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おばさんクエスト~あるあるだらけの冒険記~  作者: ぱんちゅう
第六章 集合するおばさん編
163/361

あるある162 「審査結果に疑いを持ちがち」

後夜祭の主役は優勝者でもあるカスミ、エマ、ライレイの3人。

周りのどの参加者達よりも豪華なドレスを身に纏いパーティーを楽しんでいる。

会場の中央に設けられた特設ステージの上でグラスを手にとり乾杯を待っていた。


「さあ、今夜でオーディションは全て終了です。激戦を繰り広げてくれた皆さまも優勝したお三方も皆さんが主役です。このオーディションの成功を祝いみんなで最後の夜を楽しみましょう!」


ダニエルが会場を盛り上げるために言葉を発すると参加者達も色めき立つ。


「それでは乾杯の音頭は主催者であるアンナさんにしてもらいましょう」


真っ赤なドレスを着たアンナがステージ上に登るとマイクを手にとり簡単な挨拶をする。


「この度、このようなオーディションが成功しましたのも皆様のお力添えがあったからに他なりません。参加してくれた挑戦者達も資金援助してくれたスポンサーの皆様にも感謝の言葉を送ります。どうもありがとうございました」


会場を見渡しながらアンナが深々と頭を下げるとパラパラと拍手が巻き起こる。


「優勝者は3人となりましたが、この3人にはカイト軍団への入団をお願いしたいと思います。魔王の脅威を退けたとはいえ魔王は健在しています。また、王都を狙って来る恐れもあるため、それに備えなければなりません。魔王と人類の戦いははじまったばかりなのです」


