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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
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 最近、疲れを感じやすい体質になっていた旺伝はなにが原因かと自問自答をしていた。疲れやすいのは明らかに自己管理不足なのが原因である。何の理由もなく夜遅くまで起きていたり、朝起きるのが遅かったりすると自律神経が崩壊して最終的に廃人となってしまう可能性が非常に高い。それだけは防ごうと思っても旺伝は仕事柄徹夜が多くを占める。そんな状況に身を置いているからこそ旺伝は諦めモードになっていた。しかしそんな旺伝を察したのかラストラッシュが話しかけていた。


「最近の玖雅君は確かに前向きで素晴らしいですが、少々空回りしていますよね。その原因は明らかに不安を感じているからからだと思いますよ。まったく不安を感じないのもアレですが不安を感じ過ぎるのも良くありませんよね。それは考えればよく分かる事です。なので今の玖雅君にはバカンスなどに行って心の底から癒しを取り入れるのが理想的でしょうが……悪魔の血が流れている以上はそんな悠長な事を言ってられませんか。それでは精神を安らがせるためにどうすればいいのでしょうか?」


 ラストラッシュはクイズを出していた。精神を安らがせるための方法とは何かと。旺伝にとって精神を安らがせるのは寝る事だが、それでは教科書通りの回答としかいいようがない。カリスマ性の高いラストラッシュがそんな回答を待っている筈も無かった。となると、どういう回答が適切なのか理解する必要があった。そして納得するまで自問自答をして、ようやく答えを導き出していた。


「俺にとって精神を安らがせる方法は何も考えない事かな。ボーっとして時間を過ごしているとストレスが解消させるような気がする。最近考え事ばかりだったから考えないのも一つの方法かなって思えるようになったよ」


 旺伝は深い息をつきながら答えていた。息を吸うのも旺伝にとっては精神を安らがせる方法だったが、それよりもむしろ精神を昂ぶらせるという表現の方が正しかった。なので精神を昂ぶらせる質問ならば深呼吸と答えていたのだが。そうこう考えていると、ラストラッシュは首を横に振っていた。


「それが最善の策とは言い難いですね。何も考えていないという事はすなわち、暇な時間を持て余している事ですから。暇な時間は不安を抱かせるだけなので意味がありません。本当に必要なのは不安を思わせる時間を造らせない事です。すなわち、忙しい環境に身を投じている時が一番効果的なのですよ」


 ラストラッシュはそうだと言うのだった。



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