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おばさんクエスト~あるあるだらけの冒険記~  作者: ぱんちゅう
第二章 激闘するおばさん編
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あるある037 「自惚れがち」

翌日、エレンの目の下には隈が出来ていた。

まったく眠れなかったらしく顔に生気を感じない。

酒を一晩抜いただけでフラフラになってしまうのは問題だ。

またパク和尚さまのもとで修業をしてもらおうか。

禁酒のための修業を。

右京も左京も喜びそうだし今度、本気で考えてみよう。

それよりまずは国境越えだ。


「あれが国境ですわ」

「随分、人が並んでいるな」


見ると国境の検問から行列が出来ていた。

それはゴルドランド王国側も同じようでたくさんの人が集まっている。

集まっているのは行商人がほとんどで所々に冒険者達が並んでいる。

中には行商人とも冒険者とも思えぬ人たちまでいる。

おそらくは観光客だろうが、もしかしたら難民が紛れているかもしれない。

俺達は行列の最後尾に並んで順番を待つ。


「それにしても混んでいるな。これじゃあ何時間かかるかわからないぞ」

「仕方ありませんわ。検問はここにしかありませんし」

「いっそうのことあの壁を越えたらいいんじゃないか?」

「何を言っているんだ、エレン。勝手に国境の壁を乗り越えたら銃殺されるぞ」


国境には5メートルほどの高い防壁が両国側に築かれている。

その上に100メートル間隔で見張り台が設置されていて銃を持った警備兵が見張っている。

簡単に国境を乗り越えられないように両国が設置したのだ。

防壁と防壁の間は10メートルほどあり真ん中に有刺鉄線が敷かれてある。

そこが国境の目印だ。


セリア姫とマーカス王子の結婚を受けてラビトリス王国とゴルドランド王国の間には緊張が走っている。

ゴルドランド王国はラビトリス王国をけん制するため国境付近で軍事行動ばかりしている。

もちろんゴルドランド王国がラビトリス王国に侵攻して来ることはないが威嚇にはなる。

グラン国王もそのことを重く見ているようで対抗するように国境付近で軍事行動をはじめるのも時間の問題だ。

その影響もあって検問はいつもよりも厳しいものになっている。

いつもなら簡単な荷物検査と通行手形の確認と通行料だけで通れたのだが、今は違う。

密輸品をチェックするかのごとく入念に荷物の検査をしている。

そればかりか通行人達に尋問を繰り返し身元の裏付けもとっている。

両国の情勢の不安がここにも表れているのだ。

一時間ほど待っただろうか。

やっとこ俺達の順番になった。


「通行手形を見せろ」

「はいよ」


警備兵は通行手形を入念に確認しながら俺達を舐めますように見やる。


「荷物を見せろ」

「勝手に見てくれよ」


警備兵達は馬車の荷台に登ると荷物を検査しはじめる。