その言葉に会場の参加者たちは息を飲んで静まり返る。


王都マグナカウスに刻まれている魔王との激闘の跡が目に浮かび上がったからだ。

魔王戦からはや4ヶ月が経ったがまだ街壁の修復は完成していない。

元の状態に戻すのではなく新たな街壁を築こうとしているから時間がかかっているのだ。


「私達は魔王に打ち勝つために手をとり合う必要があるのです。すべては世界の平和のために」

「アンナさまの言う通りだ。俺達は魔王に勝たなければならない」

「すべては世界に平穏を取り戻すための戦いなのだ。俺はやるぞ」


真剣なアンナの呼びかけに呼応しはじめる男達は少し興奮気味に意気込む。

酒の酔いもあってかいつもよりも強気な発言をする者まで現れた。


「アンナの奴、意外と良いことを言うじゃないか。金儲けのことだけ考えたいたのかと思ったよ」

「アンナもアンナなりに世界を危惧しているのさ」


俺の失言をカバーするように投げかけて来るミゼルの言葉も的を射ていた。


このオーディションを主催したことで様々な人間と合いいろんな情報に接した。

だからこそ、世の中を俯瞰視出来て目の前の課題を捉えることが出来たのだ。

あながちこのオーディションの開催は悪くはなかったのかもしれない。


「それでは乾杯しましょう。私達の未来のために!」

「「乾杯!」」


アンナがグラスを掲げて乾杯の音頭をとると参加者達もグラスを合わせて乾杯をした。


黄金色の輝くシャンパンは夜の会場を映し出し、さながら星空のように煌めく。

口に含むとシュワシュワ感が広がり、ほんのり甘さのあるアルコールが体に染み込んで行く。

鼻から抜ける空気は爽やかで何杯飲んでも酔わなそうな軽めの酒だ。


さっそくアンナはスポンサー達のところへ行って談笑をはじめる。

オーディション成功の祈願と次の企画へ向けての根回しだ。


次の企画はどんなものを考えているのかわからないが金儲けであることは間違いない。

冒険を止めて本気で金儲けだけで暮らして行くつもりでいるのだろうか不安になる。

アンナはカイト軍団では主力なだけに欠けることは大きな損失になるのだ。


アンナが心変わりをしないうちにエジピア王国を離れた方がいいのかもしれない。


「カイト。凄かったなオーディション。俺、萌えちゃったよ」

「何だよ。ガッシュも水着にやられたのか?」

「だってよ。あれだけ際どい水着を着て来たんだぞ。萌えない訳ないだろう。特にカスミとライレイがよかった」


俺とガッシュがスケベ顔を浮かべながら締まりのない顔をしているとエミルの冷ややかな視線が注がれる。


「いやあね。これだから男ってのはどうしようもないのよ」

「仕方ないだろう。あんなもの見せられて冷静でいられる奴なんていないだろう」

「ガッシュの言う通りだ。何ならエミルも際どい水着を着てみたらどうだ?」

「セクハラはよしてよ、カイト。怒るわよ」


俺の心無い言葉にエミルは肩を怒らせながら不機嫌に声を荒げる。

振り上げた右手の拳は握られていて俺の頭を狙っていた。


「僕もカスミとライレイ推しかな。すっかりファンになっちゃったよ」

「マルクも色めいて来たじゃないか。それでないと男じゃない」

「女の魅力は胸の大きさで決まるわけじゃないのよ。わかってる、マルク?」

「女の魅力は胸のデカさで決まるんだよ。やっぱ胸がないとな」


エミルの胸にいやらしい視線を送るとエミルは腕で胸を隠してはにかむ。

そしてギロリと睨みつけながら俺達を牽制して来た。


エミルの胸は小ぶりだがこれから大きくなるであろう可能性はまだある。

10代の時にある程度膨らんでいれば将来的に見れば大きくなるのだ。

それに比べてペタンコだと大人になってもペタンコのまま。

だから、いっぱい牛乳を飲んで乳に栄養を送るのだ。


「スケベ達といっしょにいたらこっちまでスケベにされてしまうわ。行きましょう、マーク」

「俺はもうちょっと話しをしていたいんだが……」

「何?マークもスケベ話がしたいってわけ?」

「べ、別にそんなことを言ったわけじゃない。ただ、もうちょっとカイト達と親睦を深めるのもって」


口答えをするマークに冷ややかな視線を向けて黙らせるエミルはすっかり恋女房のよう。

マークがカイト達と同類になることを避けるために制して来たのだ。

あくまで自分の隣にいる男はどこまでも紳士的で清潔な男子であることを望んでいるからだろう。


マークはエミルに促されるまま、連行されるようにその場を後にした。


「あれじゃあ、かかあ殿下だな。マークもとんだ女を選んだものだ」

「ずっと尻に敷かれっぱなしになるぞ。くわばらくわばら」

「エミルは気が強いからね。マークのお先も真っ暗だよ」


憐みの眼差しでマークの背中を見送っている俺の横でガッシュも同じ反応を示す。

マークのこれからを予想しながらマルクも顔を顰めながらエミルの性格を口にした。


女子が強い方がカップルは長続きするって聞くが強すぎるのも問題だ。

時にしおらいか弱さを見せた方が守ってやりたいと言う男心を刺激できると言うもの。

ただ、エミルは強がっているだけでおばさんのように神経は図太くないからいい感じなのだろう。


