ダンジョン創世記0004
自分が遣らかしてしまったと気付いた俺は、暫くの間を頭を抱えて蹲る嵌めに…
っとは言え、既に行ってしまったことは取り返し利かない事態となってしまっている訳で…
ええ、不貞寝しましたが…なにか?
そらもう、グッスリと夢も見ずに熟睡しましたよ。
ってもな、下の問題も飲料水の問題も解決したし、調理に問題があるとは言え食材も得られる状況だ。
俺1人が食す位ならば十分に生態系が保たれる環境を意識して創り出したからな、少々のことでは資源が枯渇することはないだろう。
そのことが安心感を生んだのか、気持ち良く寝ることができたよ。
そして翌朝?いや、密室である現在は時計もないので朝か夜かも不明なのだが…
それでもダンジョンコアにて開放までの残日数というのが確認できる現状、それで時間や日数を予測するしかないのだけどね、ふぅ。
そう言う訳で、現在の時間的余裕を確認するためにダンジョンコアへと。
どうやら8時間近く休んでいたみたいだな。
昨日は行き成り拉致された後の理不尽な仕打ちに戸惑いつつブックを読み進めての方針決め。
そして空腹と飢えにストレスにて判断を誤り水源の構築…疲れている筈だよ、全く。
そんなことを考えつつコアを使っての確認作業を続ける。
しかし…便利と言うか不思議な機能…物質だよなぁ、このダンジョンコアって物は。
球状の本体へ触れつつ念じれば、自分の意識空間と言い表せば良いのか?イメージ的には立体映像とでも言うのか…そんな感じで情報が閲覧可能に。
ってもな、既に構築され存在する物に対してのみ可能なのだが…昨日に創った水源の状態が知りたくて確認ってな。
………はぁぁぁっ!?
皆様、異常事態です、警報発令なのです、ですですよっ!
クリーンスライムの異常増幅並びに、水質が魔気力超純水とか言う代物へと。
水生動植物も、何やらクラスチェンジなされておられるようでぇ…
何よりも驚きなのは、妖精や精霊と呼ばれる存在が水源に現れて屯されておられるのだとか。
昨日は漆黒の闇に閉ざされている中を蝋燭の明かりを頼りに移動するしかなかった水源部屋なのだが…溢れた魔気力が放射され辺りへと漂い、それにて照らされている状態となっているらしい。
いや、意味が分からんのですが?
因みに…ダヌが10万を超えてらっしゃるのは、どゆこと?思わず固まってしまいましたが、なにか?
妖精や精霊の目視は不可能らしいのだが、コアの情報にて確認可能とのこと。
これはダンジョン機能にて呼び出した存在ではなく、整った環境にて自然発生したり他所から寄って来たりするのだとか。
いや、それだけ妖精や精霊に気に入られる環境なのですね、自慢!ってぇ!良いのかぁっ、それぇぇぇっ!
気になった俺は、取り合えず水源との境となっている扉を開けて水源部屋へと。
………………………コアルームよりも、めっさ明るいんですが…何、これ?
蝋燭は卓上へと戻し…っと、この燭台の蝋燭は何時までも灯っているけど…もしかしてマジックアイテムか何かなのか?
だとしたら地味なマジックアイテムだなぁ~
そんなことを思いつつ燭台を机の上へと戻して水源部屋へと舞い戻る、俺。
なんだか幻想的な空間が広がっており、昨日とは様相が明らかに異なっていた。
植物による浮き島的な物も現れ、その上には潅木程度の木々が茂っているみたいだ。
木の実が実り、茸なども生えている。
壁には光る苔などが生い茂り始めているのが伺えた。
って!一夜程度で変わり過ぎだろっ!これぇぇぇっ!
沢蟹や沢海老のような生き物と小魚を捕らえでコアルームへと戻る。
潅木の枯れ木のような枝も回収し、潅木の枯れ枝を使った薪を蝋燭の火で着火して焚き火を起こすことに。
次に大振りな葉を生やした水草より回収した葉へと食材を包んだ俺は、無事に起こった焚き火へと葉を焼べる。
何重にも葉で包んで中には水気を含んだ藻を挟んで燃え尽きるのを防いでみたのだが…キチンと火が入った品になるのかが…不安だ。
そんなことを思いつつ空腹にて耐えかねた俺は、潅木に生っていた木の実や浮島へ生えていた草の実などを貪る。
木苺みたいな物と桃のように水気の多い果物系な木の実だったが…少しは腹の足しにはなったな。
しかし…クリーンスライムも上位存在へと進化を果した固体が存在するようだが…あの部屋は色々とヤバくないか?
ダヌは精気や気力とか魔力にて供給される代物なのだが、現在の水源にて生み出されるダヌの源が豊富過ぎるのだろうな。
次々とダヌが増えて行く現状に頭が付いて行かない状態となっている。
ただ分かっているのは…ダヌの心配から開放されたっと、言うことだろうな。
いや、これって反則技って言うか…明らかにチートだろっ!
意識して行った訳ではないんだけど…良いのだろうか?
まぁ、遣ってしまったことは仕方ないことだと割り切って、次にどうするか?
っと!その前に焚き火が燃え尽きてしまったか…焦げ付いた葉を潅木の枝にて引き寄せつつ葉を剥がしてみる。
1層と2層の葉と藻は焦げ付き燃えてしまっていたが…3層と4層の葉は焦げた程度、残りの5層と6層は水分が、まだ残っていた。
その6層目の葉に包まれた食材は火が入り湯気が上がっている状態となっていたよ。
俺は試しに小魚を口へと。
内臓の苦味が小食気になるが…包んだ葉の香りが移り不味くはないな、うん。
………美味くもないけどな…
だが貴重な蛋白源であるには変わりない訳でぇ…シッカリと全て食しましたよ、うん。