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美しき御神楽  作者: 笹垣麗花
1/9

episode1-1 殺人鬼は、美しく舞う

初めまして、笹垣麗花という者です。

小説を投稿するのは初めて、という訳ではありませんが、なろうでは初めてです。

今回は、肥前文俊様が主催の「書き出し祭り」の第三会場にて、投稿した作品です。

沢山のアドバイスを頂き、それをできるだけ反映した物を今回は投稿します。


楽しんでいただければ幸いです。

 結果を左右するのは実力だけであり、間違っても気合いや信念では変えることは出来ない。


 槍を持った兵士は白髪の少女へ突進する。一方、その少女は右手で持っていた黒光りする刀を迷いなく振り抜く。その刃は兜と鎧の隙間を正確に通し、首を刈り取る。

 兵士は崩れ落ち、隙間から鮮血が流れ出る。しかしそれを見る暇もなく次の兵士が声を上げ大剣を振り下ろすが、少女はそれを優雅に躱し左手で持っていたもう一本の刀で兵士の手首を切り落とす。そして大剣は兵士の手と共に地に落ちる。それは秒に満たないできごとだったので兵士は何をされたのか分からず唖然としていると首を切り落とされる。


 この場で少女が奪った命は既に50人を超えていた。

 どの兵士も動きは単純で、そして人数で押せば少女を殺れると意気込んでいる。

 少女は呟く。無駄なのに、と。


 だがまだ兵士達は諦めないようだ。いや、諦めていないのは指揮官だろうか。指揮官が兵士たちに信念を植え付けているなら兵士が諦めないのも納得できる。


 少女は突撃してくる兵士軍を見据える。

 数えられないほどの人数が意を決して、少女の首を奪わんと殺気立っている。だが、少女に問題は無い。

 少女は着ていたチューブトップの黒い和風の服の帯を締め直し、裾を整える。崩れかかったポニーテールを直し、茶色のブーツの紐を結び直す。先程までは豆粒程度にしか見えなかった兵士の影は顔が見える程にまで近づいている。しかし少女は慌てもせず、刀を握り直し、深呼吸する。そして深呼吸を終えると騎士軍目掛け走りだす。


 先頭集団はそれに怯むが、誰かの「構うな!」という声にもう1度気を取り戻し、少女を目視する。

 遠目でははっきりと見えなかった少女の顔は、とても麗しいものだった。


 そして少女の剣舞が始まる。


 誰の刃も少女を捉えることはなく、また、少女の刃から逃れられる者もいなかった。ある者は首を切り落とされ、ある者は四肢を切り落とされ、痛覚と出血多量で意識を失い、やがて死ぬ。

 そして何十人といた兵士は遂に全て地に伏せた。

 少女はため息をつきながら刀に付着した血を払い、切り殺した兵士の亡骸の方へ視線を移す。それは地獄絵図に等しい死体の山。常人ならたちまち嘔吐する斬殺跡。しかしそこに、1人の黒髪の青年がいた。装備からして兵士だ。しかし、武器を持っていない。

 少女は感情のない赤い瞳を青年に向ける。


「全員殺した筈だけど」


「すまんな。森をさまよってた。それで抜け出したと思えばこれだ」


 声色からして青年は少し怒っているようだった。しかし感情に振り回され、考えなしで突撃をかます他の兵士とは違う。


「仲間が殺されているというのに随分と冷静ね」


「ああ...そうだな。...よっと」


 青年は軽く答えると、死んだ兵士の片手剣を2本取り上げて片手に1本づつ握り、試しに振る。兵士から取り上げた片手剣は二刀流用に作られていない。当然、重量は常人にはまともに扱えるものではないし、リーチも癖がある。しかし青年は軽々と振り、違和感なく扱っている。それを見るだけで少女は青年がどういう人なのかを理解をする。