しばらく荷物をガサゴソ探し回ってから警備兵のひとりが言う。


「怪しいものはありません」

「そうか。よし、次は身体検査だ」

「身体検査?そんなことまでやるのか」

「怪しいものを持っているかもしれないからな」


警備兵は俺達を取り囲むと身体検査をはじめる。

もちろん検査をしても怪しいものなど見つかるはずもない。

何もやましいことはないのだから。

しかし、エレンは身体検査を受けながら艶やかな声を出す。


「アッ。いいじゃないか。もっと優しくしてくれ」


何を感じているんだ、エレンは。

これはただの身体検査なんだぞ。

もしかして誘っているのか。

身体検査をしていた警備兵の顔も真っ赤じゃないか。

すると、警備隊長が咳払いをして身体検査を止めさせた。


「もういい。行け」


俺達はそそくさとラビトリス側の検問を通り抜けゴルドランド側の検問に入る。

するとすかさずゴルドランド王国の警備兵が立ち塞がり通行手形の提出を求めて来る。

俺達は素直に通行手形を渡して通行料を払った。

ラビトリス側で荷物検査も身体検査も受けているのでパスされる。

しかし、執拗な尋問だけは避けられなかった。


「入国の目的は何だ?」

「コロセウムに出場するためです」

「お前がか?随分と弱そうじゃないか」


ハッキリ言ってくれるな、オッサン。

俺だって自分が弱いってことはわかっている。

だけどな、コロセウムに出場する権利はあるんだぞ。


「まあいい。それで後ろの二人はお前の保護者か?」

「何を言っているんだ。私達はカイトの仲間だ」

「仲間?面白いな。年の離れた仲間だなんて。てっきり保護者かと思ったよ」


警備兵はニタニタ笑いながら馬鹿にしたように俺を見やる。

まあ、そう見えても不思議ではない。

なにせ俺とエレン達は倍も年が離れているのだから。

親子に間違われてもおかしくない。


「所持金はいくらある?」

「そんなことまで聞くのか?」

「質問をしているのはこっちだ。答えろ」

「銀貨4枚だ」


警備兵は鼻で笑って蔑むように俺を見た。


「そんなちっぽけな金じゃ何もできないな。ゴルドランド王国は物価が高いからすぐに底をつくぞ」

「ゴルドランド王国は裕福な国じゃないのか?」

「今はラビトリス王国の件で物価が上がっている。しばらくはインフレが続くだろう」


セリア姫の結婚で両国の関係は微妙になっているから仕方ないのかもしれない。

ゴルドランド王国への輸出量は減っているし、貨幣の価値も下がりはじめている。

通貨はどの国も共通のため通過の取引に関わる旨味がない。

なので物価が上がればそれだけたくさんの金を払わなければならないのだ。


「ゴルドランドへ何日滞在する予定だ」

「そんなのわからないよ。コロセウム次第だ」

「まあいいだろう。通行手形には有効期限がある。それは1年だ。1年経ったらコルドランド王国を出国しなければならない。もちろん更新も出来る。その時は更新料を納めるのが決まりだ」

