ。
すると、会場にいたひとりの男が叫んだ。
「お前はひとりじゃない。俺達がいる。みんなで寄付しあって治療費を集めればいい!」
「お前はよくやった。だから、ここから先は俺達に任せろ!」
「そうよ。私達が力を合わせればあなたの妹さんは助かるわ!」
その叫びは大きなうねりとなって会場を包み込む。
そして会場の観客全てがスタンディングオベーションをして応える。
ランスは顔をしわくちゃにさせながら人の温かさに心を打たれていた。
「感動しましたわ。みんながひとりのために力を出そうと誓うその様に」
「そうだな。試合以上に感動することだ」
セリーヌは目にいっぱい涙を浮かべながらハンカチで涙を拭う。
俺達は俺達に出来ることをしてランスの妹を助けよう。
そうすればランスの意志も報われる。
俺達は共に戦った仲間なのだから。
会場が感動に包まれる中、司会者が試合終了を叫んだ。
「トーナメント戦第六試合の勝者は黒騎士ガイア!そしてこの戦いで勇気を示してくれた槍使いランスに温かい拍手を!」
会場から割れんばかりの歓声と拍手がランス達の雄姿を称える。
黒騎士ガイアは顔色ひとつ変えることなくステージを後にする。
クールと言えばクールだが、血が通っていないようにも見える。
試合開始前まで黄色い声援を送っていたファン達も、その様子にちょっと引き気味。
それでもガイアの人気は高く、この試合を見たうえでさらに人気が高まったようだ。
「結局、ガイアの情報は得られなかったな」
「圧倒的な力の差を見せただけでしたからね」
「これは決勝戦の雲行きが怪しくなって来たぞ」
ガイアの手のうちが見えないのでは作戦の立てようがない。
次は中日を挟んでトーナメント戦の準決勝が行われるけれど、どんな戦い方を見せてくれるのか。
トーナメント戦第七試合ではシドVSエレン。
トーナメント戦第八試合ではジーザスVSダイド。
トーナメント戦第九試合ではキリアVSガイア。
この中の3人が決勝戦に勝ち上がる。
誰が勝ちあがってもおかしくない面子ばかり。
いったいどんな展開になるのか予想もつかない。
けれど、作戦は念入りに立てておこう。
そう決意した3日目だった。