「意外と待ってくれるんだな」


「だって暇だもの。もう周りに人は居ないし、私を楽しませて?」


 少女は無感情の瞳で上目遣いをすると、2本の黒光りの刀を構える。


「可愛い顔でそう言われると期待を裏切りたくはないが、生憎俺の実力じゃ無理かもな。だが、」


 そう言って苦笑をすると、片手剣を構え、


「足りない部分は根性で埋め合わせるさ」


 と青年は決めゼリフを吐き捨てる。すると少女は呆れたようにため息をつく。


「下らない。貴方はそこで倒れている兵士がどうやって死んだのか見てなかったの?そんなものは無駄なのに」


「いいや、意外とそうじゃないかもしれないぞ、神楽レイちゃん?」


「...そう、気安く私の名前を呼ばないでくれる、若い兵士さん?」


「おっと、そういえば名乗り忘れたな。俺はヘルン公国騎士団副団長、エヴァンだッ!」


 青年エヴァンが名乗るのを合図に両者は地を蹴る。互いの声が少し聞こえにくいほどあった距離は瞬きの間にお互いの息が感じられるほどの距離になる。

 最初に攻撃をしたのはレイ。真っ向勝負は刃渡り的に不利なのでエヴァンの突撃を器用に受け流し、背後を取ったところで首に刀を下ろす。幸いエヴァンは兜をしていない為、多少動きにくくても首は取れる。が、エヴァンはそれを予知していたのか片手剣を自分の背後にやりレイの刀を受け止める。

 レイはブラインドの状態で自分の刀を受け止めたことに驚くと同時に、なんで騎士団はこんなにも面白い人物を今の今まで隠していたのかと嬉しい感情を抑えきれず口角が吊上がる。

 エヴァンはレイの刀の力を利用してくるりと反転すると片手剣でレイの刀を壊す勢いで振るう。

 レイは刀に掛かる力を最低限にするため刀を傾けるが予想をはるかに上回る負荷が襲い、後ろに飛び退く。


「...折れたと思っていたんだが」


 エヴァンはレイの戦闘力を落とすため、刀を使い物にならないようにするつもりだったのだがその思惑は上手くいかなかったようだ。黒の刃は傷ひとつ見せることなく、平然と佇んでいた。


「それ、相当の業物だな。それもそこら辺じゃ作れもいないほどの」


 レイはその言葉に耳を傾ける事もなく、二刀をエヴァンの命を奪うため振るう。

 八方向からの様々な斬撃、そして点の攻撃で防ぎにくい突き、徒手格闘など多種多様な攻撃をするが、それを捌ききるエヴァンの実力はレイを満足させるのには十分だった。

 レイは今まで様々な人間を相手にしてきたが、レイとの一騎打ちに付き合えた者は一人としていなかった。騎士部隊長、幹部、熟練暗殺者達は一般では常軌を逸脱した腕前なのだが、それを軽々しく殺めたレイと渡り合えるエヴァンという人物は、最早人間なのか疑わしくなる。

 幾度となく続ける斬撃を受け流し、時には避け続けられるのでレイは埒が明かないと判断し、後方に大きく跳ぶ。

 するとレイは大きく深呼吸をし、ゆっくりと腕を広げる。普通は戦意喪失と汲み取るが、エヴァンは絶え間なく流れ出るレイの殺意に油断することなく剣を構える。


「貴方は、とても強い。それも私が相手した中では1番。だから、使える」


 レイはゆっくりと体を動かして構える。エヴァンは言葉と行動の意味が分からなかったが、自分の本能が囁く。危ない、と。


「神楽、ヤトノカミ」


 そして神楽は始まる。

 レイはエヴァンとの距離を詰め、再び刀を振り下ろす。さっきと同じようにエヴァンは受け流し、避け、偶に攻撃を仕掛けるが、どの攻撃も優雅にかわされ、受け流しや回避がしきれず顔に切り傷を付けられたり、鎧の隙間を浅く切られる。

 さっきまでは両者傷一つ付けることは無かったことに対し、今度はエヴァンが一方的に傷を負うことになっている。

 その理由はエヴァンにはにわかに信じがたいが、恐らくレイは何も考えていないのである。人は視覚から脳、脳から筋肉と動くまでに時間がかかる。極限状態になれば、視覚から筋肉へ直接電気信号がいき、いわゆる条件反射になる。このタイムラグは絶対に消せないものであり、これの短さで熟練度が決まる。しかし、エヴァンが感じるにはそのラグがほぼ無いに等しいのである。まるで演技のような、定められた動きをしているように。


