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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
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 王立図書館が建てられているエリアは一般人にも立ち入りが許されている。いうなれば大学の食堂のように一般開放されているのだ。旺伝はそれを知っていたので、何の躊躇もなく学園の敷地内に入っていた。中には外国人が物珍しそうに学園を見物していた。それもその筈だ。この科学が発展した時代に和風な建築物など希少価値が高いに決まっている。特にフランス人は日本が大好きだ。世界に繋がっているチャットアプリなどを使い、フランス人のアカウントに足跡を付ければほぼ100パーセントの確率でチャットのお誘いが来る。それだけ日本人の価値は彼らにとって高い。我々がアメリカのハリウッドに憧れるように、彼らは日本のアニメに憧れを抱いているのだ。無論、それはアニメだけでは収まらない。奈良の大仏に群がるように寄っていくのも彼らの特徴だ。365日、どの時間に行っても外国人は奈良の大仏を見ている。これだけは間違いない。その多くはフランス人である。日本の文化を一目見たいと思ったフランス人は、来日して実際に日本の文化に触れる。と、旺伝は思っていた。


 しかし、外国人ばかりに気を取られていては前に進めないので旺伝は約束の場所に向かっていた。その場所とは、王立図書館である。この図書館には世界中から集められた書物が眠っていて、職員ですらも全ての蔵書を確認出来てはいない。なんせ地下室にも本が眠っているぐらいなので膨大の数を誇る。それだけに職員は、「○○の本はありますか?」と利用者に聞かれるのが冷や冷やするらしい。データベースで調べると一発で分かるが、それでも職員が本の場所を知らないと思われるが嫌のようだ。旺伝は今まで、そのような感覚は理解出来なかったが、仕事をするようになってからは何となくだが分かるようになっていた。


 そして図書館の敷地に入ると、中では忙しなく本達が動いていた。魔法がかけられているようで利用客の元に本が送られてくるのだ。さすがは魔法学校と感心したのは一瞬で、通る際に本がふつからないかと心配になっていた。なんせ広辞苑よりも遥かに分厚い本が飛び交っていて、危なくて仕方ないのだ。旺伝は怪訝な表情を浮かべながらも、お目当ての本を探すためにデータベースを開いていた。

当たり前だが、ここには魔法ではなく最先端の科学が使われていた。データベースに向かって声を出すだけで、勝手に検索してくれる。しかもものの数秒で検索結果が表示されるので、旺伝のような短気な人間にも優しい。



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