そこへ綺麗なドレスを身に纏ったナッシュ達がグラスを持ってやって来た。


「カイト。こんなところにいたのね。探しちゃった」

「俺に何か用か?」

「カイトの感想を聞かせてほしいなって思ってさ。私の水着どうだったかって」


ナッシュは少しはにかみながらモジモジ爪先を遊ばせながら俺に尋ねて来る。

少しお酒が入っているのかいつもよりも顔が赤らんでいて色っぽさが滲み出ている。


ナッシュはこの5人の中では一番のロリっ子だから色気に関してはあまりない。

水着もセクシー路線でなく可愛い路線を進んでいたから正直な感想は普通だ。

ただ、ナッシュもナッシュなりに頑張ったのだから褒めておいた方がいいだろう。


「十分可愛かったよ。699ポイントも獲得できたことが証拠だ」

「カイトならそう言ってくれると思ったわ。キャハ」


俺のお世辞に満足したのかナッシュは満面の笑みを浮かべながら喜ぶ。

その後ろでモジモジしながらメリルがこちらをチラ見していた。


「どうしたメリル?」

「私もどうかなって思ってさ。カイト的にはどうだった?」

「それはもう最高だよ。メリルがあんなエロい水着を着て来るなんて思っても見なかったから、俺的には優勝だ!」

「そう言われると照れるわ」


だらりと鼻の下を伸ばしながらいやらしい視線を向けるとメリルは恥ずかしそうに手で体を覆い隠す。

その仕草は返って興奮を誘い若草色のドレスを着ているメリルに過激水着姿が重なって見えた。

目を細めればメリルの過激水着が見えるような気がして俺は頻りに目を細める。

すると、その様子を見ていたナッシュの鋭いツッコみが入った。


「カイト、鼻の下が伸びているよ。もう一度メリルの紐ビキニ姿が見たいの?」

「うんうん。何度でも見たい」

「カイトって本当にスケベなのね」

「俺からスケベをとったら何も残らないからな。スケベは俺のパワーの源だ」


自信たっぷりに啖呵を切る俺を見てシスタールやロレイン達は呆れ顔を浮かべていた。


「で、カイトは誰に何ポイント入れたのよ」

「ナッシュは残念だけど90ポイントかな。やっぱエロスが足りなかったからな。次があったらもっとセクシーで攻めるべきだ」

「やっぱりね。カイトの私を見る目は普通だったし。私の敗因はカイトにあるって訳ね」

「俺は厳正な審査をしただけだ。けっしてナッシュを落選させようとした訳じゃない」


まあ、あくまで俺の審査基準はエロス一本だ。

どれだけエロスを醸し出させるかで判断をした。

やっぱりペタンコのロリっ子ではポイントが稼げない。

メリルみたいに過激路線を攻めれば高得点も狙えるがペタンコのナッシュではそれも限度があるだろう。


「メリルには100ポイントをつけたのね?」

「もちろんだとも。あんなにも頑張ってくれたメリルに満点を上げないと割に合わないだろう」

「カイトがそう言ってくれると嬉しいわ。頑張ってよかった」


メリルは頬を赤らめながら恥かしそうに俺を見て喜びの笑みを浮かべる。


見た目とは違いメリルも結構純情な娘なんだと改めて理解する。

元から生まれたエルフの血が容姿を美形にした訳だが、それ以上に純なハートが眩しい。

常日頃、おばさんとばかりいたから余計にメリルの純朴さが心に突き刺さった。

もしかしたら、俺はメリルのことが好きなんじゃないくらい間違えるほど惚れ込んだ。


やっぱり俺の理論は間違えてなかった。

熟したおばさんが放つエロスよりも若さ溢れる娘のエロスの方が上なんだと。

膨らみかけのおっぱいは夢を与えてくれるし、張りのある艶やかな肌は心地よさを覚えさせる。

たわわに実ったおっぱいは時期にしわがれる。

そう考えると成長を見守れる膨らみかけのおっぱいの方が愛おしい。


そんなエロいことを考えていると俺の顔は馬のように伸びきっていた。


「カイト、またエッチなことを考えているよ」

「私達の裸も見透かされているかもよ」


スケベな顔をしている俺から身を守るように腕を伸ばして体を覆い隠すシスタール達。

キャッキャッと悲鳴を上げながら、嫌がる仕草をして俺を非難して来る。

ただ、本気で俺を嫌っているかと言うよりじゃれ合いたいだけの気持ちのようだ。

お酒も入っているからいつもよりもオーバーリアクションをしている。


「そんなにひん剥かれたいのんならひん剥いてやろう」

「キャー。スケベカイトに犯される」


さながら少女を食べようとする狼を思わせるような仕草をしてシスタール達に襲いかかる。

シスタール達はドレスの裾を引き上げて小走りに逃げ惑う。


すると、背中に悪寒が走り振り返ると鬼のような形相をしたセリーヌが立っていた。


「カイトさん。浮気は許しませんわよ!」

「浮気って。俺達は付き合っていないだろう」

「まだ、そんなことを言うのですか。私にキスしたり裸を見たりしたのに酷いですわ」


セリーヌの思わぬ告白に周りにいたシスタール達の顔から笑みが消えて冷ややかな視線を俺に向けて来る。


「おい、セリーヌ。誤解を生むような発言はするな」