 エヴァンは次第に追い詰められていき、左手の片手剣を弾き飛ばされてしまう。エヴァンの武器は残りの1本だけになり、ただでさえ苦しかった戦況は更に悪化する。しかしレイの斬撃は減ることなくエヴァンを狙い続ける。

 するとエヴァンは転がっていた兵士の鎧に足を引っ掛けバランスを崩す。それを見逃す程レイは甘くなく、エヴァンの片手剣は10メートルほど飛ばされてしまう。


「これで、終わり」


 レイの刀が振り下ろされる。黒い刃は無慈悲にも首へと向かう。勝負は決したと、そう思われた。


「まだ、終わらねえ!!!」


 しかし、副団長はまだ諦めなかった。篭手で刀を受け流し、レイの腕をつかむ。そのまま捻ろうとするがレイの筋力は腕の細さに見合わないほど強く、振りほどかれてしまう。レイは刀で腕を切り落とそうとするが、エヴァンは寸でのところで回避し、レイの背後へ回り込み、腕と体を絞める。抱きつく形で。


「ッッ!!」


 レイは必死でもがくも、腕は体と一緒に拘束されてる上、鎧を着て騎士が使う片手剣を2本持って軽々と振り回す剛力羅に適うはずもなく。


「ちょっ!暴れんな!大人しくしろ!」


 副団長は初心らしく、レイの推定Dのの下乳が手に当たり、顔を火照らせる。しかしレイは依然としてもがき続ける。

 そうしてる合間に次の兵士団が到着する。レイはどうせ数秒で終わるだろうと思っていたのでこれは想定外だった。なので兵士たちは抱き合ってる様に見えるエヴァンとレイを見るやいなや


「副団長とあの殺人鬼が抱き合ってる...!!」

「団長が鼻息荒らしながら少女を襲おうとしてる...!!!」

「え、あの女ってあの殺人鬼?めっちゃ色白美人じゃん」

「てかこれ副団長、国家反逆罪で指名手配じゃね?」

「「「確かに」」」


 と大量に死んだ兵士に目もくれず、二人のスキャンダルにいっせいに口を出す。一方エヴァンは汗を滝のように流し、レイは現状をどうするか思考を巡らせる。そして数秒の沈黙の後、一緒に森へと逃げていった。


 こうして若き騎士と美しき殺人鬼の共闘記は始まる。


 しかし道中、エヴァンがレイに「意外と大きいんだな」と言ってしまったことを後悔するのは別のお話である。

読了していただきありがとうございます。

実は僕、国語のテストだけが平均をうろうろするほど国語が苦手で、語彙力を鍛えたり、妄想を言葉にしてみたいという願いを叶えるため書いてます。なので、読みづらいかも知れません。語彙力を鍛え、読者様が喜ぶような小説を書けるようなっていきたいです。


さて、ここからは世界観のお話をしたいと思います。これから読む際に、頭に入れておけば、話を理解しやすいと思うので。その後に貰ったアドバイスや質問への返答も行います。

まず時代背景ですが、小説情報にも乗っていた通り、中世ヨーロッパを想定しています。

ですがパラレルワールド、つまり、こことは違うどこかの世界の中世ヨーロッパです。

まあ大方ヘルン公国しか出てこないので、そこまで気にする必要はありません。中世ヨーロッパの時のイギリスとか調べて、合わせるのが面倒くさかったのです。

中世ヨーロッパなので、電波ではなく、剣や槍や弓矢が飛び交います。銃ですが、1400年くらいではあまり普及してないらしいです。中国が発祥らしいです。

そしてヘルン公国の説明です。至って普通の絶対王政です。領土が大きめの国で、農村と、市街地の差があるくらいです。都会と田舎みたいな。

作った理由としては、そっちの方が都合がいいという低俗な理由です。まあ仕方ないね。


登場人物は書きすぎるとネタバレになってしまうので控えめに。

はいまずレイから。

スペック的には成人男性3人分の筋肉あると思ってください。僕もそういうつもりで書きます。

そして次、チューブトップの和服ってなんだよって言われました。これはFate?という作品(あまり詳しくないです)で、玉藻、というキャラがいます。その服装を参考にしてください。メインカラーは黒、サブカラーは赤です。

