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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
203/221

203


 本を見つけるのが全ての目標だった。なので旺伝達は必死の思いで本を読みこんでいた。特に絞り込んでいるのは昔の資料だ。悪魔は江戸時代の文献から発見されているので、東日本の放射能汚染は関係なさそうだ。なので最近の資料には目を通さず、江戸に対する資料に目を通していた。格別面白い作業ではない。むしろ苦痛ばかりを感じさせられる作業ばかりだ。本をずっと読んでいると、どうしても眼精疲労を感じてしまう。特に面白くもない作業は眼精疲労も多い。一旦休憩しようと思っても、疲れは取れない。楽しいのであれば休憩せずぶっ通しで作業が出来るかもしれないが、こればかりはそうもいかない。疲れがとれないと思っても休憩をしないと集中力が減っていくばかりだ。特に面白くもない作業の中でも休憩無しなのは考えさせられる。なので旺伝とハリティーは自動販売機で喉を潤せていた。休憩所に座ってジュースをひたすら飲んでいるのだ。


「やっぱり本ばっかり読むのは疲れるな……頭痛くなってきた」


 パソコン作業よりはマシだが、本を読むのも眼精疲労を感じてしまう。こんな事もあろうかと目薬を持って来たのだが、これはブルーライトを削減する目薬だった。なので本による眼精疲労には効果が無さそうである。最近、パソコン作業なかりだったのでブルーライトを削減する目薬に一目惚れしてしまったのだ。旺伝はその目薬を右手で掴み、無慈悲な眼差しで見つめていると、隣から笑い声が聞こえた。不意に隣を見ていると、ハリティーがこれみよがしに目薬を使っていた。それは万能タイプの目薬で、どこにでも売っていそうな目薬だ。旺伝は何故かそれを羨ましく感じながら、自身も目薬をさしていた。涙が出そうだったが、これで我慢するしかないのだ。


「ちくしょう……普通の目薬も買っておけばよかった」


 しかし後悔しても遅い。旺伝は疲れた表情を見せながらも目薬をさすのだった。



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