この主人公…できるっ…!
ドーモ。読者の皆=サン。夜和泉瑞樹です。いかがお過ごしでしょうか。
前回のあらすじ。俺に告白してきた3人が裏で手を組んでいた。
しかし、俺はこの事件の黒幕に心当たりがある。
「お前なにしたんだよ。いお」
「ばれるのが早いなあ」
「バレバレなんだよ。何年一緒にいると思ってるんだよ」
そして伊織は自白した。俺に想いを寄せている人が居ると聞き、二人を集め、転校してきた香澄と俺の会話が怪しいと睨み、10年前のことを知り引き入れたらしい。
「でも…何でこんなことをしたんだ?」
「え?だって、ヨミくんハーレム嫌いじゃん?」
んー…まあ複数人を愛せる自信がないしなぁ…。
「だから、『親友』として君にふさわしい人を選ぶためだよ」
「それ———どういうことなの!あにい!!」
「っちょっ!梓!?なんでお前がいるんだよ!」
「だってあにいの部屋がすっごいうるさいんだもん」
「あらら…ねえヨミくん。ちょっと替わってくれないかな」
は?なんでだよ…?
「ちょっと替わってくれだってよ。いおが」
「え!?い、伊織先輩!?」
そこから二人の話し合いが続いた。梓が常時キュンキュンしていたが。
「あにい!」
「ひゃい!?」
「とりあえず…頑張って幸せになって後悔するな!」
と言って部屋を出ていった。
「お前なにしたんだよ…まあいいとりあえずちょっと頼みがある」
えっと…どうも。紡原蓮華です…。なんで私がここなんですかぁ…。
~♪
はう!?で、電話…?…!?し、しかも夜和泉くんから…?
「も、もひもひ!」
か、かんじゃいましたぁ…。
「やあ、蓮華」
!?!?!?!?れ、蓮華!?ど、どうして…
「俺は告白してくれてうれしかった。だから、お前らのことを無下にはふれない。だから、俺とデートしてくれ」
「わ、わかっ…りました…」
わ、私が、瑞樹くんと…で、デート!?…い、いいんでしょうか…?
…あ、私の呼び方で違和感を覚えた方がいると思いますが、この呼び方は心の中だけです…。ちゃんと…いつかは呼んで見せます…!
この後、デートの日取りなど決めて、電話を切りました。はあ…緊張しました…。
読者の皆様、覚えてくれてるの?詠月恵よ。わたし、なんでここをやってるのかしら?…一人称が『わたし』なのはコッチの都合よ。気にしないでくれると嬉しいわ。
〜♪
ん…?電話…?わたし他人に電話番号教えた覚えが無いのだけど。
「もしもし」
「やあ、恵」
なんでヨミくんからかかってきてるの!?
「ど、どうしたの?」
「あれ?あまり驚いてないな…。驚かすつもりでいおに電話かけろって言われたんだけど」
驚いてるに決まってるでしょう!?あとあのバカなんてこと言ってくれてるの!
「わたしが驚くわけないじゃない。で、何の用なの?用がないなら切るわよ?」
「いや待ってくれよ。俺、告白されて嬉しかった。だから、ちゃんと選ばなきゃなって思った。そのために今度デートしてくれ」
…え?告白…嬉しい…デート…してくれ!?
きゃぁああああああ!嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しいいいい!…ご、ごめんなさい。取り乱してしまったわ。
「いつ!?どこで!?何をするの!?」
「とても嬉しそうで良かったよ。嫌じゃないんだな」
「そ、そんなことないわ!少しよ、少し!」
少しキャラ崩壊してきた気がするわ。デートに向けて気を引き締めなくちゃ。
皆さん1話ぶりね。綴姫香澄よ。わたくがここを任されるのはなにか意味がありそうね?
〜♪
ん…電話…。
「もしもし」
「やあ」
「あら、わたくしに何か用かしら?」
「わ、わたくし…!?お前一人称そんなのだっけ?」
「忘れたのかしら?」
「あ!10年前は『わたくし』って言う普通のお嬢様だったな!!」
イラッ…。腹立つわね。
「…って、そうじゃなくて、告白してくれただろ?それは素直に嬉しかった。でも3人を幸せにすることは、俺にはできない」
「だからデートにでも誘ってくれるのかしら?」
「なんで知ってるんだよ!?」
「教えてくれたわ」
「あぁ、なるほど…」
…ふっ。わたくしかデートでメロメロにしてやりますわ!
「あと…これだけは言っておきたいんだけど、10年前の事は忘れてない。でも、これは3人平等にしてもらう」
「いいわ。やってやりましょう。貴方をわたくしのものにしてみせるわ」
「じゃあまたデートの時に」
ふふふ…。デートプランを考えないとね…。
ふう…。これでひとまず全員誘えたな。ここは俺の特権じゃ無かったんだな…。
まあ、ゆっくりでいいって言ってくれたし、ゆっくりじっくり考えるか。どいつが俺の彼女になるか、見守ってくれよ。