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転生するときの心構え

作者: 南港

これは、転生する前の天国での話です。


「やっぱり次生まれ変わった時は誠実さを大事にしたいなあ。」

「その場合、鈍感さや不器用に陥りやすくなりますが、よろしいですか?」

「えっ!?、なんかリスクデカいなあ・・・。」


このような会話は、もはや日常会話となっていた。

天国の役所には、生まれ変わりに関しての相談所がある。

そこに来る人の悩みは大抵”次に生まれ変わったら、どう生きるか”

というものだ。もちろん、そんなこと生まれる前から決めれるわけじゃない。

でもここでは”次の人生で大事にしたい事”を決めれば

それを性格に作用することができる機械があった。

しかしそれにはデメリットもあり、不安定要素も一緒に

含まれるということになっている。

機械というのはどうしても、デメリットが付いてくるというものだ。

それでも、ここの機械を使う人は多い。

それはやはり、前の人生で経験したことが関わってるのだろうと思った。

当たり前だが、生まれ変わったら前の人生のことは忘れる。

だが、次の人生では同じ失敗はしたくないと誰だって思うもの

だろう。

以前こんな奴がいた。


「俺の生真面目さを性格から消すことはできないかい?」


聞くと男は、前の人生ではその性格が悪い方向に働き

わりとひどい目にあったという。

だがここは、あくまで次の人生を良い方向へ繋げるための場所だ。

その男には嫌な部分だったかもしれないが、普通に見たら

大事な部分だ。それを消すというのもなかなか無理な話だと言うと、


「天国なのに、不幸に陥れるつもりかっ!!!」


と言われた。偶にこうゆう奴はいる。

何でこいつ地獄じゃなくて天国にいるのかなあって思ってしまったけど、

こいつも苦労してきたんだから次は真っ当な人生送ってほしいって

神様も思ったのかなと考えることにした。

そこで、私はこういうことにした。


「何もわざわざ良いところを消す必要なんてないんです。

その持ち前の良い所を、改善してみるのです。」

「改善?」

「ハイ。失礼ですがあなたが前の人生で失敗した原因は、

生真面目さじゃなくて、別の所にあると思うのです。」

「そんな馬鹿な!現に俺はひどいm・・」

「そこです。話を最後まで聞かないせっかちな所が

生真面目さと悪く組み合わさったのではないかと思います。」

「えぇっ・・・。」

「心当たりはないですか?あなたが失敗したのは

生真面目さより他の部分が原因だったのじゃないかと。」

「う~ん・・・」

「ここは一つ、冷静さを大事にしてはいかがですか?

その場合、無愛想や無関心に陥りやすくなりますが

貴方の生真面目さがあれば、その点もプラスに向けられると

私は思います。」

「そうだなあ・・・」

「要は組み合わせですよ。まずそうなものでも組み合わせ次第で

おいしくなりますよ。もちろん逆もまた叱りですが。」


言ってから口が悪かったかなと思ったが、

男はそれで納得してくれた。

こうして不安がある人は、ある程度悩みを解消して生まれ変わっていくのであった。

この機械が導入される前、天国では前世で酷い目にあった人は、よく生まれ変わるのを

拒否する事があった。次の人生に不安があると、生まれ変わりに

踏み込めないのだろう。

実をいうと、あの機械には性格を作用する効果はない。

ただのガラクタだ。そんなもの、天国には存在しない。

これは、増加する生まれ変わり拒否者に対する解決策であった。

天国はあくまで、次の人生へ行く前の仲介所だ。

ずっと居られてはいずれここはパンクしてしまう。

そうならないためには、拒否者の不安を少しでもなくそうという事になったのだ。

実際この機械が導入されてから、天国は少し活気づいた気がする。

要は心構えが必要なのだと思った。

何かを始めるときは、いつだって不安なものだ。

それが生まれ変わりだろうと、変わらない。

だが天国にいる以上、いずれ生まれ変わってもらわなければならない。

その時少しでも前向きに進んでいきたければ、

ここで転生するときの心構えを知って欲しいと思った。
























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