理由についてですが、それはこの後に出てくる、アドバイスへの返答でご確認いただければ幸いです。

性格は冷徹、ですかね。これ以上はネタバレでしょう。


次はエヴァンですね。スペック的には成人男性の5人分くらいだと思ってください。キチガイです。でもそれくらいしか取得ないので。服装は鎧です。そこら辺のデザインは皆様にお任せします。女の子キャラクターの服装はこだわるのですが、男の子は正直興味ないので。男の子って顔よけりゃ余程センスがない限り何着ても似合うと思うんですよ。


ここからは読まなくてもいいのですが、書き出し祭りでのアドバイスの返事とこの物語の誕生秘話とか書きます。

先ず、アドバイスで、一番どうにかしなければいけないなと思った物から。


「最初戦闘だと思ったらエロコメに変化した」


はい、反省しております。正直自分でもここまで作風変える作品なんざこれくらいだろと思っていました。流石に雰囲気の変化が激しすぎますね。文章が4000字だからこんな感じになってるんだろと言われましたが、図星ですね。正直公の場に出していいやつではありません。

.........個人的には好きなんですがね?

コホン、では続きを。

今更、作品の文字数を増やすなどという作業はしたくないので、文章を変えて、少しエロコメ要素少なくしてちょっとマシになったかと思います。文を1つ2つ消すだけでもだいぶ変わりますね。

次行きましょう。


「殺人鬼かっこかわいいにしたいの?」


全くもってその通りでございます。

実はレイの案というのは、人気RPGアプリゲーム「剣と魔法のログ〇ス」で友人がキャラメイク、僕がコーディネートしたキャラが気に入りすぎてほとんどそのまま使ってます。お陰でクール系キャラ、ジト目キャラが死ぬほど好きになりました。服装ですが、先にも言った通りfateの玉藻さんをご参考に。色は黒と赤で。


「行頭に空白開けよう」


このアドバイスは真っ先にやらせていただきました。

ですが当初、やり方がわからず困り果てていると、機能で行頭開けれることを教えてもらい、使ったら涙でそうなほど感動しました。


「戦闘シーンに光るものあり、磨くべし。背景やトドメのシーンを工夫するべし。」


ありがとうございます。まさか戦闘シーンが褒められるとは思っていませんでしたが、お陰で自信が持てました。戦闘シーンは緋色髪ツインテのツンデレ幼女(高2)が拳銃乱射する小説を主体にやっております。あの小説はスラスラ読めるのにカッコイイので羨ましいですね。あの様なものを目指し日進月歩していきたいです。

背景ですか。正直気にもしてなかったのでとても参考になりますが、4000字以内とあればやや難しいので3話あたりから取り入れていきたいです。



今回ピックアップしたのはこれくらいです。貴重なアドバイスをありがとうございます。


長くなりますが、次は物語の誕生秘話ですかね。1話なので盛りだくさんです。

実はこの物語思いついたの書き出し祭りの作品投稿が始まってから二週間後くらいです。

先程言ったように、レイが好きすぎたので、それが主人公になるように。後、たまたま戦国無双を思い出し、それを西洋に変えてとやっていたらできました。500年前の日本は正直あんまり好きではありません。理由としてはストーリーが作りにくいのです。なのでヨーロッパにしました。今回使うのは1400年なのでジャンヌ・ダルクが有名ですかね。


最後に、書き出し祭りでの多くの投票、本当に本当にありがとうございます。少し評判の悪い第三会場とはいえ、僕の作品に目を通し、感想まで書いてくれる事は、生涯の思い出レベルです。これからも、感想や評価をいただければ、涙を流して、喜んで手直しすると思います。これからもよろしくお願いします。


以上で終了となります。グダグダ話に付き合って下さりありがとうございます。連載となるので、次は2話であいましょう。



Why is she killing people?→→

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