「何かにつけて金をとるんだな」

「これも国の大事な収入源だ」


税金に通行料に更新料か。

どこへ行くにも金、金、金。

金がなければ何も出来ない世の中じゃないか。

誰がこんな世の中を創ったんだ。


「最後の質問だ。お前達は何者だ?」

「冒険者だ」

「後ろの奴らもか?」

「そうだ」


警備兵は俺達を舐め回すように見やるとエレンのところで視線を止めた。


「随分と派手な格好をしているじゃないか。お前は踊り子か?」


恥かしながらエレンも冒険者です。

見た目からすればただの露出狂に見えますけれど。

俺は悪びれた様子で警備兵に伝えた。


「エレンもちゃんとした冒険者です。見た目はおかしいですけれどね」

「まあ、いいだろう。せいぜいゴルドランド王国を楽しむんだな」


ようやく俺達はゴルドランド王国の検問を通り抜け入国を果たす。

ここを通過するだけで1時間も使ってしまった。

さて、ゴルドランド王国に入国したことだし王都を目指そう。


「それでゴルドランド王国の王都はどこにあるんだ?」

「東に行った最果てです。馬車でも2週間はかかるでしょう」

「そんなに遠いのか?」

「途中、いくつかの街に立ち寄りますから大丈夫ですよ」


俺は道順の心配をしているんじゃない。

そんなに遠いならすぐに残りの金も底をつくだろう。

また、モンスター討伐を繰り返しながら進まなければならないらしい。

先が思いやられる。





俺達が目指したのはリーガルの街。

小規模な街だが国境から一番近い。

主要産業は農業で街の隣にある広大な敷地を畑にしている。

主な農産物はぶどうで街でワインを製造しているとのことだ。

リーガル産のワインは有名で世界各地に輸出されている。

ゴルドランド城にも献上されているらしく最上級クラスの酒だ。


「カイト。こんなところでもたもたしていないで早くリーガルの街へ行くぞ」

「やっとこ国境を越えたんだぞ。のんびり行こうぜ」

「何を言っているんだ。酒が目の前にあるんだぞ。おちおちしていられるか」

「リーガルの街は逃げない。心配するな」

「私は早く酒が飲みたいんだ。一刻も早く酒を飲まないと死んでしまう」


エレンは喉を抑えながらオーバーなリアクションをする。

酒が飲めなくて死んだ奴などこの世にいない。

エレンに禁酒を薦めるいい機会だと思っていたが間違いのようだった。

返ってエレンの欲求を高めてしまったようだ。

リーガルの街に着いたら間違いなくたらふく酒を飲むだろう。

まあでも懐事情も悪いから限定的だろうがな。


「セリーヌ。後どれだけお金が残っているんだ?」

「通行料と食料代を払ってしまったので、あと銀貨4枚です」

「単純に見積もっても宿代4泊分か。これじゃあ全然足りないな」

「リーガルの街へ行ったらギルドでクエストを受ける必要がありそうですね」

「どこかで稼がないと財布が底をつくからな」


セリーヌの持っている財布はすっかり軽くなりチャリチャリとしか音がしない。

これではエレンの酒代もほぼないだろう。

エレンはすっかりリーガルの街で酒を飲むつもりでいるようだが。


馬車は順調に進みミストラン山岳地帯を抜けた。

ここまでモンスターに出会わなかったのは国境付近で軍事訓練が行われていたからだ。

モンスターもわざわざたくさんの人がいる場所を狙っては来ない。

それを幸いと受け取るか不運と受け取るかは判断が分かれそうだが。

ともかく俺達はエポス草原地帯までやって来たのだ。

ここを抜ければリーガルの街はすぐだ。


「何も起こらないってのも退屈だな」

「どうせお前は寝ているだけだろう」

「まあ、そんなところだ。起きていると酒のことばかり考えてしまうから寝る。着いたら起こしてくれよな」


エレンはいつものように馬車の荷台で横になる。

俺は呆れたように大きなため息を吐くとセリーヌの隣に移動した。

アンナが馬を1頭持って行ったので馬車を引いているのは1頭だけ。

それでも問題なく馬は馬車を引いている。


「お前も大変だな。ひとりで馬車を引いているんだからな」

「カイトさんもようやく馬の気持ちがわかるようになって来たんですね。いい傾向です。そうやって馬に愛情を注いでいれば馬も応えてくれますわよ」

「そんなものか」


まあ、俺だけ馬を操れないのは問題だし、真面目に考えてみるか。

すると、急に馬が足を止めた。


「おい、どうした?」

