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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
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 旺伝とラストラッシュの会話は尽きない。特に旺伝は久しぶりに人と話すような感覚があるので人とお喋りするのはこんなにも楽しいのかと嬉しさが爆発していた。今までの旺伝はそこまで会話に趣旨を置いてはいなかったが、今ではお喋りおばちゃんの気持ちが良く分かるような気がしていた。恐らく彼女達は本当に話すのが好きなのだろう。そうじゃないと世間話に1時間も2時間も費やせない筈だ。会話に面倒くさい感情を覚えていると、ケチンボなオバサン連中はただちに会話を停止させて家の中に籠る筈だ。なんせ主婦は家に帰ると仕事が盛りだくさんなので余計な会話をする暇があれば、とっとと家に帰っているだろう。しかしそれが出来ない理由は世間話が心底楽しいからであろう。そうじゃないと同じ相手と何時間も話し合うのはどだい無理な話しだ。その意味ではきっと旺伝もおばちゃん達のような感覚を抱いているのだろう。


「あそこには高級羽毛布団付きのベッドがあった。確かに寝つきは良かったが、結局はいつもの枕が無いと寝れないよな。違う枕を使うと他人の考え方が伝染するような感じがして、どうにも苦手なんだよ。これがさ」


 潔癖症とは違う。旺伝のプロ意識がか確実に成長している証である。普段の旺伝ならば黙って従う所だが、今回の相手は元同僚のダニーボーイだ。彼は冷酷な判断をけ出せる悪人のような面をしているので用心に越したことは無い。そういう人間を冷静に対処するためには理不尽なお願いを敢えてするのが大切だった。理不尽でるが故に向こうも自分の行いを始めてしまうケースがほんとんであろう。と、ラストラッシュの答えを待っているとようやく口が開いていた。見るからに悪い顔しているのに、これで甘党

かつ友情を大切にする人間だとは中々思えない。心の中でどう呟こうが自分の勝手なので、こればかりは本音大半を占めいていた。


「環境が変わると最初こそ新鮮な空気を吸い込めますが、慢性化した時が一番やっかいだと僕は思いますよ。もしも仕事や日常生活に慣れを感じてしまいますと、その時点で強烈なスランプに陥る可能性が非常に高いです」


 ラストラッシュはそうだと言うのだった。環境を変えた先でも慢性化してしまうとスランプになる可能性が高いと。せっかくモチベーションの低下が見られたから環境を変えたのに、次の環境先でも同じような生活習慣でいては転職を繰り返すだけの無駄な時間が増えてくるだけだと。ラストラッシュはそういう考え方を嫌っているようで、環境を変えようとする人には首を傾げるしまつ。




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