「カイトさんは私をおもちゃにしていたのですね。カイトさんが私をおもちゃにしたいのでしたら私は身を捧げます。ですから、他の女子とは仲良くしないでください」

「カイトってどうしようもない奴なのね。スケベって知っていたけど彼女を泣かせるなんてね」


人目もはばからずセリーヌはおいおい泣きながら俺を非難する。

その涙が嘘だとわかっていたが、ナッシュ達には届いていないようで冷ややかな視線を送って来た。


ここで肯定してもセリーヌの罠にハマるだけだからスル―するのがいい。

ただ、俺を取り囲んでいる状況はそうさせてはくれず俺の判断を折って来る。

何せ、女性人達の冷たい視線が集まって俺の心を串刺しにするのだ。


「だー。もうわかったよ。俺が悪かったよ。これでいいんだろう」

「ちゃんと約束してください」


やけになって俺が仕方なしに譲歩するとセリーヌはしたり顔を浮かべながら強引に約束させようと迫る。


「くぅぅぅ……」

「約束してください」

「だぁぁぁぁぁー」


セリーヌの圧とその場の緊張に耐え切れずに俺はその場から逃げ出した。


逃げるが勝ちだ。

出来もしない約束をしても後で困るのは俺なのだからそんなものは無視していい。

この場から逃げ出したらみんなの非難を浴びるがそれも仕方ない。

今はただセリーヌの魔の手から逃れることの方が先なのだ。


「逃げたね、カイト」

「卑怯な奴だね」

「彼女が可哀想」


ナッシュ達は小さくなって行く俺の背中を見ながら口々に俺を非難する。


その声は俺には届いていないのでどうとでも言ってくれて構わない。

酒も入っていることだから明日になればみんな忘れるだろう。

悪夢はアルコールと共に流してしまうのだ。


ただ、少しも酔っていないセリーヌの心には深く刻まれたことは否めないが。





どれだけ会場を走っただろう。

人ごみを掻き分けて逃げるように走っていたおかげでアルコールがすっかり回ってしまった。

頭はクラクラするし足元はフラフラするしで立っているのがやっとだ。

ちょっとどこかで休憩をとらないとぶっ倒れてしまうだろう。


俺は目の前に飛び込んで来た椅子に座り丸テーブルに突っ伏す。


「ウェー。気持ち悪い」

「随分と飲んでいるようじゃな。水を一杯飲んで落ち着け」


聞き慣れた特徴的な声を聞いて顔を上げるとエマが空のグラスに水を注いで差し出して来た。


いつもとは違った桜色の豪華なドレスを身に纏い髪には金の髪飾りをつけている。

化粧をしているらしく唇は真っ赤で頬はほんのりとチークが入っていた。


ロリっ子にドレスと言う組み合わせはまるで七五三を思わせるような姿だ。

ペタンコな胸にはパットが入れられているらしく小さな膨らみを作っている。

やっぱりある程度、胸にボリュームがないとドレスは着こなせないようだ。


俺は差し出された水をはぎ取ると一息で飲み干した。


「ぷはー。生き返るようだ」

「いくらパーティーだからって羽目を外すのはよくないぞ。弱いなら弱いらしく控えておくのじゃ」

「別に俺は酒に弱いんじゃない。全速力で走ったからこうなったんだ」

「全速力でな……」


俺の言葉に疑いの眼差しを向けて来るエマの目は半開きになっている。

じとーっと言うような何とも言えない視線を向けながら大きなため息を吐く。


「まあ、そう言うことにしておいてやろう。それよりもワシ達になんかようなのか?」

「別にようなんてないよ。ただ、ここへ来たらお前達がいただけだ」

「それならせっかくだし乾杯しませんか?まだお酒が残ってますし」

「それもそうじゃな」


酒の瓶を持ちながらカスミが乾杯を催促して来るのでエマも同意して大きく頷く。

すると、手際よくカスミがみんなのグラスに酒を注いで回る。


「何に乾杯するんじゃ?」

「そうですね。私達の出会いにでしょうか」

「今更、出会いってのもなんなんじゃない。私達が優勝したのだから私達の勝利に乾杯しましょう」


さっきまで勝利を祝って酒を飲んでいたくせにまた勝利に乾杯を提案して来るなんておばさんと言う生き物は欲しがりだ。

ライレイはにこやかな笑みを浮かべながらグラスを掲げるとそれぞれの顔を見てタイミングを見計らう。

そして、みんなと視線を合わせて確認すると乾杯の音頭をとった。


「私達の勝利に乾杯!」

「「乾杯!」」


お互いに掲げたグラスを合わせて鳴らすと酒を一煽りした。


エマ達の飲んでいた酒は赤ワインで口に含むとぶどうの香りが鼻を抜けて少しばかりの酸味が舌を刺激する。

喉を焼き付けるほどアルコールは強くないがさっき飲んでいたシャンパンよりも強い。

グラスの一杯を飲み干しただけでもほろ酔い気分になった。


「ところでお主は審査をしていたよな。ワシ達にどれだけポイントをつけたんだ?」

「それはもちろん100ポイントだよ。セクシー路線で攻めたカスミとライレイは最高だったしな。今思い出すだけでも涎が出て来る」

「そんな熱い視線で見られると恥ずかしくなりますわ」


鼻の下を伸ばしながらいやらしい視線を向けるとカスミは手で体を覆い隠しながら恥かしがる。

そのリアクションを見てもカスミが純情であることが窺える。

