ダンジョン創世記0003
ダンジョンブックの内容を確認していくと、次ぎのことが解ってきた。
・ダンジョン建造において可能なことについて。
・造り出せる生命体について。
・造りだせる道具について。
大きく分類して以上の3つに分かれると考えて良いだろう。
構築については大中小の部屋と通路が造り出せ、それを組み合わせることでダンジョンが作成可能となっているみたいだ。
ただ…階層については1階層しか造り出せない仕組みとなっており、使用可能なダヌの残量を考えつつ構築すべきだろう。
部屋を造り出すのに掛かるダヌ量は以下となる。
・大部屋… 100ダヌ。
・中部屋… 80ダヌ。
・小部屋… 50ダヌ。
・通路 … 30ダヌ。
・拡張 … 200ダヌ。(1回辺り小部屋相当)
・縮小 … 100ダヌ。(1回辺り小部屋相当)
・結合 … 500ダヌ。(最大5部屋まで)
・環境 …1000ダヌ。(環境依存にて増減あり[当該平均ダヌ値])
・罠 … 800ダヌ。(種類により 増減あり[当該平均ダヌ値])
おおまかに上げれば以上だが…内容が膨大なために全てを把握できたとは言えないだろう。
なにせ柱や壁、床に天井の種類や形状に模様と色などなど…選べる項目が多過ぎて混乱を招く感じでな。
それにザッと目を通しただけで、詳しくは見ていないのが現状だ。
呼び出せる生き物もスライムや虫などしか見当たらない。
兎や亀などの生物も呼び出せるようだが、ダンジョン防衛には向かないだろうよ。
いや…ゴブリンとコボルトにスケルトンも呼び出せるが…明らかに最弱としか思えないのだが?
料理などは呼び出せず、台所やトイレなどの施設も不可能だった。
だが、俺が今の段階にて一番に欲しているのは生活できる環境という物なんだ。
兎に角、飲み物も食い物もない現状、ダンジョンが攻められて殺される前に餓死してしまうだろう。
いや…渇きの方が先だな。飢えは耐えれても人間は渇きには耐えられないらしいからなぁ。
この侭では死んでしまう…切実な悩みだよ、本当に。
そして…俺が今現在においてブックを前に考え込んでいることがある。
実は部屋の建築にて部屋と部屋の境目の高低については膝上程度までならダヌ不要にて調整可能と解ったからなんだ。
これを利用して現在の部屋の隣へと大部屋を最大結合して造るつもりなんだ。
大部屋を5部屋構築するとして百ダヌ×5で5百ダヌとしようか、それを結合して結合に5百ダヌ×5の2千5百ダヌが掛かり部屋構築費を足し3千ダヌ。
こうして造り出した巨大部屋へと水を創り出せば貯水池へとなるだろう。
これに水質を保つ水草や生き物を呼び出すことで水源を確保する計画と水生生き物を放ち、それを捕らえ食べることで飢えを癒す作戦を考えたのだが…俺は見付けてしまったのだよ、ある項目をっ!。
1つは魔力水と気力水と言う2つの不思議な水を。
ただ…この2つ性質を持つ水を部屋へと満たすと5千ダヌは必要となるようなんだ。
そして水質を保つにはクリーンスライムという水生スライムが適しているのだとか。
このスライムが存在することで、水質もだが水生生物に適した環境が保たれると言う。
1年内に此処へ生態系が形成されればダヌが、この部屋から齎される可能性も…
とは言え、環境だけで8千ダヌにてスライムと水生動植物を含めると9千ダヌが消えてしまうだろう。
残りの千ダヌにて最低限の防衛施設の構築?可能なのか、それ?
だが…飢えと渇きを癒す術と言うのは捨て難い。
更に離れた場所へ移動して用を足せば、クリーンスライムが浄化してくれるだろう。
近場でも可能だが…それは流石に自分の精神的な問題と言うことで…
更には風呂のように身を清めることも可能となる。
いや、勘違いしないで頂きたい!水で身を清めると言う意味であり、決してスライムを活用するものではないからね。
うん、女性が活用…ゲフンゲフン!
このように考えるならば非常に有効であり、魔力水か気力水に対しクリーンスライムは適正を持ち活発に活動するとの記載が。
水質を保つにはクリーンスライムに活躍して貰う必要があるからな。
なにせ水は腐る物なんだよ、昔の大航海時代に船へ酒樽が積まれたのは飲料水の代わりにする為だったとか。
水が腐るなどにて尽きた時の代用って話だったが…体に悪そうな話だよな、本当にさぁ。
水生動植物の中には、魚や海老に蟹、亀などもいるし、水草も食用可能な物も多い。
更には植物は乾かせば可燃物となるため、少々危険だが部屋で燃やして捕らえた食材を焼く事もできるだろう。
調理器具が何も無いのが辛過ぎる、せめて鍋とかフライパンは欲しい。
いや、箸や器も無いって…作り出す素材もない現状、原始人以下の生活環境と言って良いのでは?
兎に角、今は少しでも食生活を含む生活環境の向上を少しでも目指すべき。
そのように考えてしまい…実行してしまう俺だったのだが…後とから考えるに、飢えと渇き、そして異常な環境から与えられるプレッシャーなどのストレスにより、少々思考が、なぁ。
どうして、このような判断をしたのかと、冷静になった俺が後悔するのは、暫くした後だった。
正しく、後悔先に立たず、っと言う言葉を地で行ってしまった感じだったよ、ふぅ。
そう…勢いで水源を創り出し、渇きを癒し水草を貪った後での一休み後…
「やっちまったぁぁぁっ!」っと絶叫した、俺が、い・た。
これから、どうすんだよぉぉぉっ!