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おばさんクエスト~あるあるだらけの冒険記~  作者: ぱんちゅう
第二章 激闘するおばさん編
41/361

あるある040 「積荷に手をつけがち」

新しい馬車も2頭立ての大型の馬車。

ヨゼフのお酒を運ぶためワナックが用意したものだ。

積荷は全部、荷台に積まれてあり準備が整っていた。


「それじゃあゴルドランド王都までちゃんと運んでくれよ」

「任せておけ。大船に乗ったつもりでいろ」


ワナックは恨めしそうにエレンを見やる。

エレンに酒で負けたことが悔しいのだろうか。

それともエレン達を抱けなかったことが悔いに残るのかはわからないが。


「これを持って行け」

「何だこれは?」

「運行証明書だ。これをゴルドランド王都の市場に出せばすぐに取り合ってくれるだろう」

「わかった」


ワナックが渡して来た運行証明書を受け取ると大事に懐にしまう。


「それじゃあ出発だ」


エレンは馬に鞭を入れてリーガルの街を後にする。

ワナックは最後まで浮かぬ顔を浮かべていが俺達には関係ないところ。

荷物をゴルドランド王都まで運べばいいだけなのだから。


「それにしてもワナックの顔を見たか?苦虫を噛み潰していたような顔をしていたぞ」

「エレンに負けて悔しかったのだろうよ」

「まあ、私は一級品だからな。そう簡単に抱けはしないさ」


誰が好き好んでおばさんを抱きたがるんだ。

そんな珍しい奴はスケベジジイぐらいなものだろう。

ワナックも40代ぐらいだったからエレン達はちょうどよかったのかもしれない。

まあ、でも、酒でエレンに負けているようじゃ抱くのはまだ先だ。


「で、ゴルドランド王都へはどうやって行くつもりだ?」

「一番近いルートはヘルフォース砂漠地帯を抜けるルートだ。ただヘルフォース砂漠地帯は死の砂漠とも呼ばれている。どんな危険が待ち構えているかわからない」

「ならば、ヘルフォース砂漠地帯を迂回する方がいいのではないでしょうか?」

「その場合、倍の時間がかかることになる。猶予は2週間しかないんだ」


俺はランゲルト地方の地図を広げながらルートを考える。

最短ルートで行っても1週間はかかってしまう。

迂回するルートを選べば2週間はかかるだろう。

そうなると祝酒祭に間に合うのかわからない。

やぱりここは最短ルートを選ぶべきか。


「多少の危険は覚悟してヘルフォース砂漠地帯を抜けるルートで行く」

「カイトさんがそう判断したのなら従います」

「それじゃあ行くぞ」


エレンは馬車をヘルフォース砂漠地帯へ向けた。

ヘルフォース砂漠地帯が死の砂漠と呼ばれているのは砂漠に入った者は二度と戻って来ないからだ。

辺り一面、砂漠ならばどこを歩いてるのかさえわからない。

だから行商人達は太陽と星の位置から方角を割り出す。

航海では羅針盤が使われているが砂漠でも大いに役立つ。

砂漠は別名、砂の海とも呼ばれるくらいだからだ。

俺達ももちろん羅針盤は用意してある。

簡易的なものだが方角を知ることぐらいは出来る。


「エレン、このまま真っすぐ行ってくれ」

「わかった」


今、走っているのはヘルフォース砂漠地帯の西側の入口。

そこから直線で真東に行ったところにゴルドランド王都がある。

何もなく順調に進めれば1週間で辿り着くだろう。

ヨゼフが気を利かせたのか食料と水は多めに用意してある。

これならば問題なく行けるはずだ。


「カイトさん、羅針盤を使えるなんて器用なんですね」

「セントルース騎士団学校で叩き込まれたからな。これくらいは朝飯前だよ」

「ようやくカイトも役立つ時が来たんだな」

「それはどう言う意味だよ」

「まんまだよ」


エレンは歯に衣着せぬ言い方をして来る。

確かに今までの俺はお荷物だったかもしれない。

だがそれも今日までの話だ。

この中で羅針盤を使えるのは俺だけのようだし主導権は俺のもの。


砂漠の照りつけは尋常ではない。

体中の水分が蒸発して行って体をカピカピにさせる。

日陰で休もうにも辺りは砂漠で身を隠せる場所もない。

俺達は要所要所で休みをとり水分を補給する。


「しかし、暑いな」

「体がべとべとで気持ち悪いですわ」

「しばらくは砂漠が続くから我慢しないといけない」


俺達はヨゼフが用意した水で喉を潤す。