「わかりません」


セリーヌは馬に鞭を入れて歩かせようとする。

しかし、馬はウンともスンともいわずその場に立ちつくしていた。

また、馬の機嫌を損ねてしまったのか。

けれど、俺は何もしていないぞ。


「カイトさん、あれを見てください」


セリーヌが指を指した方を見やるとツインフォーンが群れが闊歩していた。

ツインフォーンは全長3メートルほどの水牛で頭が2つある。

鋭い堅牢な角が2つあり、その角を使って攻撃をして来る。

とても気性が荒く、群れで行動するのが特徴だ。

ツインフォーンは全部で20頭ばかりいる。

子供を連れているようで子供を庇うように群れをなしている。


「子連れなんて厄介だな」


動物でもそうだが子供を連れているモンスターは敏感だ。

こちらに攻撃する意思がなくても近づいただけで戦闘体制に入る。

子供を守るために全力を尽くすのだ。

その上、元から気性の荒い性格なのだから近づかないことに越したことはない。

ここは黙って見逃すのが正解だろう。


「おっ、敵がいるじゃないか。よし、私が狩って来てやる」

「おい、エレン。お前がいくら強くてもツインフォーンを20頭も相手に出来る訳ないだろう」

「私を見くびるなよ。あれくらい朝飯前だ」


俺は身を乗り出して飛び出そうとするエレンを抑えこむ。


「カイト、離せ。今がチャンスだろ」

「ダメだ。これはリーダー命令だ。ツインフォーン達は見逃す」

「カイトはビビりだな。そんなんじゃいつまで経っても強くなれないぞ」


好きなだけ文句を言うがいいさ。

だけど俺の判断は的確なのだ。

子持ちのツインフォーンを20頭相手にするならば、最低10人の冒険者は必要だ。

それでも何とか戦えるレベルなのだが。

それをひとりで何とかしようとするエレンの判断は間違っている。

自分の腕を過信し過ぎているから大胆な行動に出るのだ。

エレンにはもっと自分の力をわからせる必要がありそうだ。


「カイトさん。ツインフォーンがこちらに気づきましたわ」

「マズイな。このまま見逃してくれるだろうか」


ツインフォーンの群れはピタリと足を止めてこちらの様子を伺っている。


「カイト。ここはやるべきだ」

「お前は黙っていろ!」


俺はエレンの頭を押さえつけて黙らせる。

ここで大声でも出そうものならばツインフォーンにけん制することになる。

そうなればツインフォーンとて俺達を敵とみなすかもしれない。

勝ち目のない戦いは避けるのがセオリーだ。

ここは息を潜めてツインフォーンが立ち去るのを待とう。

俺達は身を屈めてツインフォーンの動きを見守る。


「なかなか立ち去りませんわね」

「我慢比べになりそうだな」


俺達とツインフォーンの群れとの間に緊張が立ち込める。

ツインフォーンの群れは相変わらずこちらの様子を伺っている。

すぐに攻撃して来そうな気配はないが警戒はしているようだ。

すると、シビレを切らしたのかトイプーがツインフォーンの群れの元へ駆けて行った。


「トイプーちゃん!」

「あの馬鹿。何をやっているんだ」


トイプーはツインフォーンを威嚇するようにキャンキャンと吠える。

しかし、ツインフォーンは涼しい顔で無視をしている。

けれど、トイプーは吠えるのを止めずに威嚇を続けた。


「トイプー。やるじゃないか。カイトよりも逞しい」


うるせーやい。

トイプーは馬鹿なだけだ。

勝てもしない相手に飛び込んで行くなんて。

無謀にもほどがある。


「カイトさん。トイプーちゃんを助けないと」

「セリーヌ。気持ちはわかるが無理だ」

「見殺しにしろって言うんですか?」

「トイプーも男だ。自分の尻ぐらい自分で拭えるだろう」


セリーヌは涙目で不安そうな顔をしながら狼狽えている。

まあ、飼い主としてはほっておくことも出来ないことは当然だ。

目の前でペットがツインフォーンと睨みあっているのだ。

あわよくば殺されるかもしれない。

そんな状況でただ指を咥えて見ているなんて辛すぎる。

だけど、俺達が飛び出して行ったところで逆にやられてしまうのだ。


「カイトも薄情な奴だな。あれだけトイプーを可愛がっておきながら見殺しにするなんて」

「これはトイプーが招いたことなんだ。ならばトイプーに任せるのが吉だ」

「トイプーちゃん……」


俺達の心配をよそにトイプーは吠えながら頻りに威嚇をしている。

すると、ツインフォーンの子供がトイプーを鼻で小突いた。