それに対してライレイははっきりものを言うタイプなようで俺にツッコみを入れて来た。


「目がいやらしいわ。裸を見透かされているようで怖い」

「想像するだけならタダだからな。たっぷり楽しませてもらうよ」


ドレス姿のライレイ達に水着審査時の姿を重ねてムフムフと楽しむ、俺。

今はドレスを着ているから余計にエロスが刺激されて何とも言えない興奮状態になった。


「お主はしょうもない輩じゃな」


相手にされていないエマはちょっと皮肉交じりの言葉を吐いてグラスの酒を煽る。


「俺はロリっ子はタイプじゃないからな。もっとおっぱいが大きくなったら相手をしてやるよ」

「セクハラですね」

「見事なセクハラだわ」


心無い俺の暴言にカスミもライレイも冷ややかな視線を送りながら真顔に戻る。

まるで俺を蔑まんと言わんばかりの態度をしながら俺を遠回しに非難する。


すると、エマが自分のペタンコの胸を見つめながら残念がるように小さく呟いた。


「お主は巨乳が好きなのじゃな……」


声には張りが泣くあからさまにシュンとしているのでカスミ達も励ましの言葉を送る。


「女の魅力は胸の大きさじゃないですわ。ハートです」

「そうよ。相手の心をがっちりと掴めば勝ちなのよ」

「巨乳のお主らに言われるとますまず惨めになるのじゃ」


励ましの言葉は逆にエマの心を折ってしまいますますシュンとさせてしまう。


酒が回っているせいかいつもの強気なエマはおらずしおらしくなっている。

そう素直に落ち込んだ姿を見ると俺もちょっと悪いことを言った気持になる。

まあ、世の中にはロリっ子好きな奴らもいるからそう落ち込むことはないのだ。


「まあ、エマにはロリっ子ブランドがあるから自信を持っていいぞ」

「それは遠回しに貶しているだろう」

「考えすぎだ。ロリっ子は巨乳に対抗できるブランドだ」


不服そうな顔を浮かべるエマは俺を睨みつけながら言葉を吐いて来る。

それを覆い被せるようにロリっ子を称える言葉を並べてエマを説得した。


世の中に巨乳女子がいるように貧乳女子も同じだけいる。

巨乳女子はボディーラインが出る服を着て思う存分エロスを振り撒いている。

それに対して貧乳女子はボディーラインは出さずに可愛い路線で攻めてエロスを振り撒く。

少女を彷彿とさせるような服装を身に纏ってロリっ子を引き立たせている。

スケベおやじ達は巨乳も貧乳も好きだからまんまと罠にハマるのだ。


「お主はワシに何ポイントつけたのじゃ?」

「そりゃあもちろん……90ポイントだ」


思わぬようなエマの質問に溜を作りながら焦らせてボソリと呟く。

すると、すぐさまエマのツッコミが入った。


「10ポイント足りておらんではないか」

「仕方ないだろう。厳正な審査をしたのだから」


あくまで俺の審査基準はエロスだ。

エマはロリっ子体形を最大限活かすために白スクで攻めたがいまひとつ欠けた。

濡れ透けは最高だったが、やはり胸のサイズが足りておらずエロスが半減されていた。

白スク、濡れ透け、巨乳であったら間違いなくぶっちぎりの優勝だったのだが。


「もうちょっと胸を大きくしてから再戦してくれ」

「これ以上は大きくならんのじゃ」

「心配するな。胸は時間と共に大きくなるから大丈夫だ」


誰でも最初は貧乳からはじまる。

成長期を経て徐々に胸が育って行ってたわわに実る。

時間と言う栄養剤が胸をたわわに実らせるのだ。

もちろん時間だけでなく体を作る栄養素も必要だ。

牛乳がいいと言われているがマッサージもいいらしい。

とにもかくにも成長期にたんまりと栄養を補給すればおっぱいはたわわに実るのだ。


エマはカスミとライレイの巨乳を見つめながら自分の胸と交互に見やる。

そして大きなため息を吐いてガックリと肩を落とした。


「そんなに落ち込むな。ここは酒の席なんだ。もっと楽しもう」

「そうですね。せっかく優勝したのですしもっと楽しまないとですね」

「優勝賞金は3分の1になったけど金貨30枚もあれば満喫出来るしね」


周りに漂っていたしんみりとした空気を払うように言葉をかけるとカスミもライレイも乗って来る。

グラスの酒を飲みながら楽しそうなに満面の笑みを浮かべた。


すると、それまで下を向いて落ち込んでいたエマがボソリと呟いた。


「ワシはエレンと勝負がしたいのじゃ。そのためにこのオーディションに参加したんじゃからな」

「それは私も同じです。エレンさんと勝負するためにここまで来たんですから」

「そう言えば、エレンは見掛けないけどどこにいるのかしら」


エマ達は会場を見回しながらエレンの姿を探しはじめる。

しかし、どこにもエレンの姿を見つけられずに俺に視線を向けて来た。


「エレンは、その今、用があって出かけているんだ」

「どこへじゃ?」

「それはその遠いところだよ。でも、すぐに戻って来るから安心しろ」


今、エマ達に言えることはこれだけだ。

本当のことを話すのはもっと後でいいだろう。

でないと、逃げられそうな気がしていたから……。


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