この暑さでさすがに冷たくはないが、それでも体の渇きは潤せる。


「こうも暑いと酒でも飲んでスカッとしたいな」

「お前の頭にあるのはそれだけか」

「ちょっくらヨゼフの酒でも味見してみるか」

「ダメです、エレンさん。それはお届け物なんですから」


セリーヌはエレンの前に立ちはだかって制止する。


「ちょっとぐらい構いやしないよ。盗賊にでも持って行かれたことにしておけばいいんだからな」


それはそれで問題だろう。

盗賊が酒を一瓶だけ持って立ち去ることなどないのだ。


「セリーヌだって飲みたいだろう?」

「それはそうですけれど」

「なら、我慢することはないさ。これだけあるんだしな」


そう言う問題ではないだろう。

倫理観の問題だ。

人の物を勝手に搾取するなんて普通の人間がすることじゃない。

だが、酒を目の前にしたエレンには通用しなかった。

エレンは酒の箱を空けてボトルを取り出すと勝手に飲みはじめる。


「ぷはー。やっぱこれだよ。ヨゼフもいい仕事をしているな。どうだ、お前達も飲めよ」

「私は……」

「セリーヌも堅物だな。カイトはどうなんだ?」

「俺は止めておく。後で打ち首になっても嫌だからな」


エレンは俺達に見せつけるように酒を煽る。

美味そうに酒を飲んでいるとこっちまで欲しくなって来る。

しかし、ここで酒に手を出してしまったらエレンと同罪だ。

俺とセリーヌは必死の想いで踏み止まると水で喉を潤した。


そして陽が沈み砂漠に夜が訪れる。

昼間とは打って変わって寒さに凍えるほど空気がひんやりする。

俺達は身を寄せ合いながら暖をとって夜が明けるのを待つ。

さすがに砂漠の夜の対策まで考えが及ばなかった。

馬車にある布きれを体に巻き付けて寒さを凌いでいた。

酒を飲んでいたエレンはひとりほろ酔い気分で眠っている。


「寒くて眠れませんわ」

「体を温めないと凍えてしまいそうだ」


不意にヨゼフの酒瓶が目に止まる。

見つめ合う俺とセリーヌ。

おずおずと酒瓶を引き寄せて手に取る。


「少しくらいならいいよな」

「そうですわね。これも寒さを凌ぐためなんですから」


俺とセリーヌはためらいながらも酒瓶の栓を開ける。

そして欲望のまま酒を一口飲み干す。

すると、喉がかぁーと熱くなり体が火照り出す。


「ぷはー。やっぱりこれだな」

「いつもよりお酒が美味しく感じますわ」


俺とセリーヌはほろ酔い気分になるまでお酒を飲み明かした。

見るとお酒の入っていた箱の半分が空になってしまった。

まあ、このくらいなら許容範囲だ。

そう安直に考えていた俺達だったがその通りにはならなかった。

それは夜が来るたびにお酒を飲んでいたのですぐになくなってしまったからだ。

すでに10箱あった内の2箱分のお酒は飲み干してしまった。


「だぁー!どうしよう。酒の箱が2つも空になってしまったぞ!」


本来なら積荷に手をつけるなんてあってはらないことだ。

今度の俺達の信用問題に関わる。

ただ、悪気があった訳ではない。

俺達はほんの出来心で酒を飲んだけだ。

酒が俺達に飲んでほしいとせがむから。


「気にするなよ、カイト。盗賊に持って行かれたようにすればいいんだ」

「しかしな、盗賊が酒の箱2つだけを持って逃げると思うか?」

「私達が追い返したことにすればいいんだよ」


それでも嘘に限界はある。

盗賊は普通、集団で行動しているものだ。

最低でも30人規模の集団で活動している。

それを3人だけで追い払えたなどと誰が信じるものだろうか。

そんなよからぬことを考えていると不運は勝手に舞い込んで来る。

俺達が予想していたように盗賊団が現れたのだ。

全員、馬に跨り俺達の馬車を取り囲む。


「荷物を明け渡せ。そうすれば命だけは助けてやる」


盗賊団のリーダーらしき人物が剣を突きつけながら要求して来る。

ここで盗賊団とやり合っても勝ち目がない。

何せ相手は50人ほどいるのだ。

エレン達が強いと言っても一度に50人は相手に出来ないだろう。

すると、エレンが大剣の切っ先を向けて挑発した。


「それは私の台詞だ。見逃してやるからとっとと失せろ」


おいおい、エレン。

相手を挑発してどうするんだ。

ここは穏便に荷物を差し上げて命乞いをするのだ。


「事態が飲み込めていないようだな。歯向かうのなら命の保証はしない」

「やれるもんならやってみろ」


マジか!