「キャア!」


トイプーは転げて吠えるのを止める。

そこへツインフォーンの親が近づいて来てトイプーの匂いを嗅ぎはじめた。

トイプーはされるがままにツインフォーンの洗礼を受ける。


「トイプーちゃん、食べられてしまいますわ」


しばらくするとツインフォーンの親はトイプーから離れるとおもむろに歩きはじめた。

それに習って他のツインフォーンも後に続いて行く。

子供のツインフォーンを庇うように群がりながら。

どうやらトイプーの命がけの行動によって俺達は救われたようだ。

ツインフォーンはトイプーを敵とはみなさず逃してくれた。

それはモンスターが持っている本能からの判断なのだ。


「トイプーちゃん!」


こちらに駆け戻って来たトイプーをしっかりと抱きしめる、セリーヌ。

さっきまでの不安が嘘のように晴れて満面の笑みを浮かべている。

トイプーもそれに応えるようにセリーヌの顔をぺろぺろと舐め回す。


「トイプーはカイトよりも使えるな」

「俺よりも馬鹿なだけだ」

「今夜はトイプーで乾杯しないとな」

「お前は酒を飲む口実が欲しいだけだろう」


とにもかくにもトイプーの思わぬ行動でピンチを逃れることが出来た。

ツインフォーンの群れは速やかに立ち去ってどこかへ行ってしまった。


「よし。先を急ぐぞ。みんな馬車に乗れ」

「何でカイトが仕切っているんだよ」

「俺はリーダーだからな」

「リーダーと言うなら馬ぐらい操れるようになれ」

「それを言うな。すぐに操れるようになってみせるさ」


俺達は馬車に乗るとリーガルの街へ向けて出発する。

もちろん運転手はセリーヌだ。

エレンはと言うと馬車に乗り込むなりすぐに眠ってしまった。

エレンには酒を飲むか寝るしかやることがないようだ。

まあ、のんびりしていられるのも今のうちだ。

リーガルの街へ着いたらお金を稼ぐためにクエストを受ける。

なるべくなら報酬のいいクエストを選びたいところだがあまり難しいのはパスだ。

俺のレベル上げも兼ねてやるつもりだから易しい方がいい。

ゴーレム戦からはじまり草原の小人戦とデスホーク戦と活躍の場がなかった。

これではいつまで経っても強くなれない。

何とかして経験を積む必要があるのだ。


「カイトさん、焦ってます?」

「そんなことはない」


焦ってはいないけど危機感を抱いている。

冒険をサクサクと進めるためにエレン達を仲間にしたが、全然経験は積めないでいる。

もともと特殊能力も戦闘系のものじゃないし、他に頼れる力がないのも事実。

セントルース騎士団学校で培って来たものはあるが、実戦では役に立たないことがわかっているし。

何を頼りにすればいいのか……。


「カイトさん。強くなりたいのならばスキルを覚えてみてはどうです」

「スキル?」

「スキルは特殊能力とは違って誰でも覚えられるものです。剣士ならば剣士系のスキルを。魔法使いならば魔法使い系のスキルを覚えられます。それぞれの職業に特化したものなので強力ですよ」

「そんなものがあったのか。知らなかった」


セントルース騎士団学校ではスキルのことはまったく学ばなかった。

それは学生では職業が決まっていないし覚えても仕方ないものだったからなのかもしれない。

でも、これで強くなれる方法はわかった。

まずはスキルを習得することからはじめればいいのだ。

セリーヌが言うには剣士系のスキルならば、まずは「斬撃」と「連撃」から覚えた方がいいと言う。

「斬撃」と「連撃」は基本中の基本のスキルで初心者に向いている。

「斬撃」は覇気を創り出して剣圧で相手を攻撃するスキル。

「連撃」はその名の如く、連続で相手を攻撃するスキルだ。

どちらのスキルの習得もそんなに難しいものではないらしい。

数をこなして使い続ければ簡単に習得できると言う。

この先でコロセウムの出場を控えているのだ。

それまでに習得しておきたい。


「これで俺も勇者に近づけるな」

「期待していますわ、カイトさん」


期待をしていてくれ。

俺は必ず勇者になってみせる。

そして名声と栄誉と大金をつかんで優雅に暮らすのだ。

見ていてくれよ、勇者ゲリオダス。

俺はあんたを越えてやるぞ。

俺の未来も安泰だ。

ガハハハ。

俺の欲望まみれの笑い声が辺りに鳴り響いたのだった。


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