1-7
紛争を止める?
なぜ特性について理解しただけなのにそうなる?
そう思っていたのが顔に出たのだろう、師匠が説明してくれた。
「国連を脅すと話しただろ?だがただ行っただけじゃ追い返されるだけだ。ではどうすればいいかというとだな、人間1人じゃとてもできない規模が大きい事をやればいい。国連も対応せざるを得ないからな」
「なるほど、そりゃそうだ。でも俺はケンカに参加したことはあっても殺し合いに参加した事はないがどうすればいいんだ?」
すると師匠は「殺し合いもした事無いのか」と呆れて顔を手で覆ったが、それ日本じゃありえないからな。
しばらく師匠は考えていたが、諦めたように言った。
「殺し合いに参加したがないなら仕方ない、待機だ」
と言って特性[細胞変化]を使い、鳥になって飛んでった。
…これからどうしろと?
※数時間後
師匠が置いてったナイフで鹿と死闘(鹿は攻撃性はありません)してなんとか捌いて焼いて食べようとしたところで問題にブチ当たった。
「火が無い…」
そう、鹿肉を焼くための火が無いのだ。
と、ここで閃いた。太陽が沈んできて寒くなり霧が出るほどの冷気が漂い始めたのだ。
この冷気を熱エネルギーに変えられるか?と思い、落ちていた木の棒を集めてそこに対して熱が集まるようにすると…
ボワァァ!!
突然爆発したかのように炎が上がり、危うく火傷しそうになって更に周囲が一気に冷えたのだ。
「熱ッ!寒ッ!」
一度に2つの温度差に襲われ一気に怖くなった俺は、イメージを取り乱してしまった。
その結果。
ボワッァァ! メラメラメラ
「まずい…」
そう、山火事が発生してしまったのだ。
霧と煙が立ち込める中、現在地すら分からず山火事から逃げなければならないのか…
「終わった…」
まさに自業自得か…
力に溺れた結果がこれか…
だんだん息苦しくなってきて意識が薄れていく…
「怪亜、ごめんな、父さん約束を守れなくてごめん…」
そして倒れて意識を失いかけたその時!
ポツ ポツポツ ザーー ビュー コツコツ
雨が降ってきた。ここまではよくあることだが、なぜ風が俺の居ない方向に向かってふいてるんだ?
朦朧とした意識の中、足音がよく響く…足音?
首に力を入れ顔を上げるとだれか歩いてくる。
だが見た目的に師匠じゃない…だれだ?
そのとき人影がしゃべり始めた。
「キハハハ。自滅する奴久しぶりに見たぜ。俺が雨雲と風を[移]さなければ危なかったな」
そう言ってまたキハハハと笑う。近づいてきた人影の姿がブレ始めた。
「キハハ、ゆっくり寝ときな」
そう言って俺を木にもたせ掛けて言った。
不思議と不安はなかった。
やっと本編へ動き始めた…