こんな大人数を相手にどう戦うつもりだ。

どう見ても勝ち目はないだろう。


「お前の心意気は買った。だが、ここで死んでもらう」


盗賊団のリーダーは剣を抜いて構える。

それに対抗するようにエレンも大剣を構える。

そして二人は睨みあいながら切り出すタイミングを計る。

盗賊団のリーダーは馬上からの攻撃。

下になるエレンには不利だ。

しかし、その分小回りは効く。

盗賊団のリーダーが勝つかエレンが勝つかは現時点ではわからない。

俺達は息を飲み込みながらその時を待った。


「行くぞ!」


最初に動いたのは盗賊団のリーダーだった。

エレンに向かって馬を走らせると馬上から勢いよく剣を振り下ろす。

エレンは大剣の腹で攻撃を弾くと踵を返して追撃態勢をとる。


「馬に乗っている奴が強いとは限らない!」


エレンは高く飛び上がると盗賊のリーダーの頭上から大剣を振り下ろす。

すぐさま盗賊団のリーダーが反応し剣でエレンの攻撃を弾いた。


「中々やるじゃないか」

「今のは本気じゃないぞ」

「では、本気を見せてもらおうか」


盗賊団のリーダーは馬の腹を蹴るとエレンに向かって駆けて行く。

剣を水平に保ちエレンの首を狩るように突き進む。

エレンは大剣を垂直に構えなおし盗賊団のリーダーの攻撃を受け止める。


「まだまだこれだけではない」


盗賊団のリーダーはすぐさまエレンの背後に回り込んで再び攻撃体制をとった。

さすがのエレンも馬上からの連続攻撃には押されてしまっている。

防戦一方の状態に陥って反撃できないでいる。


「これは分が悪いんじゃないか」

「大丈夫ですわ、カイトさん。エレンさんはあの程度でやられるほど弱くありません。見ていてください。今に反撃をしますから」


セリーヌの言葉とは裏腹にエレンは防戦一方のまま。

この状態のどこに反旗を翻すチャンスがあると言うのだ。

確かにエレンは強い。

それは認めよう。

しかし、相手は馬上なのだ。

馬のパワーが付加されている。

いわゆる2人分の力を備えているようなもの。

そんな敵を相手にエレンはどうでるつもりでいるのだ。

すると、エレンが反撃の狼煙を上げる。


「そろそろいい頃合だな。お遊びはここまでだ。これで終わりにする」

「防戦一方のお前に何が出来ると言うのだ」

「私はただ単に防戦をしていた訳じゃない。馬が疲れるのを待っていたのさ」

「馬だと?」


見ると盗賊団のリーダーが乗っている馬は大きく息を切らしている。

狭い範囲を行ったり来たりしていたから疲労が蓄積していたのだ。

いくら馬に脚力があると言っても、これだけの運動量ならば体力も削がれる。

そんな戦術をエレンが考えていたなんてことが驚きだ。

普段は何も考えないで思うままに大剣を振るっているのだからな。


「次で終わりにする」

「ぬかせ!」


エレンは大剣の切っ先を盗賊団のリーダーに向ける。

それに応えるように盗賊団のリーダーは剣を構えながらエレンに突進して行った。

しかし、今までのような勢いがない。

馬の疲労は思っていたよりも大きいようだ。

それでも盗賊団のリーダーは馬に鞭を入れて強引に走らせる。


「もらった!」


盗賊団のリーダーは馬上からエレンの首を狩るように剣を振り払う。

その攻撃を待っていたかのようにエレンは大剣で攻撃を受け止める。

