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「ん…ここは…」
目を覚ましたら見知らぬ天井でした
「あぁ そっか牢屋に入れられたのか、そういえば咎人の烙印とやらを押されたんだったな」
あれはめっちゃ痛かった、そういえばどんなのか確認してなかったな…
!?これは、口に赤い短剣を咥えている赤黒い色の髑髏…ちょっといかすじゃねぇか。
これから俺はどうなるんだろうか、まさか死ぬまで牢屋生活?それとも処刑?どっちも嫌だな。
「よーおい、兄ちゃん やっと目が覚めたんのか?」
「ん? お隣さんがいたのか、さっき起きたところだよ 俺は迅って言うんだ、よろしくな」
隣の牢屋には、食事は最低限しか与えられてないのかちょっと痩せ気味な男が入れられていた
「おう 俺はマルコスってんだ、短い間だがよろしく」
「マルコスは何をしてぶちこまれたんだ?あ、マルコスって呼んでいいか?」
「別にいいぜ、こっちもジンって呼ばせてもらうからな。実はな、ここの城にあるお宝を拝借しようとしたんだよ」
「へーなんでまた?」
「それはそのお宝ってのがもともと俺らの国のもんだったんだけどよ、俺らの国にここの王様が来た時にそのお宝をみて「これは美しい、決めたぞこれは儂のものじゃ、こんな辺鄙なところの王である貴様などではなく儂にこそふさわしい」って言って権力に任せて無理やり持っていっちったんだよ」
「なるほど ここの王様はそうとう屑だな」
「そう思うだろ? まぁ俺の話はここらへんにしてジンはどうしてここに入れられたんだよ?」
「俺か? 俺はステータスに邪神の加護ってのがあってぶち込まれた」
「マジかよ…ん?その言い方からすると邪神の加護がなんだかわかってねぇみたいだな?ジンってもしかしてさっきちらっと聞いた噂の咎人の異世界人か?」
「ん おうよくわかったな。異世界に来たらしょっぱなから「お前は罪人だ!」なんていわれて右も左もわからないままぶち込まれたんだよ」
はぁ・・・とため息を吐く
「ハハッそれは災難だったな、て言うとスキルはまだ持ってなかったり?」
「いや…【捕食】っていうわけわからんスキルが一つだけある」
「なんだそのスキル?見たことも聞いたこともねぇぞ… よしっ!じゃあそんなジンのために俺が一つスキルを伝授してやるよ!」
「えっいいのか!? どんなの教えてくれるんだ?」
スキルが覚えられると聞いて少し興奮気味に返す
「おう、俺が今から教えるのは【鑑定】っていうスキルだ」
「おー 姫さんも持ってたやつだな」
「これはな、たとえばこれの情報が知りたいっ!て思った時にこのスキルを持っているとそれを凝視するとその物の情報が出てくるってやつなんだ」
「へー 覚えられたらすごい便利なスキルだな…それでどうやったら覚えられるんだ?」
「まぁそうあわてんなって…そうだな……」
そういってマルコスはごそごそと懐を探り出す。
「あったあった よし、これを十秒間見てみろ」
そういって拳大の石を取り出した。
「よしわかった」
なんでそんなもの持ってるんだと思わないでもないが、とりあえず置いといて石を凝視してみる。
1…2…3…………
《スキル【鑑定】を手に入れました》
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
【鉄鉱石】
・硬くて丈夫な石、主な用途は武器にや防具に使うなど。
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
きっちり十秒凝視したら男とも女とも取れる中性的な声と半透明なウィンドウが出てきた。
「なんか声とウィンドウが出てきたぞ」
「おし 成功だな、ちなみにスキルを取得した時は不思議な声が聞こえるからな。鑑定は自分のスキルも見れるからな」
「ありがとうマルコス」
「いいってことよ」
「そういえば、最初に「短い間だが」って言ってたと思うんだがそれはどういう意味だ?」
「今更そこに突っ込むのかよ… それはな、もうそろそろ仲間が助けに…」
ガチャッ
その時マルコスが入っている牢屋の扉が開いた。
「噂をすれば何とやらだ」
「マルコス、助けに来たぞ」
「まぁそういうことだ じゃあなジン、達者でな」
「あぁそっちも元気でな」
そういってマルコスは仲間とともに立ち去って行ったのだった。
「さて、じゃあ鑑定でもしてみるかな、鑑定。」
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
【名前】ジン・ニシムラ
【種族】人族
【称号】邪神の加護・咎人
【スキル】捕食・鑑定
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
【邪神の加護】
・邪神に気に入られたものに贈られる称号。
この加護がついているものは種族を問わず魔法属性が闇になり、扱える氣の種類は邪気のみとなる
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
【咎人】
・咎人の烙印を押された者に贈られる称号
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
【捕食】
・スキルを持った魔物を食べることによってそのモンスターのスキルや身体的能力を取り込めるスキル
魔物は生きていても死体でも捕食可能。
ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ
これは…ずいぶんとチート臭いな、しかしやっぱりいるのか…もんすたー。まぁモンスターなんてものは牢屋にはいないんだけどさ。
と、そんなことを考えていると足音が聞こえてきた。その足音はだんだんと近づいてきて最終的には俺のいる牢屋の前で止まった。
ガチャッ
「咎人よ、牢屋をでろ ついてこい」
何だ?もしかして逃がしてくれるのか?
………そうな淡い期待をしていた時期が俺にもありました。
場所は変わって、城から約一日ほど歩いて何もない荒野の奥、なんかもう禍々しいとしか表現できないオーラが出ている穴の前だ。中は暗くて確認できない
「さて咎人よ、これから貴様をこの国のしきたりにより迷宮<深淵>に落とす」
「え?何処に?もしかしてここに?マジで?それはちょっと勘弁してほし「問答無用!!!」」
是非もなし……俺は一番偉そうにしていた騎士さんに突き落とされる
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
こうして俺の迷宮デビューは始まるのだった。