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絶対血戦区域  作者: 千路文也
1st ♯4 ぼくらのヒーロー
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 こうして何もない部屋にいると、どうでもいい考えが脳裏に浮かんでしまう。今、旺伝の頭脳を駆けまわっているのは大手携帯電話企業のキャッシュバック詐欺と実質0円詐欺だ。キャッシュバック詐欺は言わずもがなだが、実質0円詐欺は明らかに消費者をハメ殺しにしようと画策している。3年契約で毎年2000円払えば実質0円でスマホが持てますよ。などという甘い言葉に騙されて借金契約をされているのも気が付かない人間があまりにも多すぎるので、旺伝は暗い気分になっていた。どう考えても一括で払った方がいいにも関わらず、お金が無いので複数契約にせざる終えない。そんな金の無い自分に歯がゆさを覚えながらも旺伝は実質0円詐欺を利用していた。


「このスマホにもまだ契約が残っているのに……!」


 旺伝はハッと閃いた。このスマホで助けを呼べばいいのではないかと。この考えに至ったのも全て無駄な事を考えていたからだ。やはり人間は考えにふけっている時の方が遥かに思考回路が回転している。特に旺伝が思考を回転させる相手は老害だ。老害相手には思考を凄まじく回転させないと自分が痛い目に遭ってしまう。そんなのはストレスを溜めるだけなので、絶対にそうはしたくない。だからこそ旺伝は、老害を相手にする時は思考回路を速めている。そんな事を考えながらも、旺伝はプルプルと震える手でスマホの画面を操作していた。これでこの部屋から脱出できる。そう考えただけでも嬉し過ぎて鳥肌が止まらない。しかし、次の瞬間には旺伝は肩を落として、ベッドの上に倒れ込んでいた。


「くそっ……圏外かよ」


 そうだと言うのだ。圏外だと。どうやらこの場所は予想以上に人里離れた場所らしい。もしかすると山奥に軟禁されている可能性も高い。それを考えているからこそ、絶望感が脳伝の頭の中に蔓延っていた。やはり無駄な事を考えるのは無駄な事だと、改めて思えた。しかし考え事をしない限りは暇つぶしも出来やしない。それだけは確実に言える。なぜならばこの部屋には何もない。もしも面白い暇つぶし道具があれば話しは違ったかもしれないが、それも無いので絶望感と同時に虚無感を感じざるが終えない


「なんか色々と疲れたな。シャワーでも浴びようか」


 そう、頭の中で何かを考えているだけで人は疲れを感じてしまう。だからこそ旺伝はシャワーでも浴びようとしたのだ。以外にもこの部屋にはシャワーが完備されていたので、気分転換になりそうだった。



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