そして相手の剣の刃先を伝うように大剣を滑らせて大きく振り払った。

次の瞬間、スパッと盗賊団のリーダーの頭が吹き飛び地面に転がり落ちる。


「何と!」


その光景を目の当たりにした盗賊団からどよめきが湧き起る。

信じられないような顔をしながらお互いの顔を見合わせる。

そして現実に戻ると慌てふためきながら一目散に逃げて行った。


「私の言った通りでしたでしょう」

「ああ、エレンがこんなにデキる奴だとは思わなかったよ」


俺があんぐり口を空けながら突っ立っているとエレンが戻って来た。


「盗賊団も大したことはなかったな」

「さすがはエレンさんです」

「まあ、これで盗賊団に襲われた事実は出来たし、もっと酒を飲んでも大丈夫だろう」

「エレンさん、いけませんわ。ゴルドランド王都へ運ぶお酒もなくなってしまいます」

「あと1箱だけだ。いいだろう、セリーヌ?」


本気でひとりで盗賊団を追い払うなんて。

俺が思っている以上にエレンは底知れない力を持っているようだ。

これならばコロセウムでの優勝も夢ではない。

金貨100枚は俺達のものだな。

俺がひとりニヤニヤ悦に浸っているとエレンが話しかけて来た。


「カイト。何だ、その締まりのない顔は?」

「うへへへ。って、いや、ちょっと考え事をしていただけだ」

「盗賊団に襲われたことを証明するために盗賊団のリーダーの頭は持って行くぞ」


エレンはあたり前のように盗賊団のリーダーの頭を袋に詰める。


「おいおい、エレン。そんな気持ち悪いことをしなくてもいいだろう。血が滲んでいるじゃないか」

「こいつがないと盗賊団に襲われた証拠にはならないからな」

「だけどよ。そんな死人の躯を弄ぶようなことをして罰が当たらないか?」

「怖いのか、カイト?」

「怖いに決まっているだろう。そんなものを持って行くなんて」


普通じゃあり得ない。

エレンは怖くないのだろうか。

さっきまで動いていた人間の生首を持っているんだぞ。

それじゃあまるで昔話に出て来る鬼ババアじゃないか。

おばさん、恐るべし。


「セリーヌからも何とか言ってやってくれよ」

「お酒を勝手に飲んでしまいましたからね。盗賊団に持って行かれたことにしないと私達の身が危ないですわ。ここは我慢してください、カイトさん」

「そんなことどうでもいいじゃないか。生首と旅だなんて俺は嫌だぞ」

「人間の首もモンスターの首も大して変わりはしない。駄々を捏ねていないで先を急ぐぞ」


エレンは枕でも抱えるかのように生首を抱きかかえる。

そして盗賊団のリーダの乗っていた馬から胴体を弾き落とすと馬に跨る。


「この馬はもらって行くぞ。カイト達は馬車を頼む」

「カイトさん、行きましょう」

「ああ……」


俺は半ば放心状態のまま馬車に乗り込んだ。

これで俺達の罰が落ちることは決まりだな。

神様はこんな所業を許してはくれないだろう。

今も天界から俺達の様子を伺っているに違ない。

いつ罰を落とそうかと虎視眈々と狙っているはずだ。


「神様、許してください。俺は反対したんですよ。悪いのはエレンです。罰を落とすならエレンだけにしてください」

「何をブツブツ言っているんだ。カイト、ゴルドランド王都まであとどれくらいだ?」


エレンの質問など耳に届くはずもなく俺はひとりブツブツと神に祈りを捧げる。

ここでちゃんと神様に報告をしておかないと俺もとばっちりを食らってしまうからな。

すると、セリーヌが俺を諭すように言って来た。


「カイトさん、そんなに心配しないでください。神様もちゃんと事情をわかってくれていますから。罰なんて当たりませんよ」

「だけど、人間の生首を持っているんだぞ。これは死人の躯を冒涜する行為じゃないか」

「あの方は罪人なのです。なるべくしてなったなれの果てですわ。それに後でちゃんと埋葬してあげれば大丈夫です」


なんかセリーヌに言いくるめられている気もするが、少しだけ心の緊張が解けたのも事実。

それにもう持って来てしまったのだ。

今さら後悔してもはじまらないだろう。

盗賊に襲われたことを証明したらちゃんと埋葬するから恨まないでくれよ。

そう、心の中で祈りを捧げた。


「それであとどれくらいでゴルドランド王都へ辿り着けるんだ?」


エレンに催促されてランゲルト地方の地図を広げる。

羅針盤を使い太陽の位置から方角と現在の場所を割り出す。

すると、ちょうどヘルフォース砂漠地帯の中央に差し掛かっていたことがわかった。


「このまま順調に進めれば3日後にはゴルドランド王都へ辿りつける」

「3日か。長いな」


急にエレンは馬を止めて馬車から酒の入った箱を降ろす。

そして強引に箱を空けて酒瓶を取り出すと惜しみもなく生首にかけた。


「おいおい、エレン。何をやっているんだよ?」

「生首が腐らないように消毒しているんだ」


生首はそのままにしておけばすぐに腐ってしまう。

だからアルコールで消毒して腐敗の進行を遅らせるのだ。

2、3日であればそれで大丈夫だろう。

しかし、ブランド品の酒を使うなんて勿体ない。

死人に酒を飲ませているようなものだ。


「もう、いいんじゃないか。あまり使うと酒がなくなってしまうぞ」

「そうだな。私達の分も残しておかなければならいないしこれだけにしておくか」


そっちの心配か。

そもそもこの酒はゴルドランド王都へ運ぶ輸出品なのだぞ。

それを勝手に飲むからこういうことになるんだ。


「この分で行くと酒の箱が半分になりそうだな」

「その方が都合がいいじゃないか。盗賊団に奪われたことにするにはリアリティーがある」

「そうは言ってもな。俺達の信用にも関わることなんだぞ」

「けれど、私達は冒険者ですから大丈夫なのではないでしょうか。今回はたまたま荷物を運ぶことになっただけですし」


それでも悪い評判は立つだろう。

もしかしたら、今後は輸送の警護のクエストが舞い込んでこないかもしれない。

まあ、他にクエストはたくさんあるから大丈夫だとは思うがあまり気分のいいものでもない。

結局のところ、俺達は予想通り酒の箱を半分も消費してしまった。

俺達が飲んだ分と生首にかけた分だ。

このことをヨゼフが知ったらどう思うだろうか。

泣いて俺達を罵倒するかもしれない。

せっかく手塩をかけて造った酒なんだ。

大切にしてもらわなければガッカリするだろう。

リーガルの街に戻らい限りヨゼフと会うこともないのだが。

何だか後ろめたい気分でいっぱいになった。


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